(1)4月30日天皇退位による平成最後の日を迎える。安倍首相は直前まで(29日帰国)欧米6か国を訪問してG20大阪開催への協力など首脳外交に奔走した。新聞コラムではこれも天皇生前退位のお陰、効果だと書いていた。
天皇退位が事前に決まっていて、気がねなく首脳外交に出かけることができたというわけだ。
政治日程から6か国歴訪が10連休前の天皇退位前しかなかったのかわからないが、通常であれば10連休にかけて海外訪問をするというのが考えられる日程で、退位直前の29日に帰国というのもあわただしい日程と映る。
(2)安倍首相は保守思想が強く、天皇制についても男子一系に強いこだわりがあり、生前退位にも恒例とせずに一代限りの特例とする考えを示して今回も特別立法として施行した。
宮内庁としては(天皇の意向を受けていると思われるが)高令天皇にとっては誰にとっても天皇の務めを遂行するのは大変で、生前退位を恒常的なものとする考え、意向があったともいわれて、一時政府と宮内庁の関係がぎくしゃくしたこともあったといわれている。
(3)平成天皇はそれまでの天皇像と違って、初めて美智子皇后を民間から迎え入れ、この度新天皇となる皇太子ほか子ども3人を自らの手で育てるという「初めて」の英断を貫いてきた天皇、皇后像だった。
そういう意味では戦後憲法による国民統合の「象徴天皇」像を実践してつくり上げてきた天皇歴史である。
保守思想の強い安倍首相としては数千年に及ぶ天皇歴史の理想像とは少し違う考えに映ることは容易に考えられて、もちろん口にも行動にも出せることではないがそれでも女性天皇制については否定的な考えを論外にも示して、積極的には取り組んでこなかった。
(4)今回の天皇退位直前までの安倍首相の海外訪問が天皇退位がすでに決まっていたこととして「気がねない」日程だったのか、象徴天皇としての平成天皇の「初めて」づくしの革新性に何か思うことがあってのものなのか、あまりに天皇退位直前29日までの海外訪問ではその本心を聞いてみたいところだ。
(5)天皇退位の特別法にもとづき今年後半にも皇室安定継承にかかわる政府協議が始まるものとみられるが、安倍首相としてもあと任期2年を残し、あるいはいわれるように4選もあるとすれば女性宮家、女性天皇制について議論することになりこれまでのように先送りはできない事情もある。
(6)情報化時代を迎えて秘とく性の強い皇室行事の情報公開をすべきだと書いたが、数千年の天皇歴史も戦後憲法で国民統合の「象徴天皇」制となったからには女性天皇制も受け入れる考えもあっていいことだ。
たしかに数千年連綿として受け継がれてきた天皇歴史というのはかけがえのない重み、価値、伝説ではあり、日本歴史の誇るべき精神構造性ではある。
(7)一旦崩してしまえば、数千年の日本歴史、天皇歴史に対する心のつながり、荘重な営みが立ち消される問題でもある。どこで、だれが、どのように断ち切り、新しい歴史をつくり始めるのかは重要で、やはり国民統合の主権者として「国民」が決めるしかないように思う。
それを考える令和新時代が明日から始まる。
天皇退位が事前に決まっていて、気がねなく首脳外交に出かけることができたというわけだ。
政治日程から6か国歴訪が10連休前の天皇退位前しかなかったのかわからないが、通常であれば10連休にかけて海外訪問をするというのが考えられる日程で、退位直前の29日に帰国というのもあわただしい日程と映る。
(2)安倍首相は保守思想が強く、天皇制についても男子一系に強いこだわりがあり、生前退位にも恒例とせずに一代限りの特例とする考えを示して今回も特別立法として施行した。
宮内庁としては(天皇の意向を受けていると思われるが)高令天皇にとっては誰にとっても天皇の務めを遂行するのは大変で、生前退位を恒常的なものとする考え、意向があったともいわれて、一時政府と宮内庁の関係がぎくしゃくしたこともあったといわれている。
(3)平成天皇はそれまでの天皇像と違って、初めて美智子皇后を民間から迎え入れ、この度新天皇となる皇太子ほか子ども3人を自らの手で育てるという「初めて」の英断を貫いてきた天皇、皇后像だった。
そういう意味では戦後憲法による国民統合の「象徴天皇」像を実践してつくり上げてきた天皇歴史である。
保守思想の強い安倍首相としては数千年に及ぶ天皇歴史の理想像とは少し違う考えに映ることは容易に考えられて、もちろん口にも行動にも出せることではないがそれでも女性天皇制については否定的な考えを論外にも示して、積極的には取り組んでこなかった。
(4)今回の天皇退位直前までの安倍首相の海外訪問が天皇退位がすでに決まっていたこととして「気がねない」日程だったのか、象徴天皇としての平成天皇の「初めて」づくしの革新性に何か思うことがあってのものなのか、あまりに天皇退位直前29日までの海外訪問ではその本心を聞いてみたいところだ。
(5)天皇退位の特別法にもとづき今年後半にも皇室安定継承にかかわる政府協議が始まるものとみられるが、安倍首相としてもあと任期2年を残し、あるいはいわれるように4選もあるとすれば女性宮家、女性天皇制について議論することになりこれまでのように先送りはできない事情もある。
(6)情報化時代を迎えて秘とく性の強い皇室行事の情報公開をすべきだと書いたが、数千年の天皇歴史も戦後憲法で国民統合の「象徴天皇」制となったからには女性天皇制も受け入れる考えもあっていいことだ。
たしかに数千年連綿として受け継がれてきた天皇歴史というのはかけがえのない重み、価値、伝説ではあり、日本歴史の誇るべき精神構造性ではある。
(7)一旦崩してしまえば、数千年の日本歴史、天皇歴史に対する心のつながり、荘重な営みが立ち消される問題でもある。どこで、だれが、どのように断ち切り、新しい歴史をつくり始めるのかは重要で、やはり国民統合の主権者として「国民」が決めるしかないように思う。
それを考える令和新時代が明日から始まる。