いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

孤立しない中国。 un-isolated

2010-08-31 20:02:55 | 日記
 膨大で多岐な国土と国民が機能して、経済発展の著しい中国は、しかし、ベトナム、イン
ド、パキスタンと取り巻く東アジア諸国との関係は良好とはいかない。また長い国境を接す
るロシアとの関係もはっきりしない。
 極東の日本、韓国とは米国との軍事同盟を結ぶ米軍が駐留して影響力を維持して、不思議
な均衡関係を保っている。

 米ソ冷戦時代の終焉を受けて、世界はイデオロギーから協調時代に移行して経済協力関係
が各段に促進されて、中国は今年中には日本を抜いてGDP(国内総生産)第2位の経済国と
なろうとしている。
 この経済発展国、中国も、周囲を取り巻く国際友好環境は厳しく不透明で、ひとり軍事費増
強を続けて警戒を怠らない。
 
 その中で特に米国と軍事同盟の日本(この場合、過去に植民地支配戦争はあったが現在は
自衛のための戦力国)、韓国への「重し」としてのこのアジア地域唯一の戦力友好支援国の
北朝鮮との関係は、中国のアジアからの孤立(isolation)回避には重要だ。

 何かにつけて北朝鮮の国内安定に配慮した国際的スタンスを取り続けている。北朝鮮の総
書記が列車で中国東部の地方の長春を非公式に訪問し、そこに中国国家主席がわざわざ赴
(おもむ)いて会談に応じた。(報道)
 総書記の病状も考慮したのか、「普通なら考えられない厚遇」(報道)だというが、アジア唯一
と言っていい友好支援国としての北朝鮮への硬軟織り交ぜた配慮を見せた。

 北朝鮮の極東アジア海域(特に韓国周辺)での軍事的圧力行為や、米国との見栄見えの摩
擦に見られる意図的な挑発行為は、想定範囲内であれば中国の「重し(野放しコントロール)」
としては都合よく、しかし度を超すと支援国の中国に対する国際世論の風当たりは厳しくなり、
対応に苦慮することにもなる。

 中国の北朝鮮への対応は、中国のアジアにおける(つまり、延長上の世界戦略)安定のた
めには「国内問題化」というシナリオも見えてくる。
 こういう北朝鮮への「貸し」を、中国が今後どう利用して経済協力をテコに北朝鮮「国内問題
化」のシナリオ、方向性を、「野放しコントロール」の効果と比較して描いていくのか。

 中国の硬軟織り交ぜた北朝鮮の「抱き込み」、孤立しない(un-isolated)中国に、米国も無
関心ではいられない。
 北朝鮮を国際社会のフレームワーク(frame work)の中に吸収するのには、中国の北朝鮮
「国内問題化」はひとつのプロセスでもある。
 

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国民が変わる時。 it's time for change

2010-08-30 19:43:02 | 日記
 (1)日本列島は相変わらずの内外の酷暑日和が続いている。日銀は総裁が訪米を「1日早
く」切り上げて帰国し、今日さらに10兆円規模の資金をマーケットに超低金利で貸し出す金
融緩和策を決めた。すでに実施している20兆円に加えて総額30兆円の規模の資金供給策。
 急激な円高株安のマーケットに、「気持ち」の上での熱い相乗支援策を示した。

 あと2日の8月末に迫った普天間基地移設先の具体的な場所と工法の政府決定について、
注目されないまま専門委員会での検討による2論併記で済ませて、結論は11月の沖縄県知
事選の結果を待って、先送りとした。沖縄も知事選の様子見か、静かに動静は伝わってこない。

 その民主党政権は、9月1日の代表選告示に向けて前首相が立候補予定の現首相と前幹
事長の間を仲介して、水と油の「挙党一致」を模索中という。
 最近の世論調査では、前幹事長が対立候補として登場したパラドックス(paradox)効果で、
現内閣支持率が前回時比較7%増の48%と過半数に近くまで回復した。

 現首相の続投支持も78%と高く、しかし、その中身を見ると「たびたび首相が変わるべきで
はない」という消極的83%の意思だ。前幹事長の影響力排除の支持が中心で、挙党一致な
どと前首相、幹事長に妥協すれば、もろいものだ。
 前幹事長には、当然の帰結の圧倒的不利な国民世論の意思だが、本人は目もくれずに議会
制の勢力図の聖域(sanctuary)の中で議員票固めに懸命だ。

 この人の精神構造も考えていることも理解不能の、陽炎(かげろう)の中だ。手をさしのべる
こともできない。多分に懐古主義のノスタルジー(nostalgia)には。せめて政権交代支持が62
%なのが清涼感だ。

 (2)昨年の政権交代から1年が経過した。政治主導と官僚、政治決定機関の「現実」は機能し
ているのか。課題はおもしろいように次から次と登場するけれど、この「有り様」でこの国はやっ
ていけるのか、また課題が続く。

 政治に変わることを求めた訳だけれど、その国民の意識はどうなのか。政策決定に対して、
強い影響力、発信力が必要だ。
 そのためには、国民の意識も変わらなければならない。求める側からの社会参画から、自
立する、決定する側の社会参画にだ。この変化は、国民の社会責任に大きな影響力を持つ。

 現在の説明のつかない社会問題の解決に、国民が変わらなければならない時だ。 

 子ども手当ての支給では、対象者からも人よりは社会資本への投資の声がよく聞かれた。
政策実行にともなう財政不足にも懸念の声が強かった。消費税増税論議でも、賛成、反対が
拮抗している。国民に政策を左右するもっと強い発信力があっていい。国民が変わる時だ。

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レーダー衛星と銃刀法。 radar satellite and G.S.C.L

2010-08-29 19:39:33 | 日記
 (1)酷暑の8月も月末を迎えて、日中は相変わらずの暑さで温められた地表は夜になっても
気温は下がらないが、さすがに早朝はすずしい空気も漂いはじめた。依然、入道雲が幅を利
かせてはいるが、季節は移ろいはじめたようだ。

 日本の高性能レーダー衛星(radar satellite)が、電源装置のトラブルで運用不能になって
いるという。テポドン発射の北朝鮮の軍事施設の監視など、夜間や雲を通した撮影が可能な
情報収集衛星。

 24時間監視ユニバース戦略で、宇宙には開示のないおびただしい軍事衛星が飛び交い、
宇宙戦争にまで拡大している。それぞれの衛星が耐用年数を迎える年代には、消去の方法、
地球圏落下突入が問題になりそうだ。

 (2)国防は主権国家の基本理念だが、体制、方式は様々だ。日本は、日米安保体制を基軸
として同盟関係で国の安全を考える。ユニバースな情報収集は、世界戦略の米国が常時、高
度な情報戦略を展開しているから、同盟関係の日本も情報提供を受けてはいる。
 しかし、緊急時の、近距離の不測の対応には、独自の情報収集に超したことはない。そんな
こんなで、おびただしい情報収集衛星が宇宙を飛び交い、情報財政が錯綜(さくそう)して負担
がかさむ。

 これはまた、軍事同盟、日米安保体制といえども、多国間が自国の安全に究極のシンクロナ
イズ(synchronize)という理想、理念どおりには考えられないという、「現実」をも示している。
 いざという時に、米国はどこまで日本の安全にかかわるのか、いつも仮想の範囲の問題で
しかない。

 だから、世界戦略の米国との安保体制の中でも、日本は独自に情報収集のレーダー衛星で
監視し、情報収集、分析を行っている。ある意味では、駐留米軍基地も核抑止力よりは、他国
からの「脅威の担保(security for menace)」、日本への脅威は米国(駐留米軍)への脅威と
いう担保物権と見られる。米国が治外法権の基地とその運用費用の多くを日本に負担させる
意味だ。

 日米安保体制が、また日本独自の国防システムとも共存し、結局、米国の世界戦略体制の
軍事的、財政的一翼であることに、基地の80%が存在する沖縄での本質的問題が見えてくる。

 (3)ショパンと同い年(200才)の人が戸籍上は生存していたことがわかって、これは日本だけ
のことではなくてギリシャでも110才以上が数百人規模で亡くなっているのに年金が支給され
ていたことがわかった。ここまでくると、行政能力も夢物語を見ているような幻想的、錯覚的な
世界観だ。

 高知では、高杉晋作が坂本龍馬に送ったとされる米国製の旧式拳銃と同型モデルが記念館
で展示されていたところ、銃刀法違反(violation of gun and sword control law)の疑いがあると
の県警指摘で撤去された。記念館の運営が公務員ではなくて民間財団であることが抵触理由
だ。

 法律解釈上はそうなるのだろうが、文化財的閲覧価値(本ものではないが)はあり、旧式の時
代もので多分使用は不可能と思われる中での、高杉晋作、坂本龍馬の名前が出る時代ものの
展示に、現在の銃刀法適用というのも、ショパンと同年令の戸籍上の生存者的イルージョン
(illusion)と同じ、行政のつかみどろのない形骸化を見る。

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気の利かない Ron-kyaku。 dull controversialist

2010-08-28 20:17:52 | 日記
 15年ぶりという急激な円高株安に対して、首相と日銀総裁が電話15分の協議で済ませ
たことがマーケットに不安を加速させた。円高株安が止まらない。マーケットは、「気持ち」
に敏感に動くイリュージョン(illusion)。

 昨日の首相の「ぶらさがり」と言われる立ったままの記者会見。円高に対して電話協議で
済ませたことを気にしてか、首相から円高に政府が為替介入する意向を示したが、記者の
待つ会見場所に近づくと、ポケットから大きなメモを取り出して円高に対する記者の質問に、
終始目を下に向けてメモを見ながらの応答となった。
 実に自信なさそうに見えて、自分の哲学、信念とは思えない空疎な言葉で表現していた。
言葉でない言葉だ。

 円高株安不安に対する政府介入もありうるとのガイドライン的な内容だったが、それぐらい
メモなしで対応できないのか。この様子は、首相の間違ってもこの発言でマーケットに悪影
響を与えてはいけないとの細心の配慮の発言だろうけど、かえって意図に反して自信のぎ
こちなさをよく発信していた。
 具体策はなくとも、せめて自信だけはポーズで決めてほしかった。マーケットは「気持ち」
に敏感な「生きもの」だからだ。

 過去にいくつか失敗(財務相時代、マーケットの出す数字に好ましくないとの観測表明)
してきてよく学習しているはずの首相なのだから、学習効果を示す機会だった。
 首相は、民主党を代表する論客(controversialist)だとのうわさだが、首相になってから
少なくともそのカケラも見えないのはどうしてか。すっかり、気の利かない論客(dull controversialist)
になった。政治はドラマでもなければ野望のゲームでもない。政治家の信念は哲学だから、
普遍的な核心をついた見方、考え方、論理で話すものだ。

 分刻みでの政治行動だからといって、テレビで国民に発信する会見ぐらいは周到に責任と
自信を表現する配慮がなくては、自ら国をリードすることはむづかしい。首相が誰かのいい
なりになっているわけでもないだろう。
 政治家の言葉が軽くなって(いつからかと言われても、国民主権の政治哲学という重い言
葉にお目にかかったことはないが)、信念、哲学を語れなくなった。

 国外の大統領や地方自治体の首長のような、直接民主主義で選ばれた支持を背景とした
強いリーダー像ではなくとも、哲学、信念を感じる政治理念の高さは示してほしいものだ。
 首相の「気持ち」に敏感なのは、マーケットばかりではない。国民も、ずっとガマンの米国
の影響力、不況の中での生活の毎日だ。

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生き方としてのリアリティ・ファッション。 reality fashion

2010-08-27 20:04:44 | 日記
 ファッション(fashion)も服やカラーの流行と捉えられていた時代は、ちょっと「現実
離れ」した狭義の世界観、ファンタジー(fantasy)であった。ファッション・ショーに見
られるように奇抜なスタイル、色合いもイメージ戦略のひとつと考えれば、納得もできた。

 その後、生活スタイルも画一的なものから、自分スタイルを模索する価値感の多様性
が進んで、「生き方」そのものがファッションになって、生活様式の中にファッションが取
り入れられて、「現実(reality)」のものとして捉えられだす。ファッションが「イメージ」
から「リアリティ」に変化する。

 ファッションに使い易さ、機能性、付加価値が求められて、研究開発が盛んになる。形態
的な効果に本来仕様というか「見た目」のファッション感覚も「現実」に随分と反映されて、
受け入れられるのが普通となってくる。
 
 ファッションが、個性として現実離れではなく、現実の中で存在感をもつ大変好ましい現
実だ。気持ち、生き方、生活、仕事、遊びにファッションの「個性」がひとつひとつ輝いてい
る。それは、けっして一部に残る奇抜なものではなく、理念、思想にもとづいた人間性、有
り様の魅力だ。

 生き方(仕事も含めて)としてのファッションでは、試行錯誤の中で順調に果実を残して
いるわけではない。かっては、1年間は出社しなくても、自宅で会社目的にもとづいた画期
的な商品開発の企画、提案を会社に行う労働スタイルが試されたこともあった。
 ファッションな生き方、労働スタイルではあったが、その後、果実の声は聞かれない。
 勤務体系を効率的、効果的に活かそうと、特定の固有のデスクを設けずに仕事内容によっ
て適応したデスクを選択し、自由に移動する労働スタイルも企画、提案されたこともあった。

 セクショナリズム(sectionalism)を活かしたオールラウンド(all round)な一体化システム
で時間的、空間的なロスを省き、多様な考え方をぶつけあい、精査、組み立てていく「スピ
ード化」果実をファッションなやり方として捉えていく方向性がある。
 企業も商品、機械のファッション化にデザイナーを起用して存在感、見た目、個性を考え
始めている。

 機能、性能重視から、使い易さ、見た目、個性の付加価値に存在価値を求めている。女
性の多方面の社会参画も進んで、ファッションが産業、機械形態を変えようとしている。工
作機械、フォークリフトがソフトにファッションとして登場している。社内用語の英語化もファ
ッションだ。

 ファッションは、服やカラーを飛び越えて、今や生き方、生活の個性化そのものだ。それ
ぞれが、独自の唯一の生き方としてのリアリティ・ファッションだ。

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