(1)政治とスポーツは別物という考え方は、五輪が独裁者政権により国威発揚の機会に利用されて国民を煽動してそのまま侵略戦争に突き進んだ歴史もあり、近年でもスポーツ大国が自国選手の活躍で国名を挙げるために国ぐるみで違法薬物使用のドーピング不正にかかわり、選手からの告発でIOCから五輪への国としての参加を拒否された悪例にもみられる。
(2)今また窮地に立たされているのがコロナ感染拡大で7月の東京五輪を開催すべきかが問われている菅首相だ。IOC側は緊急事態宣言が出ていても犠牲が出ても東京五輪は開催すると無茶な発言が相次ぎ、菅首相は東京、大阪など3回目の緊急事態宣言を依然として予断を許さない状況だとしてさらに6月20日まで延長することを決定したが、7月の東京五輪については国民世論に反して「安全安心の大会に向けて取り組みを進めている」(報道)と開催に前向きのままだ。
(3)今の日本の現状をみれば、政治とスポーツは別物とみるべきか、政治とスポーツは運命共同体とみるべきか、だんだんと追い詰められて深みにはまっていくようにみえる。東京五輪中止ということになれば菅首相、政権への風当たりが強く、求心力が一気に後退して窮地に追い込まれるというのが開催にこだわる根拠のようだが、コロナ感染拡大社会で菅首相が五輪中止判断をすればかえって国民から歓迎支持されるものだが、反面コロナに打ち勝った証しとしての東京五輪開催と言ってきた手前、コロナ対策の失敗が指摘されてどちらにせよ政治的な副反応がともなう五輪(スポーツ)と政治はハイブリッド(hybrid)という現実観だ。
(4)もうひとつ波紋を広げているのが、女子プロテニス全米2連覇の大坂なおみ選手が「選手の精神状態が無視されて疑念を抱く質問も多く、自分を疑うような人の前に自らをさらすつもりはない」(報道)と義務付けられている記者会見を拒否する意向を示し、罰則の罰金は慈善団体に寄付してほしい趣旨発言だ。気持ちはわからないではない。
(5)大坂なおみ選手はこれまでも米国の黒人差別事件に抗議してマスクに白人警官に殺害された黒人の名前をプリントして大会に出場して、政治とスポーツのハイブリッドを実践してきた。これに対して男子プロテニスの錦織圭選手は「(会見は)大会のプロモーションの一環として選手がやらないといけないことの一つ」(報道)と発言し、男子1位のジョコビッチ選手は「(会見は)競技の一部であり、ツアー生活の一部」(同)と会見をすることを肯定的に述べている。
(6)大坂なおみ選手がスポーツに政治社会問題をからめた抗議行動、発信を進んでしていることから、会見はいい機会のようにもみえて、しかしそればかりに注目、関心が集まることにリスク、不満はあるのだろう。
時代、社会は商業主義、経済主義のもとに政治とスポーツが限りなくハイブリッドになり、政治的思惑に支配、影響を受けてスポーツの本質性が問われている。
(2)今また窮地に立たされているのがコロナ感染拡大で7月の東京五輪を開催すべきかが問われている菅首相だ。IOC側は緊急事態宣言が出ていても犠牲が出ても東京五輪は開催すると無茶な発言が相次ぎ、菅首相は東京、大阪など3回目の緊急事態宣言を依然として予断を許さない状況だとしてさらに6月20日まで延長することを決定したが、7月の東京五輪については国民世論に反して「安全安心の大会に向けて取り組みを進めている」(報道)と開催に前向きのままだ。
(3)今の日本の現状をみれば、政治とスポーツは別物とみるべきか、政治とスポーツは運命共同体とみるべきか、だんだんと追い詰められて深みにはまっていくようにみえる。東京五輪中止ということになれば菅首相、政権への風当たりが強く、求心力が一気に後退して窮地に追い込まれるというのが開催にこだわる根拠のようだが、コロナ感染拡大社会で菅首相が五輪中止判断をすればかえって国民から歓迎支持されるものだが、反面コロナに打ち勝った証しとしての東京五輪開催と言ってきた手前、コロナ対策の失敗が指摘されてどちらにせよ政治的な副反応がともなう五輪(スポーツ)と政治はハイブリッド(hybrid)という現実観だ。
(4)もうひとつ波紋を広げているのが、女子プロテニス全米2連覇の大坂なおみ選手が「選手の精神状態が無視されて疑念を抱く質問も多く、自分を疑うような人の前に自らをさらすつもりはない」(報道)と義務付けられている記者会見を拒否する意向を示し、罰則の罰金は慈善団体に寄付してほしい趣旨発言だ。気持ちはわからないではない。
(5)大坂なおみ選手はこれまでも米国の黒人差別事件に抗議してマスクに白人警官に殺害された黒人の名前をプリントして大会に出場して、政治とスポーツのハイブリッドを実践してきた。これに対して男子プロテニスの錦織圭選手は「(会見は)大会のプロモーションの一環として選手がやらないといけないことの一つ」(報道)と発言し、男子1位のジョコビッチ選手は「(会見は)競技の一部であり、ツアー生活の一部」(同)と会見をすることを肯定的に述べている。
(6)大坂なおみ選手がスポーツに政治社会問題をからめた抗議行動、発信を進んでしていることから、会見はいい機会のようにもみえて、しかしそればかりに注目、関心が集まることにリスク、不満はあるのだろう。
時代、社会は商業主義、経済主義のもとに政治とスポーツが限りなくハイブリッドになり、政治的思惑に支配、影響を受けてスポーツの本質性が問われている。