いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

予算審議は十分か。 is it enough to consider a budget

2018-02-28 20:06:37 | 日記
 (1)18年度予算案が本日衆院を通過する見通し(報道)だ。国民の余程の人でもない限り史上最大規模の予算案であること以外、中身について詳しい内容はわからない。

 今年1月に開会された通常国会は、昨年来の森友、加計疑惑審議での佐川現国税庁長官の当時の問題発言に対する追及、国会証人喚問要求に終始して、今度はさらにあらたに安倍政権が今年の重要法案とみなす働き方改革関連法案にかかわる裁量労働制の厚労省調査データの比較、数字誤りに、安倍首相が答弁撤回、謝罪に追い込まれて、予算案の具体的論戦、審議が本格的に行われてきたのかほとんどの国民にはわからないままの内での予算案衆院通過報道だ。

 (2)確かに来年度予算案が前年度内の3月中に国会を通過することは国民生活、経済活動にとっては重要なことではあるが、だからといって膨大にふくれあがった累積国家財政赤字の中で4年連続での史上最大規模の予算案がふさわしいのか、財政健全化の道筋をどう立て直すのか特別な論議、審議が求められる。

 国会は前述のように森友、加計疑惑、裁量労働制調査データ不始末の追及に占められて、耳目がそちらに向けられている内での年度内成立スケジュールに合わせた18年度予算案の衆院通過では国会の責任を果たしているとはいえない。

 (3)かって課題山積の国会審議では年中国会開催を唱えたこともある安倍首相であるが、森友、加計疑惑では佐川現国税庁長官、安倍首相夫人の国会証人喚問が実現しなければ問題の核心解明はいつまでたっても終わらない。

 裁量労働制調査データ不始末は安倍首相も間違って説明、答弁撤回、謝罪しているのだから、ここは再調査(再精査による整合性、相関関係のあるデータ分類再提出でもいいが)して整合性のあるデータ分析、比較にもとづく働き方改革関連法案を国会に提出することとし(約束して)、まずは18年度予算案の国民に見える本格的な審議、論議に集中して進めるべきだ。

 (4)森友、加計疑惑、裁量労働制調査データ不始末にあけくれる(それはそれで解明は極めて重要である)、耳目がそちらに集中する中で、年度内スケジュールに合わせて18年度予算案が衆院通過するではキツネにつつまれたような国民にとっては一体「何」という思いでしかない。

 そもそも働き方改革法案は昨年の通常国会終盤でも話題になって、その後の昨年9月の特別国会で審議されるものと思っていた矢先の安倍首相の冒頭解散で審議に入らなかったものだ。

 (5)いつまでも延ばせる課題ではないが、民間企業はすでに独自の対策、対応を始めており、闇雲に急ぐものではない。まずは国民にわかる予算審議、論議が優先される必要がある。

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新聞記事とスポーツ。 newspaper accounts and sports

2018-02-27 19:45:59 | 日記
 (1)冨重圭以子さん(62)が病気で亡くなった。まず、ほとんどの人は知らない名前だろう。毎日新聞のスポーツ記事を書いて、専門編集委員であった。
 冨重さんのスポーツ記事は、伝えるだけでなく、独自の視点、観点、取材からの評論が加わって特徴だった。

 好調なら好調で、不調なら不調で何をやっているから、何が不足しているからだけでなく、それはどこからくるのか考え、生き様、人となりまで分析して、経過もていねいに取材して起承転結に織り込んで書き込む記事だった。短くても読みごたえがあった。

 ②活動、成績中心のスポーツ記事ではあるが、社会性、論理性、文学的、理論的でことさらにそれらを強調するわけでもなく言葉をつないで対象を浮かび上がらせる記事力があった。今の新聞に欠けている批評力の記事、記者だった。

 ③どこの新聞にも名物記者はいるが、記事で冨重さんの名前を見るだけで読んでみようと引きつけられる力があった。

 (2)そこで今朝の新聞トップ記事は平昌五輪が終わったばかりなのに「五輪壮行会 非公開」だった。何事かと思いきや、JOCが平昌五輪代表選手の所属先(大学、企業、団体など)に対して代表選手の壮行会などを非公開にするよう指示したことを受けて、私大協が政府に改善を求める要望書を提出するというものだ。

 ②JOCは代表選手の壮行会を大々的に取り上げられると、それはたとえば所属大学、企業、団体の営利宣伝行為に利用されるからとIOCのスポンサー規則に従って「抵触すれば選手の大会資格をはく奪する可能性もある」(報道)と要請していた。

 報道によるとIOCは「教育的な利用は問題ない」と回答しているという。JOCの型にはまった硬い思考力の結果だ。

 ③五輪代表に選出されることがごく限られた人の名誉なことで、その所属先も国民に広く周知される。ことさらに壮行会に限って非公式にするというJOCの理解、対応では、世界的、国家的、国民的五輪の共有、共通財産でもある特別な代表選手を一大学、一企業、一団体の所属キャラクターとしてとらえる狭い裁量をあらわすもので、IOCをはじめ大学など所属先との認識、感覚のギャップの大きさを思い知らされる。

 ④すぐ横の記事では昨日帰国した平昌五輪メダリストの揃い踏み写真が載っていた。女性メダリストが多く、まるでCAのユニフォームかと見まごうばかりの濃紺色のブレザースタイルでメダリストのはなやかさはなく、そのメダリストの笑顔が似つかわしくはない固い不都合な雰囲気が伝わってきた。

 ⑤これもJOCの乗り遅れた感覚、認識なのだろう。いつかの五輪では腰吊りスラックスの選手も話題になったが、もっと自由ではなやかでおおらか、自主的な選手の存分な活躍が国民の財産だ。

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空の治外法権。 extraterritorial jurisdiction in the sky

2018-02-26 19:50:03 | 日記
 (1)災害緊急避難時には身軽な格好で早く遠くに安全避難することが鉄則だが、空を飛ぶ戦闘機も機体の緊急事態時には余分な部品を切り離して機体を軽くして安全飛行をすることがわかった。

 こちらは空を飛ぶアラーム戦闘機から余分な部品を切り離して地上に落下させるので、地上への危険被害は計り知れないことになる。

 (2)報道によると米軍三沢基地の戦闘機が飛行中に故障アラームが点灯し、補助燃料タンク2個を被害が少ないとみた湖を標的として切り離し落下させたとしている。
 しかし同湖ではシジミなどの漁業活動が盛んで、実際に落下された戦闘機補助燃料タンクは漁船の数百メートル近くに落下した(漁船証言)といわれる。

 (3)さらに燃料タンクから漏れた油が湖面に流れて二次被害も想定、懸念される事態だ。上空からの判断で湖だから影響被害は少ないとみたのだろうが、現地の湖では漁業活動が盛んだった事情もあったので米軍戦闘機の情報の少ない安全視野の正当性など地上生活者には容認することなどできない。

 日本の上空の安全、主権が米軍の一方的な治外法権化で侵害されているということだ。

 (4)仮に大海に投下したとしても、直接の危険被害度は湖よりは小さい、低いかもしれないが、輸送船など大型船の航行もありまた投下物からの漏出で海面が汚染されることも考えれば、飛行中の戦闘機の緊急事態とはいえ余分な部品の切り離し投下は、事前の飛行ルートにもとづく安全ルール化の周知徹底は必要だ。

 日本の駐留米軍基地の戦闘機などの日本上空の飛行は、沖縄での米軍ヘリの窓枠などが協定により飛行ルートから外れている基地周辺の幼稚園、小学校校庭に落下して危険被害が及び、米軍の飛行ルールを無視した治外法権化、主権侵害が日常化していることを示している。

 (5)日米協定による飛行ルートを無視した米軍戦闘機などの飛行は問題外だが、事前に協議された飛行ルートにもとづく緊急時の部品切り離し、落下地点の危険被害が及ばない、限りなく小さい地点の事情、情報を共有することは安全対策としては必要だ。
 
 そうすることが、湖面で漁業活動が行われている事情が共有されて別の安全判断、行動が可能になるというものだ。

 (6)国の主権、国民の生活、安全を守ることは政治の責任であり、米軍による空の治外法権(extraterritorial jurisdiction in the sky)は地上に予想もしない危険被害が及ぼすことを現実として示したものだ。

 政府としては安全対策について国民に責任のある対策を示す責任がある。

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反ドーピングと平昌五輪。 anti doping and PyeongChang olympics

2018-02-25 14:26:41 | 日記
 (1)今年の平昌冬季五輪は最終日を残して日本は13個の冬季五輪過去最多のメダルを獲得した。特筆すべきは金メダル4個の獲得だった。
 五輪は国を代表して参加、レースを争う大会ではあるが、国別のメダル獲得を競うことがクローズアップされると国威発揚の場に変わる、利用されることが懸念されて、メディアの報道姿勢がそれを助長するものだと書いた。

 (2)平昌五輪前にはスポーツ大国ロシアで国ぐるみのドーピング疑惑が注目を集めたのも、成果主義、結果主義(resultantism)にもとづく大国のエゴ、国力誇示のへい害が出たものだ。

 IOCがロシアのドーピング疑惑に組織として毅然とした態度、対応に出て、ロシアの国ぐるみのドーピングと認定してロシア選手を国代表としては参加させない措置を取ったのはやむを得ない帰結であった。

 (3)平昌五輪はIOCの毅然とした反ドーピング(anti doping)方針、対策が選手にも色濃く反映、影響された大会といっていいだろう。
 日本選手の活躍、健闘は冬季五輪過去最多のメダル獲得で証明されたが、特に女性選手の活躍が顕著だった。

 中でもスピードスケート女子選手の活躍は、今大会の日本のメダルの半数近くをスピードスケート女子代表選手が獲得したことであきらかだ。スピードスケート女子では金メダルが3個で記録的にも記録が出にくい平地リンクで五輪新記録を達成しての文句のない活躍であった。カーリング女子も最後まで優勝争いに加わって、初の銅メダルを獲得して歴史をつくった。
 それに比べると男子選手はフィギュアの羽生結弦選手の五輪連覇の金はあったが比較低調だった。

 (4)やはりスポーツ大国ロシアの国ぐるみのドーピング疑惑が注目されて国代表としての選手参加が出来なかったことが、平昌五輪の競技に大きく影響したことは間違いない。

 これまでも世界的に反ドーピング対策に真面目に取り組んできた日本の姿勢がむくわれた平昌五輪の冬季五輪過去最多のメダル獲得の結果につながったと考える。

 (5)スポーツが結果主義、記録主義に偏って手段を選ばない風潮がはびこり、それを国威発揚につなげる国家主義、政治のへい害がIOC組織を含めて問題になってきている中で、IOCが今回のロシアの国ぐるみのドーピング疑惑に対して毅然とした反ドーピング対策を打ち出したことで今後さらに五輪開催地決定、委員選出の仕組みでも健全性を打ち出せるのか重要だ。
 五輪主催国韓国の南北合同チーム、南北会談の再開につなげた五輪の政治的関与、利用は、今後の結果推移に評価は移ることになる。

 (6)次は2020年夏の東京五輪開催だ。今年の平昌五輪での日本選手の活躍、IOCの反ドーピング対応が東京五輪につなげられるのか、注目、期待したい。

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北朝鮮の開放主義。 national openism of north korea

2018-02-24 19:54:26 | 日記
 (1)2013年に北朝鮮と国交関係にあるモンゴルの当時大統領が北朝鮮の招きで訪朝して金日成総合大学で講演をして、「国を動かすことは、必ずしも政治指導者だけがやることではない。市民が参加し動かすことができる」、「いかなる暴政も永遠には続かない」(報道)と述べたといわれる。

 朝鮮労働党、金第一書記による絶対独裁国家、恐怖政治の北朝鮮で一般向けとはもちろんいかないが、限られた金日成総合大学でこのような権力者の独裁政治に警鐘を鳴らす外国大統領の講演が行われたとは驚きだ。

 (2)韓国の平昌冬季五輪開催に合わせて南北合同チームでの参加、南北会談の再開で融和ムード演出の中で、北朝鮮も日米韓威かく、挑発一辺倒でもないところを強調してみせたというところだ。

 報道によると金日成総合大学での同講演の聴衆は200人程度で、学生、研究者以外に半数は「特別な立場の人たち」に見えたと書いている。
 極めて密室の中で限られた人たちに対しての当時モンゴル大統領による「国家開放」主義(national openism)の必要性を説いた20分程度の短いしかし「刺激的な講演」だったようだ。

 (3)これも報道によると同講演が行われた5年前の北朝鮮は金第一書記体制で国内経済を立て直す試行錯誤の時だったといわれる。「経済改革によって国を近代化する」(報道)という金第一書記の方針は、しかしその後権力闘争で血縁者の粛清処刑して金第一書記絶対独裁政治体制の確立を進め、核開発、ミサイル発射実験で日米韓同盟への威かく、挑発をくり返して、米国、日本など主導の国連経済制裁強化を受けて孤立化を深めている。

 (4)北朝鮮の父指名後継政治の若い独裁者としては、海外留学の経験もあり近代化国家の姿を追い求める理想像が当時の世界政治からも淡い期待はあったが、政治力、経験力未熟の独裁者としての地位、権力独占、安定確保のなりふり構わぬ必要性の前では挫折したと読める変化だ。

 二代続けての金親子絶対独裁国家体制の中で、若い三代目が独裁体制を指名受け継いであたらしい国家理想体制、とりわけ経済立て直しに自らの存在活路を見出そうとしたとも考えられる。

 (5)政治経験もない若い金第一書記自らの発言、行動ではこれまでの独裁国家体制を押さえられないとみて、国交関係にある当時モンゴル大統領に上述のような趣旨の国家開放路線の講演を認めてあたらしい方針、国家像を掌握しようとしたともいえる。

 現在の北朝鮮金第一書記絶対独裁国家体制は、自らの地位、権力確立の権力闘争による恐怖政治の中で当時モンゴル大統領の講演発言とは相容れない日米韓威かく、挑発に目を向けさせる孤立化にある。

 (6)平昌五輪開催中にあえて5年前の金日成総合大学での国家開放講演が報道されたことは、南北会談による融和路線をさらに演出する北朝鮮の政治的意図があることは間違いないが、現在の北朝鮮には考えられない理想像であり、人民生活無視の核開発、ミサイル発射実験による孤立化を深めるばかりで、パラドックス(paradox)として北朝鮮金第一書記絶対独裁国家体制が崩壊しない限りは自らの理想像であるとしても実現しない、考えられないことだ。

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