いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

静かな参院選。 calm election of the house of councilors

2016-06-30 19:45:28 | 日記
 (1)参院選も中盤を迎えたが、静かなものだ。選挙区が比較広く今は支持地盤固め中心で、後半に向けて浮動票有権者の多い都市部に選挙戦が移り少しは騒がしくなるのだろう。

 さらに英国からのEU離脱確定の激震ニュースが走って、国際政治、経済、EUの今後の動向に関心が向かっており、日本国内でも参院選への関心の高まりはあまり感じられない。
 投票権が18才に引き下げられて最初の選挙で、これまでの選挙前投票率が今回は大幅に伸びて、分析では投票権18才引き下げ効果と捉えられているのがせめてもの変化だ。

 (2)安倍首相は参院選直前に17年4月の消費税10%引き上げを19年10月まで再延期して参院選で国民の信を問うと言ったが、これに各党の選挙公約、訴えでは核心を突いたものはない。

 自民党谷垣幹事長は「アベノミクスをさらに推し進めていくのかどうかが最大の争点」(報道)と言い、民進党岡田代表からは「経済と国民の暮らしを立て直す」(同)と言われてもさっぱり何のことか伝わってこない平凡さだ。

 (3)国民に信を問うなら、それを受けて立つなら社会保障財源となる消費税10%引き上げを2年半再延期して、社会保障、年金、医療についてどう立て直すのか、しないのか具体的な政策提示が求められるのに、前述のような与野党の平凡な訴えを聞かされるだけだ。

 (4)新聞メディアのホームページを利用した選挙アンケート(えらぽーと)では、消費税10%引き上げについて「法改正し、引き上げを延期または中止すべきだ」(報道)と59%が回答して、引き下げる33%をダブルスコア近く大きく上回っている。

 民進党岡田代表は選挙前の国会での党首討論で来年4月引き上げる経済状況にはなく、19年4月まで再延期(19年には増税して財政健全化実現)してその間赤字国債発行で社会保障政策を進める提案を示しながら、参院選の公約の中には赤字国債財源案は盛り込まなかった。

 (5)法改正しての消費税引き上げ延期または中止回答の59%国民と同じ認識でありながら、民進党岡田代表は具体的な方法論(赤字国債発行による財源)から回避したのでは争点外しで、いくら経済と暮らしを立て直すと訴えても国民の理解を得られることにはならないだろう。

 「えらぽーと」アンケートでは消費税引き上げ延期、中止による財政健全化への取り組みについて「歳出削減」が52%、「経済成長による税収増」33%で増税10%を大きく上回っている。

 (6)舛添政治資金不正問題に象徴される政治不信による歳出削減要望に政治がどう応えるのか、できるのか、アベノミクスのエンジンを「ふかす」とか「分配と成長の両立」とか言ってみたって具体像を示さなくては国民との思考、認識とのかい離が際立つだけだ。

 (7)参院選挙戦は、与党が3分の2議席を確保してすでに衆院3分の2議席と合わせて憲法改正発議が現実のものとなるのか、野党はこれを阻止する1人区候補者一本化で対抗するという、安倍首相が国民の信を問うと言った参院選とは焦点が外れたものとなっている。

 英国のEU離脱の影響、都知事選候補者選びの方に関心が行っているのも致し方ないところだ。

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歪んだ精神ハッカー。 a twisted mind hacker

2016-06-29 20:01:10 | 日記
 (1)特別に人生を犠牲にしてまでそれを「仕事」にしていなければ、ハッカーというのは「愉快犯」だから人を出し抜いて自己満足、自己顕示する精神作用体だ。
 情報化時代、社会でコンピュータ技術、技能に長けていることを自慢してみせたくて人を出し抜くのだから、精神性は曲がって(twisted mind)いる。

 佐賀県が独自で開発を進める教育情報システムに不正に侵入して、教育個人情報を盗んだとして同市の17才の少年が逮捕された。無線ランを使っての校内個人情報システムが狙われた。

 (2)無線ラン情報がわずかに校外に漏れ出る弱点を巧みについて、近場で情報収集したと伝えられている。コンピュータ情報は多くの情報が技術ひとつで手軽にいつでも、どこでも、どこからでも閲覧できることが特性、特徴で、そのためには規制はできるだけない方がいいわけだ。

 もちろんそのためには高度な個人情報のセキュリティシステムの徹底化が必要になるが、それはまた自由で多様、多価値の使い勝手の悪さにつながるジレンマもあって、ハッカーに狙われるところでもある。

 (3)個人成績情報も本人の開示管理情報だけでなく個人開示を承認許可する学校情報管理システムが幾重にもかかっていればセキュリティモードを高く維持できるが、それではいつでも、どこでも、どこからでも情報閲覧できるという汎用性に欠けることになる。

 佐賀県教育委員会も独自の教育情報システムに「脆弱性があった」(報道)と認めた。他県に先駆けて開発した独自制度だけが優先されて、制度を最大限活用する意図、価値の中で情報セキュリティが不足していた情報社会のジレンマでもあった。

 (4)ハッカーの17才少年は盗み取った個人情報開示システムを仲間に教えて、1万5千人分、21万件の学校成績情報などを不正に得ていたといわれる。本人が直接手をつけずに引き込んだ仲間に伝授して実行させるという手口も、自己満足、顕示型のハッカーの特徴だ。

 思い出すのは他人のパソコンに不正に侵入してそのパソコンから爆破予告の脅迫メールを送りつけて、これに関与したとして数人の無関係のパソコン所有者の誤認逮捕に至った事件があった。

 (5)これも直接本人が指示するのではなくて、他人になりすまして事件を起こすという情報化社会の盲点を突いたものだった。この事件を受けてコンピュータ情報関連捜査の対応の遅れが指摘されて、警察機関でも専門組織が設置された。

 国としても同様の事件が起きる以上、情報セキュリティシステムについてシステム安全基準(内部情報)を考えるべきだ。国をあげて情報安全管理社会の実現を目指さなければならない。

 (6)それでも米国国防総省からでも不正アクセスして国防情報が漏えいする時代なので、万全というものはない。
 教育現場では2020年から学校教科書のデジタル化も検討されており、教育の情報化、コンピュータ化は避けて通れない時代でもある。

 情報管理の種別、用途、目的、価値によってどういう情報管理体制がいいのか、時代を超越して整理、分類、検証することも必要だ。

 (7)もちろん、ハッカーという愉快犯の歪んだ精神性(a twisted mind hacker)も情報社会、教育、家庭がつくり出したものであり、解消に向けた情報化社会、教育、家庭が果たす根源的な役割の自覚は持たなければならないはずだ。

 

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民主主義と国民投票。 democracy and popular vote

2016-06-28 19:57:54 | 日記
 (1)昨年のスコットランドの英国からの独立を目指した国民投票(popular vote)をかわきりにスペイン国内の独立運動の国民投票への高まり、今回の英国のEU残留か離脱かの国民投票、さらに今後もフランス、オランダ、イタリア、ハンガリー(報道)と欧州EU圏では国民投票での政治課題の決着志向が強い。

 英国のEU離脱を決めたばかりの国民投票のあと、EU残留支持層は再度国民投票のやり直しを求める署名活動を展開して400万人の署名(報道)を集めたといわれる。

 (2)勝利した52%の過半数のEU離脱支持層は国民投票のやり直しには賛同しないだろうから再実施は無理だろうし、なにしろ英国内にも国民、国論を二分した結果にうんざりしている様子も伝わってくるので、今更やり直しなどやりたくもないのが実情だろう。

 52%の意思でも勝てばEU離脱の権利が行使できるのに反して、残留48%ときっ抗した意思は権利を行使できないという民主主義の本来的欠かんの中で、議会制民主主義発祥国の英国内でもEU残留を望むスコットランドが独立を目指して再度国民投票を検討し、ロンドン市までもが行政区単独でEU残留を目指すという動きも報じられて、英国民を2分段差化、キャメロン首相の辞任表明という国民投票の結果余波を受けて政治的混乱が続く。

 (3)EU圏ではギリシャの財政金融破たん、イタリア、スペインの財政不安が続き、EU圏内でもこれらを救済する責任を負う他国の中には自助努力に欠ける、緊縮財政押しつけに不満のこれらの国の救済支援に対して不満の声も聞かれて、ギクシャクした不協和音もあった。

 EU圏の財政金融破たん、不安問題は経済問題というより政治統治能力、不安定が招いたもので、一連のEU圏にまん延する国民投票の動きは政治の統治能力の不足、不安定をあらわすものだ。

 (4)その結果は政治、政局を支配する既成政党、勢力への反発となって極右政党、勢力への国民支持が高まり、ますます政治、政局を混乱に導きさらに政治統治を弱体化させるというスパイラル(spiral)現象が深まりつつある。

 これは米国大統領選でも極端な移民排斥、保護主義を主張するトランプ候補に国民支持が集まり同共和党候補に躍り出た現象と同じだ。
 EUと米国という民主主義、自由主義圏をけん引する世界での政治統治の劣化への流れが顕著になってきた結果の政治指導者、政府が決めれない、国民に最大公約政策を示せない劣化の結果の国民投票による課題決着の政治的流れだ。

 (5)国民投票による重要基本政策の決定は民主主義、国民の決定方法論(methodology)としては基礎的なもので悪いことではないが、あれもこれもとなるとEU圏の流れにもみられるように混乱と分断、極端な思想偏重の台頭を招いて収拾もつかない不安定をかえって導くことにもなる。

 今回の英国の国民投票結果がEU離脱52%、残留48%の国民、国論二分段差化したとなると、この問題での英国内での議論、検討、展望論がこれまでに十分なされてきた結果なのか、やはり政治、政府、政局の力不足、劣化がもたらした混乱というべき不幸だ。

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羽生将棋の神通力。 supernatural power of habu shogi

2016-06-27 19:57:06 | 日記
 (1)超人(superlative)、天才と呼ばれる人たちは本当にすばらしい。勝てば勝ったで勇気を与えてくれるし、負ければ負けたで勇気を与えてくれるからすばらしい。
 将棋のかって前人未到の全7冠タイトルを保持した羽生善治さん(45)はつい先まで将棋界最高位といわれる名人位を含めて4冠を保持していたが、先の名人戦で挑戦者の20代の気鋭の佐藤天彦八段に4勝1敗で敗れて3冠に後退した。

 最高レベルのプロ将棋界でタイトルを獲得すること自体が至難のことなのに、全7冠タイトルを若くして唯一保持し40代になった現在も3冠を保持するなどとは、羽生さんは超人、天才であることは間違いない。

 (2)その羽生さん(名人)が先の名人戦タイトルの防衛戦でまず第1局に先勝して、第2局でも優勢に戦局を進めていながら、何と2度も「詰み」(勝利)を見落として(解説報道)第2局を失ってしまった。

 解説者もこんな羽生さんを見るのは初めてのことだと新聞の感想記に書いている。名人戦は将棋界最高位のタイトル戦といわれて全7局の1局2日制の長丁場で行われる。

 (3)このレベルになると百手からさらにその先の展開を読み合う戦いで、1手指すのに1、2時間をかけることもある大勝負だ。前人未到の記録の超人、天才の羽生さんにしても勝利の「詰み」を見落とすことがあると聞いて、正直驚いた。

 実は羽生さんは名人としてのこの名人戦の前に挑戦者として別のタイトル戦に臨み敗れていた。それも含めて最近は敗戦が続き不調と見られていた。
 
 (4)タイトル戦は2日制がほとんどで体調維持には慣れているとはいえ、タイトル戦が続けば年令を重ねると超人、天才の羽生さんといえども思うようにならないこともあるのは致し方のないところだ。

 名人戦はこの第2局の羽生さんの「詰み」見落としによる敗戦を境に一気に勝負の流れが20代の若い挑戦者の佐藤天彦さんに傾いて、4連勝で初めて名人位を獲得することになる。勝負の彩(あや)、怖さを見せつけられた。

 (5)羽生さんでもそういうことがあるんだと勇気づけられた訳だが、考えすぎるぐらいの上にさらにさらに考えるとなると、考えられもしないところで見落としもあるということは、どうもプロ将棋界ではあることのようだ。
 逆に「詰まない」のに考えすぎてそう展望して敗戦を宣告する例(報道)もあるそうだ。

 (6)最近のタイトル戦では不調と見られた羽生さんだが、昨日の紙面で参加を決めたコンピュータ将棋ソフト電王戦の挑戦者を決めるブロック戦で2勝して本戦トーナメント進出一番乗りを決めたとあった。

 本来の1局2日制の伝統のタイトル戦と違って「早指し」の対局ということで、羽生さんの地力、判断力、読みの力、早さが十分発揮された結果のようで健在ぶりを示した。

 (7)プロ将棋界でも2日制の長丁場将棋が向いている得意な棋士もいれば、早指しが得意な棋士もいるようで、それぞれの特徴が活かされるのはあの人たちでもそうだと勇気を与えてくれるからすばらしい。

 あの格段に勝率の高い羽生さんでもこれまでに百数十敗はしているのだから、「詰み」を見落とすこともあるのだから敗れて知ることも多いということだ。
 ただし、それだけではなくて新しいことに挑戦して結果を出すというところが超人であり天才というところだ。

 (8)参院選は安倍自民党にすっかり押された予想の野党だが、羽生さんの精神力、神通力(supernatural power 羽生さんでも詰み逃しもあるというところ、それでも新しいことに挑戦するというところ)も見習ってほしいところだ。

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EU,英国、二つの分裂。 disunion of EU and disunion of England

2016-06-25 14:50:10 | 日記
 (1)ジョン・レノンがいれば国境もなく世界はひとつと謳っているので、EUの理念に近くEU残留を支持したのではないのか。それともほかにもっと大事なことがあると言っているかもしれない。

 EU離脱か残留かの英国の国民投票では離脱(secession)支持が51.89%(報道)とかろうじて過半数を得て英国のEU離脱が確定した。残留を主張して国民投票を主導してきたキャメンロン首相は直前のタックスヘイブン問題でも関与が指摘されてさらに政治的影響力を失い窮地に立たされて辞任表明に追い込まれた。

 (2)英国内ではEU残留を目指してきたスコットランド、北アイルランドが英国連合からの脱退独立を目指すとも考えられて、英国内での国民意識の段差、二分化に加えて英国連合分裂の危機もぶり返す様相だ。

 EU内でもスペイン、イタリア、ギリシャなどからはEU脱退への連鎖も懸念されて、政治、経済、社会、平和連合体の壮大な実験場としてのEU構想は拡大発展の道ではなくて縮小崩壊の危機を迎えたといえそうだ。

 (3)早速金融市場はポンド下落に世界同時株安、円高が加速(一時99円台)して国際経済金融社会へのリスク要因となっている。
 今後EUを離脱する英国とEU関係は当分はギクシャクはするだろが、ともに政治、経済、社会、平和では持ちつ持たれつの欧州圏にはなくてはならない重要な関係だけに、これは時間の経過にともない良好な協力関係に戻る、模索せざるを得ないことは間違いはない。

 (4)むしろ英国からのスコットランド、北アイルランドの独立問題や日本企業のほとんどが欧州経済拠点を置く英国での経済不利益にどう対処するのか英国内の問題として浮かび上がってくる。

 英国内でのキャメロン首相辞任表明を受けての政治的不安定を迎えて、国内は政治、経済、社会で流動的に混乱が加速することが考えられる。国論を二分した対立感情の解消も課題だ。
 本ブログでも「51対49」(今回の国民投票は52対48であったが)の民主主義の本来的欠陥を書いたが、英国の国民を二分したEU離脱、残留問題は議会制民主主義発祥国に重い課題、試練を与えたことになる。

 (5)伝統と歴史とフロンティアの英国がこれらにどう向き合い解決策を講じていくのか、一時的な経済の混乱が世界に波及するであろう中で世界が注目するところだ。
 EUにとっても支えるドイツ、フランスとともに英国の存在は大きく、頼りとするところでもあっただけに、政治、経済、社会、平和の壮大な実験場としてのEU連合体の柱にヒビが入ったことは複雑で深刻だ。

 今回のEUからの英国の離脱確定は政治、経済、平和の対立ではなく、EUがテーゼ(these)とする人の移動自由の基本理念に対する反発が発端原因なだけに、理念の理想ジレンマ(dilemma)の中で英国が離脱したEUを強固にまとめることはかなりむずかしいのではないのか。

 (6)EUの緊縮財政押しつけ主導に反目するスペイン、イタリア、ギリシャと金融財政破たん、不安定国を抱えて、また中東、アフリカからの難民流入問題を抱えてEUの理念団結は極めて困難な事態を迎えている。

 英国とEUとりわけドイツ、フランスとの政治、経済、平和の関係は切っても切れないものだけに、EUとしてもその使命、役割の後退により理念、機構の再編(reorganization)にも迫られることが考えられる。

 (7)欧州ではEUとロシアの緊張関係も続いており、英国が離脱したままのEUではロシアと対峙することは足元を見られてままならないだろう。平和でいうなら米国を加えたNATOの役割が大きくなることが考えられる。

 (8)まずはスコットランド、北アイルランドの英国からの独立問題の再燃(スペインでも同様の独立問題を抱える)にEU内の離脱連鎖と世界は直面する経済金融不安定に向き合わなければならない。

 (9)英国内の政治不安定も国民段差、二分化で深刻さを増すだろう。日本としては世界同時株安、円高加速による経済景気リスクが、株価操作の実体のない経済効果頼りの安倍政権にどう影響するのか、こんな時だからかえってこれまでのように安定した支持が集まるのか失望をもたらすのか、参院選その後の政局が注目される。

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