いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

秋の夜長と三島由紀夫論。 a long night in autumn & Y.Mishima theory

2021-10-30 20:14:29 | 日記
 (1)秋の夜長は読書とか、秋は読書の季節で、読書週間もある。興味、関心、娯楽が限られて少ない時代には新しい知識を高める興味、関心は本を読むことが主流で、マンガ、少年少女雑誌も含めてよく読んだ。

 (2)近年は若者層中心に活字離れが指摘されて、社会はパソコン、スマホ主流時代で勝手に動く情報が都合よくスマホ利用率は小学生40%、中学生67%、高校生94%(内閣府調査)と順々に高くなっており、小学生でも電子書籍を読んだのは36%と3人に1人の高い割合だ。

 (3)これを単純に活字離れといっていいのか、スマホ利用では常習性、へい害性も指摘されて利用、活用の方法論も検証、検討されている。小中高での教育方針効果で読書時間、習慣も増加傾向、回復をみせている。

 知識欲、何事にも興味、関心の高い10代で読書で考え、想像、理解、理論構成するのは人間形成、成長プロセスとしては重要な時期だ。

 (4)活字離れ、読書離れ時代で本、小説など紹介でやたらと有名作家、著名人を使って過激な宣伝をしたり、直木賞、芥川賞選考を年2回実施して作家にとってステータスの機会が増えることで社会の興味、関心を引くのもいいが、直木賞作家、芥川賞作家があちこちに散見されて少々食傷気味、やりすぎ宣伝なところもある。

 (5)そこでか、最近は「骨」のある作家が少なくなった。思想渾身の「豊饒の海」4部作を書き上げて出版社に送って、自衛隊市ヶ谷東部方面総監部に自ら立ち上げた盾の会会員とともに出向き、自衛隊員に憲法が認めない自衛隊の国体に抗議するクーデター決起をうながし賛同が得られずに自決した作家三島由紀夫は、直木賞受賞には強いこだわりがあったといわれて受賞を大いに喜んだと伝えられて、しかしノーベル文学賞にも候補者として報道されながら授賞を待つことなくしての自決行為だった。

 (6)読み解くに、三島由紀夫は国粋、右翼主義者として当時革命思想の東大全共闘集会にも呼ばれてひとり乗り込み教壇から自らの主張を語り掛けたが、日本文学の直木賞には強い関心があっても世界のノーベル文学賞にはさほど興味がなかったのか、それ以上に自衛隊違憲状態と考える日本の政治、社会体制に危機、不満を抱いていたと考えられる。

 (7)あるいは思想渾身の遺稿となった「豊饒の海」に書いた輪廻転生のとおり、いつの日にかは生まれ変わってノーベル文学賞は授賞するつもりだったのか、秋の夜長に考える。

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9条自衛隊の矛盾。 discrepancy of the self-defense forces of the 9th article

2021-10-29 20:25:06 | 日記
 (1)安倍元首相が4か月前の6月のラジオ番組で語った自衛隊百里基地近くの丘に立つ8枚の看板(自・衛・隊・は・憲・法・違・反)を批判した話が衆院選中にぶり返されている。自衛隊の存在そのものが憲法9条に違反するという理論は憲法学者の中にもあるが、自衛隊の個別自衛権、災害復旧に対する国民の理解、支持は浸透しており一定の国民的支持はあるとみていいだろう。

 (2)一方で安倍元首相が指摘して批判した自衛隊百里基地近くの8枚の看板は表現の自由の範囲のもので、ことさら批判されるものではない。自民党の憲法草案では自衛隊を国防軍として昇格させるというものだが、自衛隊の海外派遣に対しても国民の多くが反対(世論調査)する国民意識の中で安倍元首相は政権時代にそれならと第9条に国を守り、災害時に頼りになる自衛隊の存在を明記する改憲案を示して、憲法改正に強いこだわりを示していた。

 (3)第9条は戦力を保持せず、交戦権を放棄するという規定であり、安倍改憲案はここに項目をあらたに付け加えて自衛隊の存在を明記するものだが、憲法理論上、構成上も条文整合性のない条文となり説明のつかないものとなる。

 憲法学者の中に自衛隊違憲論が根強くあり、安倍元首相としては強い保守思想政治の立場から自衛隊組織、存在を憲法に明記することによって名目ともに自衛隊の合憲性を認めさせようという意図、目論みだ。

 (4)自衛隊の存在を憲法第9条に明記することによって、憲法理論上、構成上の違和感を際立たせ、そうでなくても国連が認める個別的自衛権、災害復旧で国民の一定の支持、理解を得ている自衛隊の成り立ち政治問題をまた複雑にむずかしくするだけの論理構成となり、憲法改正を形だけの論議、土台にする軽さだ。

 (5)憲法は国の基本法であり、国家と国民、社会の規範、規律、法律、制度を規定、統括、包括する基準、基本を示すものだ。安倍元首相の改憲案のように第9条に別項目で自衛隊の存在を明記するではまったく要件(任務、目的、役割)をなさない理論、論理は矛盾を示すものとなる。

 もちろんこれを手掛かりに将来的に自衛隊の国防軍化を進め、中国などの軍事力強化に対して戦力、交戦権を有する防衛能力のある安全保障体制を確立しようという改憲思想がみえる。

 (6)安倍元首相などの保守思想政治家は現在の憲法は米国占領下での傀儡(かいらい)憲法だとして、主権独立国家として自らの手で自主的憲法制定を持論としており、世界的な極右勢力の台頭の中で日本でも政治の右傾化、強い保守思想の台頭がみえる。

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選挙報道と知る権利。 news of election & right to know

2021-10-28 20:22:01 | 日記
 (1)選挙報道でのメディアの選挙区、候補者の途中情勢分析は恒例となっているが、これが国民有権者の知る権利、報道の自由につながるものかは考えものだ。国民の選挙への関心を高める効果はあっても選挙戦中であり、各党、候補者の訴え、主張を聞いて投票先を決めようとしている時にどの党、どの候補者がすでに有利に進めているとか不利だとかいうメディアの調査分析結果は、選挙の行方、判断を操作する要素があり、誘導性のあるもので考えさせられる。

 (2)16年米国大統領選では主要新聞が当時の国務長官も務めたヒラリー・クリントン候補を支持し有利と伝え、政治経験のないトランプ候補を不利と報じていた。トランプ候補支持は経済大国米国の恩恵を受けられない経済弱者の白人マイノリティで、米国社会にこれまで影響力を及ぼしてきたセレブ、マジョリティ層に反旗をひるがえして注目されて、メディアも白人マイノリティ層の意思を示さない隠れた動向を読み切れていないと報道していた。

 (3)主要新聞のクリントン候補有利報道に対して、白人マイノリティ層の隠れた浮動票が反発してトランプ候補に結集、結束したことも考えられて、結果は主要新聞の予測に反してトランプ候補の勝利となった。

 もちろんひとつの可能性の範囲のことで、しかし選挙戦中の情勢分析判断に対して不利といわれた陣営、支持層では危機感、結集、結束し、それまで無関心だった隠れた支持層の投票行動を強める効果は考えられる。

 (4)選挙戦中の情勢分析で有利と伝えられた陣営、候補者では油断、安心、慢心を警戒する、締め付けを強めるといわれるのは、不利陣営、候補者の危機感による結集、結束、支持拡大掘り起こしを警戒するためのものであり、選挙戦中のメディアの情勢分析報道は国民の投票行動に関心を与える、高める意味はあっても、同時に国民有権者の意思、判断、投票行動を操作することにつながることも考えられるものだ。

 (5)このような選挙報道は国民の知る権利、報道の自由の理念につながるものではなく、国民有権者の判断、選択を先取りする出すぎた報道の影響は米国大統領選でも失敗した経験があり、その後の正しい情報報道でも反対者からはフェークニュースとして決めつけられて苦しんだ。

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コロナ後社会。 society after corona

2021-10-27 20:49:22 | 日記
 (1)コロナ感染者数もほとんどの自治体で1日ヒト桁台となり、飲食店などでは通常営業が再開されることになった。24時間や深夜営業では客がいきなり戻るのか深夜従業員の確保に不安もあって様子をみながらの通常営業再開となった。
 このままただコロナ以前の元に戻るのか、これからの社会のあるべき姿に向けて社会改革を目指すのか重要な時でもある。

 (2)1年半に及ぶコロナ感染拡大社会で経済回復を求めてこれまで経験のない被害、損害の前の社会に戻ろうとしているが、1年半のコロナ感染社会のダメージ回復にあたってはただそれ以前に戻る、回復するだけではない、せめてこれを契機としてあたらしい時代、社会のパラダイム(paradigm)に対応する社会思想革命に向けて反転攻勢、課題克服、あたらしい時代に向けた生き方、社会、生活サイクルに変えていくことに前向きになる時だ。

 (3)コロナ社会前からそれまで普通だった24時間眠らない社会、深夜営業社会に対しては利益対効果があるのか問題も指摘されて、深夜従業員の確保もむずかしい働き方意識状況もあり、また夏冬エネルギー供給不足社会で働き方の見直しも指摘されていた。

 当時も人類、人間社会、生活は日が昇れば起きて社会活動をし、夜になれば仕事を終えて家庭などで休息してまた明日への活路、エネルギーにする生活サイクルが自然でふさわしいと書いてきた。

 (4)日をまたいでの仕事、活動社会はやめて、明日への休養、エネルギー供給源として、また日が昇れば蓄えたエネルギーで仕事、社会活動をするのが人間生活の健康で文化的なサイクルだ。

 グローバル社会になって時差のある海外との仕事、連携にかかわる必要のある社会でもあるが、日をまたがない事業の営業中に利用、活用をすませて事前に準備することは可能であり考えることができることで、すべきだ。

 (5)コロナパンデミックで世界、日本は大きな深いダメージを受けたが、せめて通常営業再開を契機としてあたらしい時代、社会革命に向けて新しい価値観、パラダイムで歩き出すことぐらいして反転攻勢としたいものだ。

 ただ単にそれ以前の元に戻るだけでは意味も展望もない。テレワーク、オンライン、ワーケション、ベンチャーとあたらしい時代、社会の息吹き、環境、連携でこれを成長、発展させなければ、コロナ社会で苦しんだ意味、被害、損害も報われないことになる。

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農業構造改革。structural innovation of agriculture

2021-10-26 20:40:45 | 日記
 (1)総選挙も中盤を超えて終盤に突入したが、コメ(米)余りで価格下落が問題化している。コロナ社会で飲食店営業自粛、規制がコメ余りを加速したこともあるだろう。かなり以前にも古々米問題が起きてコメ余りで海中にコメを保存するという事態を招いた。

 コメは当時の自民党政権にとっては農業、農家の支持が大きな勢力であり、コメ価格は市場流通動向にかかわらずに政府が決めて農家利益に有利な農業政策がとられていた。

 (2)そのため需要と供給の適正化にかかわらずに農家の栽培、利益保護のために計画されて多くのコメが余る事態を招いた。当時からコメは主食として政府の食料自給率の安定名目で需要と供給の市場原則にかかわらずに、無作為計画に生産されてきた結果の古々米コメ余りだった。

 現在も政府は食料自給率の安定確保を目指しているが、現代社会では若者中心にコメ離れが顕在して食文化、食生活は多様性になり、古々米時代の反省から政府主導の生産調整はしているが政府の農業過剰保護政策からコメ余り、価格下落はとまらない。

 (3)一方で政府はTPPにより参加国相互の関税撤廃により安い外国産の食料品等輸入を進めて、食糧自給率の向上、確保とは利益の反する政策を進めている。すでに農業の構造改革が必要といわれながら遅れて、近年は農業の海外進出もはかられているがこれも政府の食料自給率向上、確保政策からは利益の反する方針だ。政府の農業政策に一貫性がなく、利益矛盾があるから農業は救われない。

 (4)日本の農業は品種、栽培、品質、改良、味覚で高い技術力、開発力、栽培力、改良力を持ち、海外展開、世界競争力で高い潜在能力があり、これまでの政府の農業過剰保護政策が高い農業の潜在能力を抑制していたことが農業構造改革(structural innovation of agriculture)を遅らせている、農業がいつまでも自立(independence)できない大きな要因だ。

 (5)TPPは農業自立のいい機会であり、若手農業経営者を中心に品種改良、品質、味覚力、栽培力、改良力の高さを利点に世界展開する動きが高まっており、コメ生産も含めて生産、販売、管理を農家に一元化してまかせることが農業構造改革、自立、活性化につながるものだ。

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