いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

増田レポート(町村消滅)と情報化。 masuda reports and net work systems

2024-04-29 20:19:33 | 日記
 (1)民間シンクタンク「人口戦略会議」が10年前に将来的に全国で900弱の町村が「消滅する」可能性があるとの報告書(増田レポート)を出した時は、少子化、地方過疎化時代を迎えた人口減少以上に「町村の消滅」という試算データの発表で相当にインパクトのある報告書となった。

 (2)今回それから10年を経過して同シンクタンクはあらたに全国で744町村が将来的に「消滅の可能性がある」との報告書を発表した。前回(10年前)報告に比べて消滅規模は減少しているとの結果だったが、それでも全国で744町村が消滅の危機にあるという試算データだ。

 (3)これを受けて全国町村会は「地域の努力や取り組みに水を差す」(報道)と訴え、批判した。こういう試算データは地方過疎化をさらに加速するものだとの不安、懸念があるのは理解できるが、現実として避けて通れない問題でもあり、全国町村会が主張するように「一自治体の努力だけで抜本的な改善を図れるものではなく」(同)国、政府をあげて取り組む必要のある「人口減少問題は日本社会の最大の戦略課題」(自見地方創生相)であり、現実を直視しなければならない。

 (4)町村でも関西では大阪、京都に短時間で移動、アクセスできるロケーション、自然環境に恵まれた生活の利点を活かして、転入、人口増加に転じているところもあり、地方、地域の特性を活かして地方活性化に向かうところもある。
 医療でもオンラインを利用した遠隔機能操作で都市部基幹病院と結び対応する医療システムも稼働しており、情報化、IT社会の利益共有、共生の取り組みもみられる。

 (5)政府は先端的技術を使って都市部と地方を結び、活性化、活動性に取り組む事業開発を進める必要がある。東京一極集中は高度経済成長時代に労働力供給の必要性から加速したもので、現在は経済成長時代から安定不況、低成長時代に市場原理が移り変わり、世界でも類をみない少子高令化社会で冒頭のような地方過疎化、町村消滅の危機も指摘される時代だ。

 (6)日銀が注目する物価高と賃上げの好循環、岸田首相が提唱する成長と分配の好循環がいわれるが(中間層を厚くする経済政策は必要)、大企業、富裕層に対する課税強化も格差社会の解消には求められて、少子化、地方過疎化とどう向き合い、利益を共有するのか、国をあげて考え、取り組み、進める必要がある。

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国の信頼度。 a limited trust of usa

2024-04-27 21:12:00 | 日記
 (1)米国、バイデン大統領は世界の信頼を得ているのかといえば、そうはいかない。ウクライナ戦争にイスラエルのガザ地区攻撃を抑えることができない責任は大きい。バイデン大統領の国際政治、秩序、規範の「二重基準」(double standard)構造が国際信用、信頼を損なって紛争をさらに深刻化させている。

 (2)露のウクライナ侵攻では当初露軍がウクライナ国境沿いに軍事演習と称して多数集結して警戒が呼びかけられ、米国もウクライナ政権に対して露のウクライナ侵攻の危険情報を提供しながらその後露のウクライナ侵攻が開始されて、米国バイデン大統領は米国が軍事介入すれば第3次世界大戦につながるとしてEU、NATOとともにウクライナの後方支援に回り、露軍の戦線拡大の中で露は南部親露派勢力の強い地域を占領して戦闘は3年目に入り収束の見通しは見えてこない。

 (3)バイデン大統領の見通し、戦略に見込み違いはなかったのか問題だ。露によるウクライナ侵攻の危険性を察知しながらそのまま許すという前に打つ手はなかったのか、ゼレンスキー大統領がこの情報に耳を貸さなかったといわれているが米国の威信が揺らいでいる。
 バイデン大統領の言うように米国が軍事介入すれば米露対立による第3次世界大戦の危険性はあったかもしれないが、NATOというのは西側諸国の露との最前線対立抑止組織として存在するもので露のウクライナ侵攻を察知しながら何ら抑止効果は発揮できずに許すという最も悪いシナリオとなった。

 (4)バイデン大統領がアフガンからの米軍撤退に際して国際テロ組織タリバンの首都進攻を受けて撤退を急ぎ、米国帰国者、避難者を残したまま米軍を撤退させたことが露プーチン大統領に米国の威信の低下を伝えて、その後の露のウクライナ侵攻につながったと考えられる行動だ。NATOとしての役割、使命が機能しなかった、果せなかった結果だ。

 (5)米国はブリンケン国務長官など政府要職者がたびたび訪中して習主席、王毅外相と会談を重ねている。主張は対立して平行線をたどってばかりしているが、米国が果たせぬ国際政治、外交の役割を露、イランなどに対して中国にも果たしてもらおうという意味合いも感じられる。そのためには台湾問題で米中緊張緩和の関係が必要だとの思惑もあるのだろう。

 (6)米中が政府要人、首脳同士で対話を重ねることは必要で、それはそれで主張が対立しても世界にとって悪いことではない。もはや両国関係は対立だけで世界平和、安定に責任がないという関係ではない。
 Gゼロ時代といわれて米中政治、外交の模索が続くが、負け戦外交では何も変わらないだろう。
 

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トランプ詣で。 a visit to trump

2024-04-25 20:22:42 | 日記
 (1)本日の紙面は失礼とは思いながら、ニューヨーク・トランプタワーでのトランプ前大統領と麻生副総理の「悪役」人相2人のそろい踏み写真が目を引いた。安倍元首相は第2次政権当時トランプ米大統領誕生に際して、いち早く訪米して同じトランプタワーで大統領就任前のトランプ氏と会って個人的友好関係を築いたといわれて、麻生副総理の今回の訪米によるトランプ前大統領訪問(面談)は「もしトラ」に備えて前例に倣ったものとみられる。

 (2)しかし今回は岸田首相が国賓待遇による訪米でバイデン大統領と会談したばかりの直後であり、バイデン政権側が不快感を持っている(報道)といわれるのは当然で、成果は見込めるのかはわからない。日本政府も林官房長官が麻生副総理の訪米は「一議員として行われたもの」として政府として関与していない(同)と述べている。

 (3)しかし通常国会開催中で自民党裏金議員処分による与野党の規正法改正論議が本格化しようという矢先の訪米が「一議員として」適当なのか、岸田首相は自民党総裁でもあり政府、自民党として「許可」できるのかは問題はある。
 トランプ側の意向に沿っての日程での訪米、面談で、トランプ側がバイデン大統領に当てつけの対抗心に利用されたようにも映る。

 (4)各国のトランプ詣でが続いているが、当時安倍首相がいち早くトランプ大統領と築いた個人的友好関係で安倍政権にとってどういう効果、成果があったのかは、安倍政治があれこれ問題はあり検証されることなく安倍元首相が亡くなったのではっきりしない。
 トランプ大統領で印象にあるのは、日本が駐留米軍基地負担増に合わせて核兵器を所有することを認めるとした発言(個人的なもの)であり、米国大統領としては初めて米朝首脳会談を実施してその間は北朝鮮が核開発、ミサイル発射を自制したことぐらいだ。

 (5)トランプ大統領はEU、NATO、中国とは関係悪化、対決姿勢を鮮明にして米国第一、保護主義を主張して、日本にも米国内投資、企業誘致を求めていたので安倍首相との個人的友好関係が政治、外交、経済で好条件になったとの印象はない。
 
 (6)安倍首相が目指した世界周回の鳥瞰(かん)図外交はその後どういう成果、各国との関係強化に結びついているのかは検証もなく、トランプ前大統領は自らの政策、方針、主義に反するEU、NATO、中国には感心、対決心は高いが、従う同盟国日本にはあまり興味を持たないようだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

米国の二重基準国家論。 a state of double standard of usa

2024-04-24 20:55:47 | 日記
 (1)イスラエルのガザ地区ハマス攻撃はイランとイスラエルが攻撃し合う展開を巻き込んで、双方戦闘拡大を望まない程度に攻撃を抑制しているとみられる。今回は米国、バイデン大統領の意向がかろうじて抑制となっているとみられている。その米国はパレスチナの国連加盟には反対(拒否権行使)して否決された。

 (2)米国がイスラエルを擁護したもので、米国はイスラエルとハマスの戦闘でも国連の停戦決議は否決して、イスラエルの自衛権を保障する従来の姿勢を示している。バイデン大統領はイスラエルのガザ地区侵攻では避難民、民間人に犠牲者が多く出ていることにイスラエルに攻撃自制、休戦を求めており、二重基準(double standard)の姿勢がみえる。
 
 (3)中東紛争、イスラエルとパレスチナの対立を解決するのは地政学的にパレスチナを国家として承認することが必要だが、欧州でのユダヤ人迫害から逃れてキリスト生誕地を目指した歴史的背景もありイスラエルとパレスチナの確執、対立は収まらない。
 バイデン大統領もパレスチナ国家を認めるイスラエル、パレスチナ2国家論を容認しており、それからは今回の国連のパレスチナ加盟への米国の反対否決はイスラエルのガザ地区戦闘中ということもあり、時期が悪かったともいえる。

 (4)イスラエルとパレスチナの歴史的対立を収めるには、パレスチナを国家として認めることが必要で、そのためにはまずパレスチナの国連加盟承認は第一歩として必要な大事な要素だ。パレスチナが国連に加盟してそこでパレスチナ国家承認につなげていくことが求められる。
 米国もイスラエルとパレスチナ2国家論を認める姿勢を示しているのだが、どこまで構想、戦略を見据えているのか米国二重基準国家としてわからない。

 (5)少なくとも中東紛争、イスラエル、パレスチナ問題の解決にはパレスチナを国家として認める2国家論は避けては通れないことは認識してのものだろう。しかしこちらの「壁」も大きい。バイデン大統領は中東、アフガンから手を引いて世界の警察国家の役割を見直す姿勢、方針を示している。
 中東での反米イランに対抗するため米国の影響力を残すためには、唯一の親米イスラエルの存在は大きく、必要といえる。

 (6)そのためのイスラエル擁護、自衛権保障の姿勢であり、2国家論、ガザ地区攻撃抑制とも国連でのイスラエル擁護(停戦拒否、パレスチナ国連加盟否決)ともみられて、二重基準に迫られている。
 しかしこれでは政治、軍事、経済の覇権国家としての米国の存在感は薄れ、中国の軍事力台頭、海洋進出に露によるウクライナ軍事侵攻を招くことになり、世界の平和と安全は保障されない。

 (7)11月の米大統領選で仮にトランプ前大統領が返り咲くということになれば、さらに強いイスラエル寄りの政治姿勢に中国との経済対立、保護主義政策で国際情勢はいっそう深刻さを増していくことが懸念される。
 米国のあいまいさを増す「二重基準」国家を改めなければ、国際政治の対立は深刻さを増して複雑になり、それがバイデン大統領の日米同盟強化、日本の役割、負担の増加に向かわせている。
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

推論判決。 inferential judgment

2024-04-23 20:33:11 | 日記
 (1)捜査、裁判では証拠の推測や憶測は一義的には排除されなければならない。「確実な裏付けのある」証明力(evidence)のある「証拠」が必要だ。近年は推論に推論を積み重ねて有罪にする判決事例も目にするようになったが、わかりきった法形式や手続き論では裁かれない「正義」が裁かれることもあり、逃げ得を許さない判断、判決で留飲を下げることもあるが、有力な証拠のない裁判は訴訟維持能力に乏しく上級審で証拠不十分として差し戻されることもある。

 (2)2年前に起きた知床観光船沈没事故では悪天候の中、知床半島沖に出航した観光船が沈没して観光客20名が死亡し、現在も6人の行方がわからない惨事となった。運輸安全委員会は昨年9月に最終的な調査報告書を公表して、閉鎖が不十分だった船首付近のハッチ(50センチ四方)からの浸水が原因だと指摘(報道)した。

 (3)これにもとづき海上保安本部などは運航会社社長を業務上過失致死容疑で捜査(報道)しているが、「本当に50センチ四方のハッチから船が沈むほどの水が入ったのか。報告書の内容はどれも推論だ」との捜査幹部の証言(同)もある。
 最終調査報告書はハッチが閉鎖されていなかった根拠として、事故1週間前に撮影された写真や2日前の救命訓練参加者の証言を挙げたが、同捜査幹部は「確実な裏付けとは言えずに、証明としては不十分」と指摘する。

 (4)事故3日前には検査機構のJCIが船体を検査しており気づかずに「ハッチが原因だったとしてもJCIが気づけなかった不具合を社長が見つけることは困難」(報道)と同捜査幹部は言う。社長は当時、知床観光船運航に熟練したベテラン船長を解任して知床には縁のない経験の浅い新米船長を雇い、当日同業他社の社員から「(悪天候になるから)行ったら駄目だぞ」と忠告を受けたが、新米船長は社長と打ち合わせの上、他社が出航を控える中で独自の判断で海が荒れたら引き返す「条件付き運航」で出航して惨事を引き起こした。

 (5)当時社長は安全よりは偏向して営業利益第一経営だったともいわれて、それがベテラン船長から新米船長に切り替えた(経費抑制)ことにつながったとも考えられて、経営評判、評価はよくなかった。
 船の安全に一義的な責任を負うのは船長といわれているが、知床観光船には縁も薄く新米で経験も乏しく社長の意向、判断に従うのは考えられることで「50センチ四方のハッチ」からの浸水が沈没の原因だったのかが「推論」であるとするなら、事故現場での生存者はいないのだから「推論」を積み重ねて、積み重ねて原因を確実な証明に近づけていく努力しかない。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする