いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国会の品位とヤジ。 dignity and heckling in the national diet

2015-02-28 19:28:47 | 日記
 (1)国会は「品位(dignity)」を重んじるところらしい。皮肉(sarcasm)ではないのか。女性閣僚がスカーフのようなものを首回りに巻いて登壇しても批判されて、猪木議員がトレードマークの赤いマフラーを肩にかけて国会に入ろうとして衛視に外すよう注意された。
 安全上の問題もあり小道具を備えて国会内に立入るのは問題もあるのだろうが、どうやら国会の品位に欠けることが原因らしい(議員規則のようなものに書いてあるらしい)。

 その国会で政治とカネ疑惑が次々とあきらかになって、そのほとんどがまるでカラクリ禅問答のような釈明を聞かせられて、今更ながら政治家の法の網の目をくぐるあの手この手、それをすくう政治資金規正法の網の粗さを実感させられるばかりだ。
 ここまでくると巧妙さを欠いて種明かしをするマジックのようで、見栄見えの品位を欠くものばかりだ。

 (2)極めつけは、国から補助金をもらっていた利害関係にある団体、企業からの政治献金で、議員本人が「知らなければ」違法に問われないというものだ。もちろん疑惑の当人たちはこぞって「献金先が補助金をもらっていたことは知らなかった」と違法にあたらないと強弁して、安倍首相までもが「当人たちは知らなかったのだから違法ではない。規定にもそう書いてある」(趣旨発言)と問題にしない考えを示してみせている。

 (3)もちろん「知らなかった」でも済む法律も問題だし、事前に問題意識を持ってチェックしない政治団体も政治団体だ。こういうことがまかり通る政治家、国会ではとても社会のパラダイム(paradigm)になりようもないが、どうでもいいことには「品位」を求めて強調するからおかしなことになる。

 不足の法律規定を盾に違法でないとツッパねる前に不適切な政治家の規律を正す法律改正に取り組む姿勢を示すことが首相責任だ。

 (4)安倍首相は閣僚からの政治とカネ疑惑問題が相次いでこれによほどこたえたのか、疑惑追及の民主党議員の質問中に首相座席から民主党政権時代の日教組から政治献金を受けていた民主党議員の過去事例を出して発言中の質問者にヤジ(heckling)で返した。

 首相のヤジもめずらしいが、これが国会の品位を欠く行為だとして民主党の抗議を受けて予算委員長からたしなめられる場面があった。これがその後の調査で安倍首相が日教組が国から補助金を受けていた団体と勘違いしていたことがわかり、また献金も受けておらずに謝罪するというオマケまでついてそれこそすっかり国会の品位を損ねてしまった。品位とは本来そういうものだ。

 (5)そもそも国民を代表して与野党対立、政争の国会に品位を求めることが適当なのかの問題はあるが、何より体裁よりは事実データが重要でありそのための議論なのだから功をあせって発言時間でもないのに席からヤジをとばすなどとは、品位よりは不見識な行為として、首相として自制、自粛(self control)すべきことだ。

 安倍首相がその後、ウイット(wit)のあるヤジはいいとか、予算委員長が品位のあるヤジをお願いしたりしているが、国会で全会一致で確認したようにヤジは自制、自粛するのが当然だ。

 (6)確かにウイットに富んだヤジは心をなごませ、緊迫した場の雰囲気をやわらげる効果はあるが、国会に期待するのは豊富なデータ、資料に裏付けられた論証による真剣で充実した議論の積み重ねであり、社会のパラダイムとなる実践、実証である。

 今、国会論戦が1強多弱時代でルーティン(routine)でつまらないから、いらぬヤジもとびかいますます品位を欠くスパイラル(spiral)だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

防衛省改革。 innovation of the ministry of defense

2015-02-27 19:40:24 | 日記
 (1)集団的自衛権の行使範囲を「国益」保護の名目のために事実上制限なく広げようという目論みが与党協議の中だけで進められている中で、今度は防衛省内の機構、機能改革(innovation of the ministry of defense)だ。

 日本の安全保障を維持する自衛隊は文民統制(civilian control)で選挙で選ばれた政治家が首相指名で就任する防衛相が防衛省責任者として自衛隊の安全保障業務を統括する。
 
 (2)防衛省内機構も防衛官僚(背広組)が自衛官(制服組)を監督して文民統制を機能させてきた。かって作家三島由紀夫が自らの防衛理念、哲学にもとづいて、憲法が否定する自衛隊の役割矛盾に反発してクーデターの決起を促したように、自衛隊が自らの意思で勝手に軍事行動を起こさないための歯止め(監督権限)としての文民統制に国民の理解、安心があった。

 (3)何かと憲法理念を拡大解釈して同盟国米国追随の軍事協力を進める安倍政権は自衛隊の海外派遣、活動範囲を拡げて、防衛省内機構、機能改革として防衛相を補佐する体制を政策面で補佐する防衛官僚(背広組)と「軍事面」で補佐する自衛官(制服組)の同列二本立ての対等(equality)関係と位置付ける防衛省設置法の改正(報道)をはかる方針を固めた。

 (4)政治家の防衛相による文民統制は変わらないが、実務を統括する防衛省内は防衛官僚、自衛官が対等に権限分担(政策と軍事)して、自衛隊の本来の役割、使命としての軍事的側面について自衛官が権限を持つことで実質上文民統制が行き渡らない軍事偏向機構体制になった。

 防衛官僚の自衛官監督体制は残るとはいうものの、軍事面での自衛官の権限、判断、進言がこれまでの防衛官僚監督と「対等」関係になり、影響力が格段に大きくなるということだ。

 (5)安倍首相の国を守る国民の安全と生命を守るという見せかけのいい理由での軍事面の強化方針に沿った防衛省改革で、集団的自衛権の行使を政府、与党の意向にもとづいてスムーズに行えるための際限のない「変更」だ。

 集団的自衛権の行使については与党内にも「歯止め(brake)」論の必要性が言われて、せめてその防衛省の機構、機能の「文民統制」のあることが安心であったが、それも防衛官僚、自衛官の権限分担でしかも軍事面は自衛官が防衛相を補佐するとなると、実質上自衛隊の統制は自衛官の手に委ねられたという「軍隊」機構、機能が前面に出たこれまでの文民統制とは異質のものだ。

 (6)防衛相は政治家が就任するものではあるが現在の中谷防衛相は元自衛隊出身者であり(報道)、今は政治家として国民の審判を受けたといえこういうケースが常態となれば実質上自衛隊は同所属者による軍事専門主導の軍隊となって文民統制の「歯止め」が利かない組織となる危惧はある。

 軍事的都合により自衛隊が「ひとり歩き」する危険が限りなく高まるということだ。安倍政権は来年には憲法改正を目指して準備を進め将来的には自衛隊を国防軍にあらためる意向であり、このための周辺整備を進めて既成事実化するものだ。

 (7)安倍首相が憲法改正でどこまで切り込むのか、国民がどこまで許容(国民投票)するのかの大問題はあるが、現行下では平和憲法の理念、趣旨に反し平和国家日本のあるべき方向性に逆行する改革だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

温室ガス60%削減時代。 the era to cuts down 60% of greenhouse effect gas

2015-02-26 19:31:23 | 日記
 (1)待ったなしの地球温暖化対策で欧州委員会がCOP21(国連気候変動会議)で採択を目指す新たな国際枠組みで、世界全体の温室効果ガス排出量を2050年までに60%以上削減(10年比)する長期目標を提案する(報道)ことを決めた。

 日本は当時の民主党政権が20年までに25%削減目標(90年比)を打ち出して、当時としてはかなり画期的な思いきった国の方針で国際環境社会をリードしようとした。
 結果は温室効果ガス削減は進まずに、逆に増えてその後を受け継いだ安倍政権は方針を見直し修正して20年までに6%削減(05年比)を目標とする方針転換で目標後退して国際社会から批判にさらされている。

 (2)そこに欧州委員会からの50年までに60%削減(10年比)目標の提案だ。しかし直接、地球温暖化の環境影響のある島全体が海抜下に沈むことが現実問題の0メートル小国では、50年までに70~95%(10年比)の大幅削減の必要性を求めて危機感をあらわしている。

 環境保全対策については、先進国と新興国がそれぞれの経済事情を背景に温室効果ガスの削減責任について責任転嫁の対立があきらかとなって、世界全体として目標達成が進まない障害となっている。

 (3)経済成長率、自動車社会(motorization)を維持するため地球温暖化時代の最大の原因国でもある米国と中国がこれまで温室効果ガス削減対策に消極的であったが、ようやくここへきて国際環境社会に足並みを揃えてきたのは地球温暖化の危機意識を世界共通の課題として取り組み、克服する体制が整ったということだ。

 オバマ大統領は米国が自らまいた種のISに対するテロ危機意識を「我々は同じ船に乗っている。助け合わなければならない」と力説したが、地球温暖化対策こそは「同じ船に乗った」世界人が相互協力、努力で助け合わなければならない、地球生命の存亡にかかわる重要課題だ。

 (4)二酸化炭素排出量で大きな環境汚染原因となっている自動車産業では環境未来社会に適合する電気自動車(EV)が実用化して、充電ステーションのインフラ整備も進んでいる。
 さらに現在の究極の(ultimate)エコカーとしての水しか排出しない燃料電池車(FCV)を世界に先駆けてトヨタが開発製造して、特許申請せずに開発技術(know haw,technology)を広く提供してFCVの普及を加速しようとしている。

 名古屋市ではFCVバスを15年度に試作して試運転をする予算を計上している。二酸化炭素削減社会実現には病院とか介護施設とか車の走行範囲が比較限定される組織体でのEV,将来のFCVへの切り替えが求められる。

 (5)FCVの実用化には燃料となる水素ステーションのインフラ整備普及が欠かせないが、FCV関連のイニシャルコストも高く、水素、低炭素未来社会を含めた総合社会グランドデザインとの連携計画性、未来設計の中での社会環境整備、有効活用の視点が必要だ。

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国民を守る義務。 obligation to protect the nation

2015-02-25 19:32:47 | 日記
 (1)日本国内で日本人が米軍により拘束(restraint)、逮捕されるという非常事態が初めて起こった。沖縄辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前で普天間飛行場の辺野古移設に反対する市民活動家2人が日米地位協定にもとづく違反で米軍警備員に拘束され、4時間後(報道)に名護署に移送されて逮捕された。

 報道によるとたとえば米軍フェンスを乗り越えて基地内に乱入したものではなく、ゲート前の境界線を越えたとの理由で米軍に拘束され手錠をかけられて(報道)基地内に拘束されたというものだ。

 (2)沖縄が米軍による治外法権にある現実を日米地位協定の厳格な適用で示された。日米地位協定の見直しは、当時の仲井真沖縄県知事が普天間飛行場の辺野古移設を事実上容認した時の政府への要請事項で政府も取り組むことを表明していたもので、その後の進展は沖縄での米軍関係者の犯罪者(これまでは米国の責任で司法判断)を日本に引き渡すことを約束した程度で、日米協議の実体はあきらかに伝わってはこない。

 それどころか辺野古移設に反対して仲井真前知事に勝利した翁長県知事とは2度上京して会談を求めても、安倍首相も菅官房長官も会おうとしない異常事態が続いていた。

 (3)仲井真前知事時代には約束した振興策を含めた沖縄予算は減額提示で、あきらかな沖縄県政新体制への圧力を政府は恥も外聞もなく露骨にかけ続けている始末である。
 そこに起きた米軍キャンプ・シュワブ前での移設反対市民活動家の日本国内における米軍による拘束事件だ。

 日本国内に日本の主権が及ばない独立国家として屈辱的な非常事態政治の実体だ。沖縄県警捜査関係者も「拘束するまで米軍から連絡はなく、寝耳に水だった」(報道)というから、日本国内で国民の安全、人権を守れない政府、県警の対応には大きな問題がある。

 (4)報道によるとこれまでは反対運動グループが境界線を越えることはあっても県警が注意や警告で済ませていたとあるので、今回の初めての米軍による市民活動家の拘束は事前通告もないいきなりの直接的な行動で、日米信義則に反してのいきすぎの高圧的な(highhanded)行動だ。

 治外法権の米軍とはいえ、日本国内のことであり日本の主権をまず尊重することは当然の外交上の儀礼であり、日本国内で米軍が日本人を拘束するという日本の主権、法的概念をあからさまに侵害するやり方には国民として理解できない。

 (5)沖縄の意思が辺野古移設に反対する中でのキャンプ・シュワブ前での反対運動に対して、日本政府、県警として通常、過激行動にかかわらずに起こり得る事態に対して米軍と事前協議して日本政府が責任をもってそれでも日本人の安全、人権を主権国家として守る義務があり(obligation to protect the nation)安全対策、対応を取るべきであったし、日本政府の政治責任でもある。

 (6)辺野古移設問題は反対派の翁長知事の就任で今後の同計画にも見直し(許認可の検証)、支障が出ることが予想されて、反対運動も市民的な広がりも考えられる。
 日本国内における日本人の安全、人権を守るという当然の政府のパラダイム(paradigm)のために、沖縄では日本政府は国家責任、義務として最善の対策をはかる必要があることを迫られたものだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍政権の歯車。 a gear wheel of abe political power

2015-02-24 19:33:47 | 日記
 (1)「説明しても分からない人は分からない」で農水相を辞任した西川議員だが、そもそも禅問答のような話をいくら説明されても「分からないものは分からない」のだ。
 農水相としてTPP交渉の前面で交渉を支え、日本の砂糖事業を関税撤廃しない対象とする例外事項にしようとしている最中に、利害関係にある国からの補助金交付が決まった(1年間は政治献金が受けれない)「砂糖工業会」と役員構成も所在地も同じ「砂糖工業会館」から政治献金を受けていることがわかり(報道)、本人は違法性はまったくないと開き直ってみせていた。

 (2)そうしておいて、同献金は農水相として誤解を招かないように「すぐ返した」では、カラクリ禅問答のように分かりようのない話だ。誤解を招くような献金を受けておいて(その実、法の網の目をくぐりぬける巧妙なカラクリ献金であることは疑いようもない)「すぐ返せ」ば済むと思う認識が、政治家として選んだ国民を甘くなめすぎている印象が強い。

 他にもやはり国から補助金を受けていた木材加工会社の顧問を務めていた(報道)など、「政治とカネ」のつながりの深い族議員としての古い政治スタイルのへい害の存在そのものだった。

 (3)かっては隆盛を誇っていた自民党の農水「族」議員のベテラン(報道)だが、またそうだからこその古くて新しい政治とカネの疑惑に深く包まれた古い政治体質のすでに国民から否定された政治(09年政権交代)の名残りでもあった。

 そうしておいての「説明しても分からない人は分からない」とのカラクリ禅問答発言では、西川議員の政治感覚が常識外れに包まれていたことを自ら示してみせた自業自得だった。

 (4)「歯車」(a gear wheel)はひとつ狂いはじめると加速して転落へとつながることは政治の世界でも同じだ。安倍政権はアベノミクスで円安株高効果を生んで昨年前半までは順調に推移して、しかし4月の消費税8%引き上げ以後はGDP2四半期マイナス成長が続き、貿易連続赤字と経済指標データは確実に下降線を描いて、わずかに日銀の株価操作のような経済実体を反映しない株高傾向に期待するばかりの現在だ。

 (5)安倍政権の重要政策課題(特定秘密保護法、集団的自衛権、原発再稼働、憲法改正)にはことごとく国民の過半数が反対(世論調査)を示しながら、先の解散衆院選では与党自民党が圧勝して内閣支持率も上昇して40%台という安定ぶりを示してきた不思議な政治現象、政治土台の上にいるのが安倍政権だ。

 政治優先政策、賃上げ、株高効果に期待する小市民的国民(the petite bourgeoisie)意識によるものだが、最近も安倍首相は原発再稼働問題で国民反対の世論調査を問題にしない発言があった。

 (6)破天荒な常識外れの政治感覚を暴露しての閣僚辞任が、ひとつ間違えば安倍政権の政治歯車(a gear wheel of politics)を狂わせる薄氷の心もとない勢いだけの政治基盤、土台にある。

 決して日本の政治状況が不安定になることを望むものではないが、だからこそこの機会に安倍政権が国民の意思と対決しない本来の民主主義政治に向かうことを期待するばかりだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする