いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政党の合流。 unity of parties

2020-01-31 20:44:43 | 日記
 (1)立憲民主党と国民民主党の合流協議が見送りとなった。ともに政党支持率が伸びずに安倍首相の解散総選挙に備えるために、野党協力、一致して対抗する必要性から急浮上した合流話だ。
 立憲枝野代表は当初は政権を支えた民主党政権の自滅、失敗から、せっかく枝野議員ひとりで立ち上げた立憲民主党の理念、主張の独自性が選挙で国民の一定の支持、理解を集めて野党第1党となったこともあり、他党との安易な合流話には国民批判を考えて否定的な立場を示してきた。

 (2)最近は立憲の国会審議、運営での安倍政権追及に手ぬるい国民の不満もあって支持率が低下、低迷して危機感がみられた。まずは野党間の院内会派を結成して、その流れの中で核となる立憲と国民の合流協議が進められていた。

 立憲と国民の議員はかっての民主党政権をともに支えた議員が多く、それが分離してそれぞれの政党を立ち上げた経緯、関係からも政治理念、思想、信条は近い分、かえって細部で折り合わないところ、確執、こだわり、譲れない核心問題も大きい。

 (3)だからこそ政党が分かれた理由でもあり、その後の合流ということになれば一致することには障害、問題が高いというのは理解できる話だ。立憲枝野代表もそれを意識して、国民の心情も理解して容易に他党との合流には乗らない、消極的な姿勢を貫いてきたと思われるが、野党第1党として安倍1強に対峙する野党連携、協力体制の指導力を求められる政治状況から支持率低下もあり立憲と国民の合流話に迫られたということが考えられる。

 (4)しかし上述したような政党事情、こだわり、確執も根強く残り、立憲、国民政党間の協議は不調に終わり通常国会を迎えて国会審議に集中するとして物別れとなった。まずは野党間の院内会派結成で理念、主義、基本姿勢は別にして残しても、国会対策、安倍政権対峙で課題、問題、政府政策に集中して国会審議活動で一致協力することは可能で、その過程の中で野党合流を検討、進めることでよかった。

 (5)民主党政権の自滅、失敗のトラウマが強く残る国民意識に対しても、民主党政権を支えた立憲と国民の合流話は理解を得られるとは思えずに拙速だった。
 立憲枝野代表がかって希望の党と民進党の合流話から排除されてひとり立憲を立ち上げた理念、信条が国民の一定の理解、支持を受けた政治姿勢を我慢して貫けずに政局に動いたことが計算違いだった。

 (6)一定議員を抱えながら政党支持率1%の国民民主党が危機感を党内協議でどう折り合いをつけるのか、議員それぞれの判断、決断、分党も含めて大きな野党合流、結成が求められる。

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色あせた春闘。 discolor 'shuntoh'

2020-01-29 19:56:30 | 日記
 (1)経団連と連合の春闘というと早春の幕開けを告げる恒例行事という印象が強いが、色あせた感も強い。経団連は日本経済をけん引する経営者の声を政府、政治にモノ申して大企業優先、優遇の経済政策の実現を目指す経済集団組織で、かっては政治影響力も備えて同会長は財界総理ともいわれた。
 連合は前身総評から労働組合の全国組織として春闘賃上げ交渉、労働スト抵抗戦術を組織して労働者の生活、立場を守る労働団体だ。

 (2)日本経済が重厚長大型製造業中心の産業時代はそれぞれに存在感はあったが、時代は情報化時代、社会でサービス業、IT産業中心に移行して企業の独自性、独立性、独創性が高まり、グローバル時代、社会の変化もあり労働産業界の組織化、つながりがあいまいになってきた時代だ。

 安倍政権になって本来、自由で自主、自発性の経済活動に官邸主導による政労使会議によりデフレ脱却のための賃上げ要請(官邸春闘)が強まり、経団連も政治にモノ申す立場から政府追随の支持、支援団体として存在感を失っていった。09年民主党政権での政府との距離感拡大も影響している。

 (3)リーマン・ショックの世界同時不況、10年以上に及ぶ日本のデフレ不況を経験して、企業は労使の賃上げ交渉の対立構造から働く場所の確保という企業存続が命題となり、モノわかりのいい企業別の独自労使交渉が単位となり総評から連合に移行して労働組織としての役割、使命をなくしている。

 (4)28日の春闘開始の経団連と連合会長の話し合い、その後の労使フォーラムでは、経団連会長から「新卒一括採用、終身雇用、年功序列。これまでの雇用システムのままで良いのか」(報道)と「時代遅れ」を指摘して改革を訴えた。

 政府は「働き方改革」法を成立して長時間労働の規制、非正規雇用の保障、同一労働同一賃金など労働環境の改善指針を示しており、経団連、連合の組織、立場が「時代遅れ」で実効性のないものであることを示した。

 (5)安倍政権のアベノミクス、大胆な金融緩和策は円安、株高効果で大企業、富裕層優遇で格差社会を増幅させて、本来なら経団連、連合が政治(介入)に代わって格差社会の是正に努力しなければならないものであり、その組織、存在は色あせた(discolor)時代遅れのものだ。

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歳出財政の見直し。 think better of expenditure

2020-01-28 20:32:15 | 日記
 (1)日銀黒田総裁はマイナス金利を続行すると表明した。銀行からは個人向け預金に「口座維持手数料」を課す考えも示している。さんざん預金勧誘をしておきながら預金をしたらしたで口座維持手数料を課すとは「だまし」の商法であり、マイナス金利の対応策を「金貸し」の方で回収することを考えられなかったのか、姑息な手法にあきれる。

 (2)日銀金融政策決定会合では複数の委員から金融緩和策の「副作用について、十分に点検していく必要がある」(報道)との意見が出たといわれる。政府、日銀は大胆な金融緩和策実施でデフレ脱却のため物価上昇2%達成を目標に掲げたが、7年たっても実現の見通しもなく政策決定会合ではどう総括されているのか、伝わってこない。

 (3)国民消費者にとっては物価安値安定が望ましく、物価2%上昇を目標とする日銀方針には賛同はできないと書いた。物価上昇により消費による企業利益が増えてそれが賃金上昇に回り、国民生活も安定するという論理は、結局は格差社会、分断社会の拡大を招くもので強者の論理であり、生活保護者、世帯250万人以上と増え続ける弱者社会では有難迷惑の話でしかない。

 (4)アベノミクスも大企業優遇経済政策で、大企業の利益が中小企業、地方、国民生活に回るトリクルダウン(trickle down)経済方式と説明しており、これも株高恩恵の富裕層効果のものであり格差社会を拡大しただけだ。

 今年年頭の企業経営者の観測では、夏の東京オリ、パラリンピック後に国内経済、景気は減速するとの見方が強く、警戒感が強い。

 (5)企業経営者の判断では賃金上昇を考えるのは20%台止まりで慎重な姿勢が目立つ。この上に政府、日銀に物価上昇をまだ目指されては国民生活への負担は大きくなり、消費行動とのギャップが大きくなるばかりだ。

 政府は耳障りのいい全世代型社会保障を目指すとしているが、社会保障、年金、医療費の増大でこれまで有効な対策をしてこなかった不作為政策の政府対策が追い詰められた結果であり、財政の仕組み、歳出財政の見直し(think better of expenditure)は必至の状況だ。

 

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トランプ大統領の2期目。 the second terms of president trump

2020-01-27 19:55:40 | 日記
 (1)トランプ大統領は1期4年で批判、反発を受けながら公約実現のやりたい放題、十分やることはやってきた、いるのだから、これからさらに4年の2期目で何をしようというのか伝わってこない。現在は11月の大統領再選に向けて活動中で、上院の弾劾裁判が始まり対応に迫られている。

 (2)トランプ大統領は民主党から「(ウクライナへの)軍事支援の見返りに(民主党大統領候補)バイデン前副大統領の捜査を要求した」として弾劾裁判にかけられているものだが、弾劾裁判への国民支持では賛成、反対が拮抗しており、ウクライナ政府を巻き込んだ政争とあっては民主党も立証がむずかしく、国民が選んだ大統領を議会が辞めさせるというのも共感、支持を集められるのか、これまでも大統領の弾劾裁判はあるが辞任が実現したことはない。

 (3)逆にその前例になった場合にトランプ大統領のフェイク追及の反抗の材料にされて、民主党は大統領選でも苦しい闘い、展望に追い込まれる可能性がある。トランプ大統領としては注目されるだけ注目されて、かえって反動としての得点(得票)稼ぎと目しているのではないのか、利用するだろう。

 (4)そこでトランプ大統領が11月の大統領選に向けて何を訴え、どうしようというのか、1期目の難民、移民規制、排除強化、米国第一、保護主義の国内経済の強化をさらに進めるとともに、中国との経済覇権争い、中東でのイスラエル擁護、イラン非核化対立、北朝鮮非核化に向けた対応の進展、完成を目指すものとみられるが、新鮮味はなく、当面は米中貿易戦争の継続に北朝鮮非核化(首脳会談開催)の取り組みに視線が集まることになりそうだ。

 (5)日本との関係は順当にいけば(安倍首相が4選を否定している)来年9月に任期末を迎える安倍首相の後継が誰になるかでトランプ大統領との関係、追随一辺倒が続くのか、米軍駐留経費の負担増、貿易通商協定の残りの課題(自動車関税)がどうなるのか見極めが求められる。

 (6)専門家の判断ではトランプ大統領が再選されることになれば、民主主義、資本主義、自由主義の危機を迎えるとの指摘は多く、国際秩序崩壊がさらに4年間くり返されるとのリスク論が充満して世界経済、政治、軍事に暗い影を落とすという危機感が考えられる。

 (7)伝統的に共和党が強いアリゾナ州で共和党離れ(報道)の異変もみられ、一方でトランプ大統領の固い岩盤支持勢力も維持しているとみられて、民主党に有力候補もみられないこともあり米国発の民主主義、資本主義、自由主義の危機は現実味を帯びている。

 トランプ大統領が2期目に向けて何を打ち出すのか、しようとするのか注目される。 

 

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スーチーさんの弁明。 a plea of aung san suu kyi

2020-01-25 20:09:01 | 日記
 (1)かって20年以上もミャンマー軍事政権により自宅軟禁状態に置かれていたアウンサンスーチーさんが、軍事政権の民主化選挙実施で自ら率いる政党が勝利して軍との協力関係の中で国家顧問兼外相に就任して実質ミャンマー政府代表として活動を始めて時間がたつが、今ミャンマー少数派イスラム教徒ロヒンギャ迫害問題で国際司法裁判所、同刑事裁判所からの厳しい命令、捜査に直面している。

 (2)スーチー国家顧問兼外相は「人権を保護する国連や非政府組織が根拠のない物語に依存する方法を改革する必要がある」(報道)と反論している。かっての反軍事政権闘争のスーチーさんであれば説得力もあったが軍と協力関係の政府代表としての発言では素直に受け入れられない事態だ。

 ロヒンギャ武装集団と政府部隊の衝突で大量のロヒンギャ難民が隣国バングラディシュに逃れていることに、ミャンマー政府は国連の現地調査を拒否して独立調査委を設置してジェノサイド(大量虐殺)はなかったと主張(報道)している。

 (3)かっては軍事政権迫害によるスーチーさんの人権擁護のために力を貸した国連(人権理事会)に対して今度は非協力的で排除する姿勢を示して、ミャンマー政府の立場を擁護する主張だ。
 時の移(うつ)ろいを感じるもので、スーチーさんがミャンマー政府の国家顧問兼外相となってからそのカリスマ性、政治力、過去の軍事政権の迫害に対抗した経験からミャンマー民主化に大きな影響力、指導力、前進が期待されたが、現実はミャンマー軍の圧力、影響力が残る中でか民主化が前進したともみえずにロヒンギャ問題を抱えて国際政治、社会からの批判、圧力を受けている。

 (4)最近、国家顧問兼外相として中国習主席との会談では香港支配、市民デモ問題を抱える中国の統治体制を支持する姿勢をみせて、中国との経済関係強化を目指してミャンマー民主化への期待に疑問符がつくものだった。

 軍事政権の長い自宅軟禁を強制されたスーチーさんが簡単に理念、主義を変えるということは考えられないが、スーチーさんが国家顧問兼外相就任でそれまでのミャンマー政治、社会がどう変わったのか伝わってこないが、ミャンマー軍との協力関係を背景にスーチーさんの理念、主義、信条が見えなくなった印象は強く、その象徴としてのロヒンギャ迫害問題の対応であり、弁明(plea)だ。

 (5)民族人権問題でスーチーさんの判断が注目を集めて、むずかしい政治情勢の中で指導力、政治力が試されている。

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