いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

守りの予算。 defensive budget

2024-12-31 20:05:18 | 日記
 (1)政府の来年度予算案が閣議決定され、115兆円5415億円と過去最大となった。ここ5年以上連続で100兆円を超えて最大となっているのは、100兆円の大台を超えればあとは歯止めが効かなくなり多大な要求額に合わせて予算規模が無秩序に伸びていく浪漫な法則の流れだ。
 25年度115兆円をみると今年度1兆円の予備費は削ったが、19所管(省庁機関)部門のうち来年度縮小は4部門だけでほかは増額上昇予算だ。

 (2)円安物価高、経済対策、地球温暖化、カーボンニュートラル対策、将来エネルギー計画ベストミックスで原発推進に回帰するなどの方針の中で関係する経済産業省、環境省予算がそろって減額というのも理解できずに、防災庁設置にともない関連内閣予算が9.1%と増えて、防衛省予算が9.5%増、地方創生事業(交付金)の総務省7.6%と目に付き、石破首相の関心の高い肝いり政策の「守りの予算」(defensive budget)だ。

 (3)石破首相が就任以来何を目指して政権運営をするのか政治理念を明らかにせずに、自民党執行部主導で石破カラーが失われているといわれて今回の来年度政府予算案でも攻めのポジティブな政策課題対策が見えない守りの予算だ。
 少数与党となって野党の協力が必要になって予算の独自性が出しにくいところはあるのだろうが、国家、国民、社会のための予算なので確信をもって編成しなければならない。

 (4)国民生活、社会が圧力、圧迫を受けているのは円安による大規模物価高で日銀は円安解消に向けて再利上げを検討中だがトランプ大統領の出方に注目しており、エネルギー、ガソリンの安定供給、物流、労働力不足、能登地震復興に向けた勇気と自信を与えるポジティブな政策が必要だ。
 防災庁も地震災害国日本として設置に意欲を示しているが、どちらかといえば災害が起きた時の安全、生活、環境対策であり、予算、定員を当初計画から倍増するといわれるが災害を最小限に抑える前向きな取り組みの防災庁構想とはいえない。

 (5)他省庁からも職員派遣負担、寄せ集めに批判的で期待の声は聞こえずに、防災庁の災害研究体制、減災研究に取り組む大学機関、気象庁との連携、フィールドワークの充実性が発揮されなければならない。 防災庁と気象庁を組織一体化して効果的に組織運営をすることを考えてもいい。

 (6)今年はコメ不足でコメ価格が60%程度も異常値上がりして社会問題となって、当時の農水相は新米がでるころには解消すると楽観的な見方をしていたが年末になってもコメ不足は若干持ち直したが品薄感が続き、コメ価格は高止まりのままで、今後も夏の猛暑は続くと考えられる中で暑さに強いコメの品種改良の対策が必要だが農水省予算は0.1%増と横ばいだ。

 (7)石破内閣の防衛、防災、地方創生の「守りの予算」で、今年平均5%強の賃上げが来年度も続くのか、円安物価高は続くと見込まれてトランプ米国にも警戒感はあり、国民生活の安定、安心が保障される予算なのか肝心なところがみえてこない。

 (8)115兆円の浪漫な「守りの予算」で課題がすべて先送りされてむずかしい25年度の国家、政治、経済、社会、国民、災害復興を切り開けるのか。

 

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石破首相の60日。 60 days of premier ishiba

2024-12-30 20:45:59 | 日記
 (1)自民党は来年度実施まで時間のある「103万円の壁」非課税額を178万円国民民主案に対して123万円を譲らずに税制大綱に書き込み協議は越年したが、臨時国会では政策活動費の全面廃止など政治資金規正法改正の政治改革関連法は野党の主張を丸呑みしての成立だった。

 (2)石破首相としてはこれで当面臨時国会までは乗り切ったと思っているのか、終了後の会見で少数与党(自公)のまま野党と連立を組むことは考えていないと表明した。その後の報道番組では来年夏の衆参同日選の可能性について「ある。同時にやってはいけないというそんな決まりはない」(報道)として否定しなかったが、予算案の否決、内閣不信任決議案が可決された場合をあげているが当然のあたりまえのことを言っただけでめずらしい話ではない。

 (3)長く政権、党中枢から外れて少数グループで活動してきた慣れがあるのか、臨時国会での予算委員会審議の答弁では官僚作成の答弁書には目を通さずにひとつひとつ持論を展開、主張して野党案に対抗してみせるなど居心地の良さをみせていたように思う。
 ようやく少数与党政権がこれまでの自らの政治的立ち位置、居場所であったことを取り戻したかのような落ち着きがみられた。

 (4)そうした中での冒頭の衆参同日選の可能性に言及した石破首相のある意味初めての強気の攻勢表明だったように受け取る。トランプ大統領との1月での日米首脳会談が実現しそう(トランプ大統領からの意向といわれる)でもあり気分を良くしており、自民党執行部も当初の強気の姿勢から少数与党になって国民民主との「103万円の壁」協議でも森山幹事長が来年通常国会への法案提出ではさらに上乗せする国民民主寄りの発言も出て、石破首相にも余裕が出てきたともみられる発言、姿勢の変化だ。

 (5)しかし石破首相の発言の中身は、衆参同日選の可能性を言いながら予算案否決、内閣不信任案の可決の場合という当たり前のことを述べて野党をけん制しているつもりであり、まだまだ少数与党の足元をみられそうな虚勢でしかない。
 「103万円の壁」協議で自民党内から森山幹事長と宮沢税調会長との税制協議の主流、主導権を巡る対立、しこりも表面化して、石破首相そっちのけで党の圧力が削がれてきている党内事情はある。

 (6)年が明ければまた正念場が待ち受ける、続く石破首相だ。

 
 

 

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光と影。 a gleam & a shadow

2024-12-28 20:38:01 | 日記
 (1)今年も何かいいことがないかと常々気にかけてきたが、日常の細かいところを探せばどこにでも何かはあるものだが、たとえばこんな経験をした。小学生が自転車で追い越す時にちょっと驚くとすかさずスピードをゆるめて「すみません」が聞こえてきていい気分になる。良心的で社会性が高く身についていると実感する。大人の方がさっそうと通り抜けていくだけだ。

 (2)今年は日本の被ばく団体の被団協の活動がノーベル平和賞を授賞した。明るいニュースのはずが被ばく者自身が悲惨な体験を伝える、伝えなければならない長年の努力、核兵器禁止、核廃絶に向けた活動は、パラドックスとして現在も世界から核兵器の恐怖がなくならないどころか核競争時代に逆戻りしている暗い現実世界がある。

 (3)本来なら唯一の戦争被爆国日本の被ばく者、被団協が苦しくあるいは触れられたくない体験、経験を勇気をもって世界に伝えなくてもいい、必要のない時代、世界、国家、社会が実現していなければならないものを、そうではなくプーチン大統領がウクライナ戦争で核攻撃を示唆する発言が幾度か伝えられて恐怖が現実のものであり、中国は核兵器保有が6千発となり将来1万発を目指すといわれていては一体それだけの核兵器を何のためにいつ、どこに向けて使用するつもりか理解することができない事実だ。

 (4)そういう意味では日本の被団協の活動がノーベル平和賞を授賞したことがけっして明るいニュースだけではなく、現実的に背景は暗い、世界の危機を伝えるものであることを実感させられる。
 世界の核保有国の首脳からは日本の被団協のノーベル平和賞授賞に対して評価、コメントを聞くことはなかった。

 (5)米国では今でも日本の広島、長崎への原爆投下を戦争を終わらせる正当な行為だったという意見が国民の中に多くあるという調査結果がある。オバマ元大統領は就任早々に演説で「核のない世界」実現に意欲を示して同じくノーベル平和賞を授賞したが、その後米露はそれまでの核兵器削減交渉を打ち切り再び核競争時代に立ち戻った。

 (6)米露だけではない。日本は国連の120か国、地域以上が参加する核兵器禁止条約に米国など核保有国が不平等条約(すべての核保有国、開発国が参加していない)としてこれに追随して参加していない。
 今年の日本の被団協のノーベル平和賞授賞は背景から明るいニュースだけではなかった。
 

 

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偏向風ー日米中トライアングル。 a biased wind of triangle

2024-12-27 20:21:48 | 日記
 (1)来年はトランプ米大統領が再就任して米国第一、保護・高関税主義で世界の経済に影響、変化、格差を与えることが考えられて、世界は中国の拡張、拡大主義の「軸」とそれに対をなすトランプ米国の「軸」とがバランスを持って対立する「楕円形」の効果抑制の構図が予想できる。
 中国は米中対立を予想して同じアジア経済圏をけん引する日本との早期の関係改善を目指しており、日本からのこれまでの水産物全面禁輸の解除で戦略的互恵関係の前進をはかる意向だ。

 (2)日本は中国との原発処理水の海洋排出以来の関係改善、水産物の全面禁輸解除が進めば、日本にとっても経済好転につながる材料だ。来年の日本を考える時に政治はあんなものだから、期待も何もなくて夏の参院選で少数与党、政権交代の決着がつくはずだ。
 来年の日本経済、景気がどうなるのか、動くのか、まずは4月から始まる大阪万博(EXPO)の関心、興味がどうなるのか焦点だ。

 (3)海外訪日客の動きはある程度は読めても国内の関心、興味はロケーションにメイン企画があの程度では盛り上がることはなく、むしろジリ貧になると考えるのが普通だろう。大阪万博で日本経済、景気が大きく上向くことは考えらない。
 「103万円の壁」問題は自民党が来年通常国会の3月末までに結論を出すといっているので、自民案の123万円か国民民主案の178万円か自民党森山幹事長が法案国会提出までに上乗せすると示唆しているのでまとまることが考えられる。

 (4)非正規従業員には手取りが増えるがそれで経済、景気、消費に影響することはない。地方税の減収で数千億円(自民案)から7,8兆円(国民民主案)まで地方自治体への負担増で政府としても減税財源対策が必要で経済、景気を押し下げる効果だ。
 トランプ大統領就任で日本製品輸入に高関税をかけるということは今のところはないが、米国製品、農産物の輸入を日本に強く求めてくることになるので円安傾向は続く中で物価高は続き、国民生活を圧迫する。

 (5)春闘の賃上げが来年も今年並みに上乗せ、上昇することになれば経済、景気、消費にいい影響を与える期待はあるが、企業、経営者もトランプ米国の出方を警戒して来年春闘が今年並みの相場で動くのかはわからない。
 仮に来年春闘の賃上げが警戒感で不調に終われば、来年の日本の経済、景気には重苦しい暗雲が立ち込めることになる。

 (6)政治は通常国会で少数与党の自公が野党の協力、意向、同意がないと動かないので、そのまま夏の参院選に向かい国民がその時の経済、景気をみてどう判断、動くのかまだわからない。
 国民が少数与党の与野党緊張関係がいいとして現状を選ぶのか、政権交代を選ぶのかはその時の政治状況、経済、景気状況をみなければわからない。

 (7)中国が望む日本との早期の関係改善が進めば経済好転に光明はあるが、基本的な考え方として来年の日本経済、景気は好転、上昇するという材料は見当たらずなかなか考えられない。
 物価高は続き、これまでの延長でガマン、忍耐の1年になる公算の要素が続く。

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価格構造のトリック。 a trick of structure of price

2024-12-26 20:32:31 | 日記
 (1)年末でガソリン価格がリッター当たり190円台(従業員スタンド)にも値上がりしている。政府のガソリン補助金が停止した影響が出たものだろうがいつまでも政府の補助金が続くものではなく、その間にガソリン元売り企業、GSがどういう体質改善、価格構造の見直しをしてきたのか、政府の補助金を受け入れるだけでガソリン価格は下がり、補助金がなくなれば元の価格までそれ以上にガソリン価格が上がるだけでは企業努力はみられず政府の補助金の意味、効果がない。

 (2)そもそもガソリン価格の設定構造が周囲のGSの設定価格を見ながらの少し割安感を持たせたガソリン価格の設定構造に切り込んでの企業の体質、業務改善の指導、見直しをすべきことであった。こんな業界に政府の補助金を使う必要があるのか疑問だ。
 また政府は円安による物価の高騰でガソリン価格の高騰がさらに商品輸送費用、価格に反映する事態を避けるために補助金を出したというなら、物価にどれだけ、どんな効果、反映、影響があったのか検証して補助金行政を検討する必要がある。

 (3)補助金は国民投資(税負担)を原資としており見直し、検討、検証が必要だが、日本の政治は政府の政策、財政、使途の検証、見直しのない、しない政治で、国民投資(税負担)を有効に効果的に効率的に適材適所に使っているのかわからない政治だ。会計検査院の毎年の調査では政府機関の予算支出のムダ、不適切性が多く指摘されている。

 (4)前年度の予算が使い切れずに余って繰り越されたり、補正予算で足りなくなれば国債発行に頼り1千兆円を超える規模の世界に類を見ない累積財政赤字国家だ。国家、政府は必要な時には借金(国債発行)をしてでも重要な政策、行政を執行しなければならないが、それなら検証して長期的な財政インバランスを見直してプライマリーバランスを確保する努力、基準が必要で求められる。

 (5)安倍元首相は日銀を政府の子会社と公言して国債発行頼りの政策実行を容認したが、借金財政は次世代、将来世代の負担増につながり、何かの要因で国債金利が暴落すれば国家財政破たんにつながり取り返しがつかないことになる。

 (6)国民が国に投資(税負担)するのは、国家、国民、社会の持続的な安全、安心、安定、成長の活動、生活のために義務として投資するもので、政府は比較、検証、検討しての責任のある国家財政運営を進める義務的必要がある。
 冒頭のように補助金行政が実効性、効果性のあるものか、国民生活、社会のために必要なものなのか検証、検討して使うこと、利益になることか示すことが政府の役割、責任だ。
 

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