いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

北朝鮮と憲法。 north korea and constitution law

2023-09-30 20:37:46 | 日記
 (1)北朝鮮に少しづつではあっても変化がみられる。先月、金正恩総書記が露を訪問してプーチン大統領と首脳会談をして、そのまま1週間程度露国内にとどまり、最新鋭の軍事施設などを視察して帰国した。
 北朝鮮側の軍事衛星といわれる2度の打ち上げの失敗を受けて、露の衛星技術開発の協力を受けたい北朝鮮とウクライナ戦争での北朝鮮の兵器供与を期待する露側の思いが一致しての金正恩総書記の露訪問と考えられる。

 (2)ほとんど外遊をこなしていない金正恩総書記としては、核開発など中国とも微妙な関係となり今では唯一の協力関係国ともいえる露を訪問することによって存在感を示すとともに、長期滞在によって北朝鮮国内の安定ぶりを国内外に示したといえる。

 (3)7月に韓国に駐在の米兵が軍事境界線を越えて北朝鮮側に入り、逃亡した事件では、同米兵が韓国で暴行事件を起こして米国に送還される予定だったこともあり政治的逃亡目的でないと考えられることもあって、早期に米朝間の問題を取り除きたい意向からか、今月に北朝鮮側が同米兵の解放を望んでいる(報道)として中国経由で米側に同米兵が引き渡された。
 北朝鮮側としては北朝鮮に逃亡した米兵を米国との政治的取り引きに利用することも考えられたが、米朝関係を複雑にさせる前に早期解放となった。

 (4)これまで米韓日を威嚇(いかく)して核実験、ミサイル発射を強行してきた北朝鮮が最高人民会議(国会)で「核戦力の発展を高度化する」(報道)と憲法に明記することを決めた。
これまで米国との対立を煽(あお)り、交渉を引き出すために各実験、ミサイル発射で威嚇してきた北朝鮮が国家として「祖国の平和と繁栄を強力な軍事力で保証する」(同)と憲法に明記したことは、米国から「ならずもの国家」と呼ばれてきた無分別で危険な姿ではあるが法規国家への手続きの道も考えられる取り組みとも受け取られる。

 (5)徐々にではあるが北朝鮮金正恩総書記の統治構造に自信と変化のきざしも見えてきて、日本の拉致問題の解決交渉に向けて岸田首相の条件のない話し合いに向けても何らかの変化、取り組みがみられていくのか関心を持ちたいところだ。

 

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国連の強硬策。 strong counterplot of UN

2023-09-29 20:15:47 | 日記
 (1)今年の国連総会に出席した岸田首相は一般演説には登場したが、国連の気候変動会合の演説には参加が認められずに、出席をしなかった。報道によると岸田首相は演説をする予定で演説原稿も用意していたといわれるが、国連側(グテレス国連事務総長)の意向で演説を見送られたといわれる。

 (2)日本はCO2排出量の多い火力発電による化石燃料依存を表明しており、気候変動問題に対する取り組みが後ろ向きと判断されての国連からの同演説が認められなかったとみられる。同様の事情は英国も同じで、スナク首相は国連総会に出席を辞退しておりやはり後ろ向きな気候変動対策で「大恥」(報道)をかく可能性があったためと報道されている。

 (3)国連総会に出席した岸田首相が同気候変動演説が認められなかったのは、英国のいう「大恥」ということになるからのだろう。日本は化石燃料の活用に先端的技術開発によりCO2排出量を制御する対策を合わせて表明してきたが、地球温暖化による差し迫った解決が求められる気候変動対策には世界、国連からの理解は得られていない。

 (4)国連グテレス事務総長が待ったなしの気候変動問題の解決に向けてめずらしく強硬姿勢に転じたものだが、ことによってはそういう強硬策も評価はできる。本来、国連の立場、姿勢とは違う方針であり、国連としては少数意見、異なる立場の考えも表明する場所を用意して多様な立場、意見、考えの中でともに協力、賛同、共有できるものを模索するのが国連であるはずで、最初から異なる意見、考え、主張を排除するのはふさわしくない。

 (5)たとえば安保理会合で米、中露の拒否権を持つどちらの国の演説、意見表明を認めないということはあったことがなく、安保理でこそそういった国連の強硬姿勢があってもいいものだが、それでは世界の対立、混乱をことさらに深刻化させるだけで出来ない国連の強硬策だ。
 さらに国連は出資金の高い中国に配慮して、遠慮してコロナ対策では中国が発端の感染拡大でパンデミックの判断、宣言が遅れたことが今日的感染拡大現象を招いたともいわれて、国連の独立性が危ぶまれている。

 (6)今回の国連総会には英仏、中露の首脳が欠席して「無力な国連のもうひとつの症状だ」(元仏国連大使)との指摘もある。
 国連安保理はG7国のうち第2次世界大戦敗戦国の日独が安保理事国から除外されたままだ。

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アンチテーゼとしての麻生節。 aso-tune as antithesis

2023-09-27 20:17:57 | 日記
 (1)この人が発言すれば、政治家としてまともなことはなく、顔に表情がすぐ出て、発言ともどもある意味正直で純粋な人だともいえる。自民党麻生副総理だ。
 今度やらかしたのは、地元福岡での講演で岸田政権が閣議決定した反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有など安保3文書改定を巡って連立与党の公明党幹部が専守防衛の理念に反するとして反対して、最後は「納得するという形になって」(麻生談)公明党に認めさせたことが「それは岸田さんがやった。リーダーシップあるんじゃない」と持ち上げたのはいいとして、続けて「少なくともこういう状況にある時には、岸田さんのような『なんとなくきわめて誠実そう』に見える顔。『リベラルそう』に見えるあの顔の方が世の中に受けるんじゃないの」(『』は本ブログ注)と評価した。

 (2)今の自民党の政治姿勢、信条を見事に言い当てており、「誠実そう」、「リベラルそう」と国民を限りなく「あざむく」、表現は悪いが「だます」政治姿勢、信条だ。この人は世論調査の内閣支持率などどうにでも変わるもので気にすることもないと公言しており、今回の浮上を狙った岸田改造内閣支持率がその前よりもさらに下がって25%になった。

 (3)国民の4分の1の支持しかない評価であり、麻生さんの言うように国民評価はなかなか変わらずに浮上せずに、気にするなと言ってもこれでは岸田首相はやりたい解散総選挙を打ち出せない政治状況である。
 しかし麻生さんもよくこういうことを平気で言えるものだとあきれるが、国民も国民で福岡の地元では十分に支持されて選挙で負けることがなく、それどころか首相まで勤めたとあっては国民を「あざむく」、「だます」ことは承知の上のこと、政治信条なのだろう。

 (4)それでもやはり見ている人は見ているものでそれまでの自民党長期政権が麻生政権で途絶えて、09年民主党政権への本格的政権交代が実現して、麻生さんも政治、国民の厳しい審判を受けているのだが懲りた様子はみられない。
 政治家としての家柄もよくて、地元富豪で育ち、党内第2派閥の会長として影響力もあり、国民の庶民感覚にはほど遠く、が、もはや誰もが真剣に政治家としての資質、問題を指摘する存在でもなく、飾り物みたいなものなのだろう。

 (5)本人がそれを問題にしない、歯牙にもかけないところが、政治家のあるとすればあるべき姿のアンチテーゼ(antithesis)としての象徴なのだろう。

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進歩とブロック。 progress and block

2023-09-26 20:34:33 | 日記
 (1)人類はどこまで進歩するのか、これまでのくり返しなのかはわからない。チャットGPTが話題になっているが、地上に氾濫する情報を学習してまとめて瞬時に正解を出す仕組みで、これが進歩といえるのか疑わしい。
 日本では活用の動きが活発だが、欧米では報道機関が記事、画像の無断利用を警戒して規制、ブロック(block)する動きが拡大している。

 (2)チャットGPTが人類の進歩というなら、規制、ブロックではなく活用のために適正な仕組みをつくるべきだが、報道機関の営業権侵害に対抗する手段としての規制、ブロックの動きだ。
 NHKの午後の短いニュースでもチャットGPTの音声を使ったニュースを配信しているテロップを見たことがあるが、ニュース原稿、アナウンスの手間を省いているとすれば受信料の正当な徴収理由になるのかわからない。

 (3)将来のニュース、報道のIT化に向けた試行錯誤でも考えているのか、理解できないものだ。スマホ時代でNHKもインターネット、スマホで番組が見られる時代に対応する放送法改正が検討されており、チャットGPTに規制、ブロック強化の動きをみせる欧米でも公共放送がインターネット上でのサービスの本格化(報道)を進めている。

 (4)これを進歩というのか、時代の要請とみるのか、むしろ時代の進歩としては動きは遅いと感じる。メタバースが出てきて大学の授業などに取り入れ、利用が考えられている時にチャットGPTが出てきて、こちらは活用派と人間の経験によるすばらしい文章作成の思考、能力開発に逆行するとして学生のレポート、論文作成には禁止する方針を示すなど時代の進歩をどう理解し、取り入れていくのかむずかしい判断の時代でもある。

 (5)英国からの産業革命はモノの革命であり、人間が操作することによって時間と空間を飛び越えて時代と経済と社会を変えていったが、米国発の新産業革命は情報、IT、AI革命を主導して情報創造、共有(common)の革命であり、時代と人間(性)を変えていった。

 (6)人間は人類はどこまで進歩するのか、できるのか、これまでのくり返しの幻影、妄想をみるだけなのか、進歩と規制、ブロックの間で人類にとって何が価値あるものなのか、必要なのか、押し寄せる進歩といわれるものと向き合わなければならないだろう。

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幸福度。 a degree of welfare

2023-09-25 20:25:38 | 日記
 (1)昔と今を比較して考える。映画は「昔」の方がよかった。感動、記憶を呼ぶ大作は昔の方が圧倒的に多くて、それだけカネと人と時間をかけていた。文化、娯楽の中心で、今のように多様性のない時代で必然的に期待にあるいは社会の要請に応えようといいものが多かった。

 (2)音楽はジャンルによって異なる。ジャズがスウィング(フルバンド演奏)全盛の頃の「昔」の名バンド、名曲、名演奏、名盤は多い。クラシックはコンテンポラリー・クラシックもあるが1700年、1800年代のベートーベン、モーツアルト、ショパン、バッハなど古典時代の音楽をいうことが多い。

 (3)しかし、ロック、ポップスをみると他に比べて歴史も浅く、特に1960年代のビートルズからの「現代音楽」の方がいい。曲が独創的で演奏も多様になり、音楽に厚みがある。音楽分業制から曲、歌、演奏がひとりのミュージシャン、バンドで手がけて主張、意思が伝わり多様性を増した。

 (4)文学は「昔」の方がよかった。文豪、古典作品は多く、文字との接点、機会が多く、巧みで深く独自の世界観が多くあった。

 (5)社会はどうか。かっては50年、60年、70年ひとくぎりだったものが、今や人生100年時代を迎えている。人間が長生きに転じたのは、医学、科学、生命工学(バイオ)、経済、文化が進んで人間が豊かになったからだ。

 (6)現在のところの国家力、国民力の指標となるGDPは昔より今が圧倒的に高く、経済力、開発力、成長力も高い。しかし、「幸福度」(a degree of welfare)となると、どうか。
 GDPが高く、経済力、成長力が高い社会に生きているから誰しも「幸福」ということではない。

 (7)ブータンでは人間の社会的価値基準をGDPなど経済力ではなく、「幸福度」(国民総幸福量)で測るといわれている。
 人間が生きる上で幸福度は重要で、それはなかなか昔も今も杓子定規には考えられないところがある。

 (8)岸田首相の成長と分配の好循環は国民の幸福度を増すものだが、補助金、給付金、補正予算の経済対策だけでは国民の幸福はやってこない。

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