(1)国会は「品位(dignity)」を重んじるところらしい。皮肉(sarcasm)ではないのか。女性閣僚がスカーフのようなものを首回りに巻いて登壇しても批判されて、猪木議員がトレードマークの赤いマフラーを肩にかけて国会に入ろうとして衛視に外すよう注意された。
安全上の問題もあり小道具を備えて国会内に立入るのは問題もあるのだろうが、どうやら国会の品位に欠けることが原因らしい(議員規則のようなものに書いてあるらしい)。
その国会で政治とカネ疑惑が次々とあきらかになって、そのほとんどがまるでカラクリ禅問答のような釈明を聞かせられて、今更ながら政治家の法の網の目をくぐるあの手この手、それをすくう政治資金規正法の網の粗さを実感させられるばかりだ。
ここまでくると巧妙さを欠いて種明かしをするマジックのようで、見栄見えの品位を欠くものばかりだ。
(2)極めつけは、国から補助金をもらっていた利害関係にある団体、企業からの政治献金で、議員本人が「知らなければ」違法に問われないというものだ。もちろん疑惑の当人たちはこぞって「献金先が補助金をもらっていたことは知らなかった」と違法にあたらないと強弁して、安倍首相までもが「当人たちは知らなかったのだから違法ではない。規定にもそう書いてある」(趣旨発言)と問題にしない考えを示してみせている。
(3)もちろん「知らなかった」でも済む法律も問題だし、事前に問題意識を持ってチェックしない政治団体も政治団体だ。こういうことがまかり通る政治家、国会ではとても社会のパラダイム(paradigm)になりようもないが、どうでもいいことには「品位」を求めて強調するからおかしなことになる。
不足の法律規定を盾に違法でないとツッパねる前に不適切な政治家の規律を正す法律改正に取り組む姿勢を示すことが首相責任だ。
(4)安倍首相は閣僚からの政治とカネ疑惑問題が相次いでこれによほどこたえたのか、疑惑追及の民主党議員の質問中に首相座席から民主党政権時代の日教組から政治献金を受けていた民主党議員の過去事例を出して発言中の質問者にヤジ(heckling)で返した。
首相のヤジもめずらしいが、これが国会の品位を欠く行為だとして民主党の抗議を受けて予算委員長からたしなめられる場面があった。これがその後の調査で安倍首相が日教組が国から補助金を受けていた団体と勘違いしていたことがわかり、また献金も受けておらずに謝罪するというオマケまでついてそれこそすっかり国会の品位を損ねてしまった。品位とは本来そういうものだ。
(5)そもそも国民を代表して与野党対立、政争の国会に品位を求めることが適当なのかの問題はあるが、何より体裁よりは事実データが重要でありそのための議論なのだから功をあせって発言時間でもないのに席からヤジをとばすなどとは、品位よりは不見識な行為として、首相として自制、自粛(self control)すべきことだ。
安倍首相がその後、ウイット(wit)のあるヤジはいいとか、予算委員長が品位のあるヤジをお願いしたりしているが、国会で全会一致で確認したようにヤジは自制、自粛するのが当然だ。
(6)確かにウイットに富んだヤジは心をなごませ、緊迫した場の雰囲気をやわらげる効果はあるが、国会に期待するのは豊富なデータ、資料に裏付けられた論証による真剣で充実した議論の積み重ねであり、社会のパラダイムとなる実践、実証である。
今、国会論戦が1強多弱時代でルーティン(routine)でつまらないから、いらぬヤジもとびかいますます品位を欠くスパイラル(spiral)だ。
安全上の問題もあり小道具を備えて国会内に立入るのは問題もあるのだろうが、どうやら国会の品位に欠けることが原因らしい(議員規則のようなものに書いてあるらしい)。
その国会で政治とカネ疑惑が次々とあきらかになって、そのほとんどがまるでカラクリ禅問答のような釈明を聞かせられて、今更ながら政治家の法の網の目をくぐるあの手この手、それをすくう政治資金規正法の網の粗さを実感させられるばかりだ。
ここまでくると巧妙さを欠いて種明かしをするマジックのようで、見栄見えの品位を欠くものばかりだ。
(2)極めつけは、国から補助金をもらっていた利害関係にある団体、企業からの政治献金で、議員本人が「知らなければ」違法に問われないというものだ。もちろん疑惑の当人たちはこぞって「献金先が補助金をもらっていたことは知らなかった」と違法にあたらないと強弁して、安倍首相までもが「当人たちは知らなかったのだから違法ではない。規定にもそう書いてある」(趣旨発言)と問題にしない考えを示してみせている。
(3)もちろん「知らなかった」でも済む法律も問題だし、事前に問題意識を持ってチェックしない政治団体も政治団体だ。こういうことがまかり通る政治家、国会ではとても社会のパラダイム(paradigm)になりようもないが、どうでもいいことには「品位」を求めて強調するからおかしなことになる。
不足の法律規定を盾に違法でないとツッパねる前に不適切な政治家の規律を正す法律改正に取り組む姿勢を示すことが首相責任だ。
(4)安倍首相は閣僚からの政治とカネ疑惑問題が相次いでこれによほどこたえたのか、疑惑追及の民主党議員の質問中に首相座席から民主党政権時代の日教組から政治献金を受けていた民主党議員の過去事例を出して発言中の質問者にヤジ(heckling)で返した。
首相のヤジもめずらしいが、これが国会の品位を欠く行為だとして民主党の抗議を受けて予算委員長からたしなめられる場面があった。これがその後の調査で安倍首相が日教組が国から補助金を受けていた団体と勘違いしていたことがわかり、また献金も受けておらずに謝罪するというオマケまでついてそれこそすっかり国会の品位を損ねてしまった。品位とは本来そういうものだ。
(5)そもそも国民を代表して与野党対立、政争の国会に品位を求めることが適当なのかの問題はあるが、何より体裁よりは事実データが重要でありそのための議論なのだから功をあせって発言時間でもないのに席からヤジをとばすなどとは、品位よりは不見識な行為として、首相として自制、自粛(self control)すべきことだ。
安倍首相がその後、ウイット(wit)のあるヤジはいいとか、予算委員長が品位のあるヤジをお願いしたりしているが、国会で全会一致で確認したようにヤジは自制、自粛するのが当然だ。
(6)確かにウイットに富んだヤジは心をなごませ、緊迫した場の雰囲気をやわらげる効果はあるが、国会に期待するのは豊富なデータ、資料に裏付けられた論証による真剣で充実した議論の積み重ねであり、社会のパラダイムとなる実践、実証である。
今、国会論戦が1強多弱時代でルーティン(routine)でつまらないから、いらぬヤジもとびかいますます品位を欠くスパイラル(spiral)だ。