いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

甘い辞任(官房参与の学者)。 give up a optimistic expert

2011-04-30 19:41:37 | 日記
 (1)①有識者、学者を集めた復興構想会議がメンバーでもある現地震災対策に奔走する被災地自治体の首長(知事)を東京官邸に呼びつけての不見識な会議開催に、②今度は専門家として内閣(官房参与)に呼ばれた学者(放射線安全学)が放射線量被ばく限界基準値を巡って、政府、関係委員会と意見が合わずに政府の対応を批判して抗議のため辞任(give up a optimistic expert)した。

 政府の対応を検証し、より精度の高い政策として専門的立場から問題を整理、整備、検証、助言し構築する役割の内閣官房参与の学者が、多様な意見の協議の中での政府、委員会の集約方針が自らの理論にそぐわないとして責任を放棄する態度には驚くとともに、この2事例を見るまでもなく随分と知識人、学者の(その専門的な知識能力は別にしても)「見識」にも先行きを見ない、読まない学識力、行動力、説明力のスケールダウンを強く感じる。

 2事例とも、首相の懇意による有識者、学者を集めた結果によるもので、国難、危機管理を乗り越える幅の広い、周囲(社会、生活、人)を見渡せる度量、配慮、良識に問題はあるようで、その責任は結局指名した首相に帰結する。

 (2)前代未聞の大震災、原発事故の収束に向けては、専門家の英知(wisdom)を結集して多様に方法、方式、法則を検証して効果的な対応をはかる必要が言われてきたが、その傾向も取組みも効果もはっきりとは見られずに、第一責任企業の東電に対応をまかせてどうしたものかと不思議に思っていたが、今回の内閣官房参与の学者の辞任行動理論でよくわかった。

 それぞれ国内事情もあるのだが、日本は高等教育、研究開発への国民投資が世界水準から見て低レベルと言われて、一時期は(今もその傾向にあると思うが)頭脳の海外流出もあり関係者からは研究開発への投資増強の強い意向が聞かれる。
 国の有り様の中で教育効果の占める割合は高く投資の重点化は必要だが、高度の研究開発能力が自己保身、利己主義で、国の危機管理対応の協力にあたってその見識を疑われるような国民の期待に反する学識力、行動力では、投資効果も心もとない。

 (3)同官房参与の学者が指摘するまでもなく、原発事故に対する政府、関係機関の情報発信にはデータ量、精度、範囲、方法に問題は多く、そのため政府内部から専門的立場を活かした調整(adjust)、助言(suggest)、行動(conduct)が求められていた。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自然の畏敬を失って。 awe of nature lost

2011-04-29 19:41:25 | 日記
 (1)ゴールデンウィークに五月晴れ、ロンドンでは王室家の結婚式、ロシアでの世界フィギュアスケート選手権大会で小塚さん(22)の終始見事なフリーの演技で前日の6位からの銀メダル獲得と天晴(あっぱ)れな手元には、銀メダルとあわせて「がんばろう日本」の日の丸が掲げられていた。

 日本では、被災地ハローワークに長蛇の列、海抜0メートル以下地帯が5倍強の地盤沈下、原発賠償と東電の免責規定の黒い文字が埋め尽くす有り様だ。現代の失楽園(paradise lost)だ。
 震災復興財源として、国民負担に頼るばかりの年金担保財源の切り崩しに増税、年金支給年令の引き上げによる補てんが検討されている中、なぜか1票の格差是正が急務の国会議員の定数、報酬削減が財源パラダイム(paradigm)のプライオウリティ(priority)には出てこないところに、この国の政治の決意が国民には届かない。

 (2)少々伸びすぎた厚い草木を、申し訳ない気もしながらせん定して、暖かい日差しの中、いつのまにか草木のその先からやわらかい透明な新芽がまっすぐ空に向かって伸びている。
 伸びてくれてありがたいし、自然のたくましさを感じる。こんな時でも春はやってきて桜が咲くという言葉を聞く。自然の巡り合わせだ。

 自然が覆いつくしていた地球(globe)、その自然のまたほんの一部分として存在した人類が文明を開花させ進化した姿が、マテリアル(material)コンクリートで覆いつくした模造の自然地球だ。
 人類はこの模造のマテリアルコンクリートの自然地球を、素手でひき剥(は)がすことなどは不可能な能力だが、自然はいつしかやわらかい、やさしい、やすらぐ草花が地球内から人類のマテリアルコンクリートを堀り起こして地上に凛(りん)として顔を出してくる。

 そのやわらかい、やさしさに、パラドックス(paradox)としての自然のたくましさ、強さのエネルギーを畏敬(awe)するばかりだった。
 そういう本当の自然のたくましさ、強さを日常の光景の中で感じながら、目にしながら人類はその畏敬をどこかに置き忘れてきていた。
 自然のほんの一部分としての存在の人類が、「自然との調和」なくして地球上に存在しえないことを悟った2011年春のことだった。

 (3)ロシアで開催の世界フィギュアスケート選手権大会。男子ショートプログラムに続いてフリー演技が行われた。日本は、前回チャンピオンの高橋さんを始め代表3名がすべて最終グループの6人の中に入って演技をした。
 最終グループの演技前の練習スケーティングでは、高橋さんのジャンプの回転の速さ、まとまりフィギュア(figure)は群を抜いているように見えた。

 男子大会は、すでに前日のショートプログラムでカナダのチャンさんが世界歴代最高点を出して断然リードしている展開だ。高橋さんは13点近い大差を逆転すべく後半の演技構成を高得点用に変更してフリー演技に臨んだ。
 最終グループともなると、各スケーターは転倒などの大きなミスはまったく見られない実力揃いだ。

 4番目に演技の高橋さんは、演技スタート直後の4回転トーループをジャンプする際に、一瞬スローモーション映像のようにフワリと1回転して演技を中断する。
 審判席に向かい左足のスケート靴裏を見せてそのままリンク外に出た。スケート靴と刃の部分を止めるかかとのビスが外れたクシデントだった。

 コーチ、メンタル、テクニカルツールすべてがプロフェッショナルとして機能しているフィギュアスケートで、あってはならないアクシデントであった。
 楽器と同じように新しいからいいと言うものでもなくて、スケート靴も使いこなしたツールの熟成(mellow)を好んで使うのがプロフェッショナルの自然だ。
 他のスケーターでは演技中に靴ひもが切れるというアクシデントもあった。靴ひもひとつでも老朽化しても使い慣れたものにこだわる、神経を使うスポーツだ。

 フィギュアスケートの日本男子は、よくチームとしての和のよさが言われる。見た目とは別に、高橋さんのリーダーシップの役割の力もよく聞く。チームとしては小塚さん(22)が終始見事な演技を披露して日本チームの面目は示した。
 25才高橋さんは、ソチオリンピックを目指すという。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

会議は被災地で。 council on the disaster spot

2011-04-28 19:28:09 | 日記
 (1)「復興構想会議」が復興計画のガイドラインもない中、いきなり財源問題の復興税なるものを議長が言い出したものだから、構想会議の目的、趣旨に内部委員からも疑義が出て軌道修正がはかられた。
 復興との関わりで「原発」問題は避けて通れない中、当初「原発」問題を棚上げ(または取り扱わない)しようという提案もあった(報道)ようで、首相の「復興構想」へのスタンスが色濃く反映された事情が出たものだった。

 もちろん会議出席者からはこれらに異論が相次いだようで、終いには会議構成メンバーが多すぎて十分な発言、議論もままならない苦情が内部から漏れてきている始末だ。
 これも首相の「復興構想」へのスタンスのひとつの結果だが、幅広く意見を聞き反映するのは会議運営、運用上の技術的な対応問題だ。

 (2)何はともあれ「復興構想会議」がスタートした。大震災の復旧、復興支援は、政府が災害現地に近い周辺地域にいち早く支援行政センターを立ち上げて責任者をそこに常駐して、被災地と一体となった復旧、復興支援、情報発信体制が急務であった。
 東京「官邸」からの官房長官による被災感情に疎(うと)いあいまいな情報発信は、被災地、関係自治体、被災者からの信頼を得ることもできずに、被災地を訪れるたびに政府関係者は「頭」があがらない。

 (3)この認識線上の「復興構想会議」は、構成メンバーである大震災対応で現地情勢に奔走し、あるいは現地指揮の中心となって指示、協議、発信する立場の被災地関係自治体の首長(知事)を、わざわざ東京官邸に呼びつけて(表現は悪いが)の会議開催だ。違和感を持って見ていた。

 会議メンバーは、各界あげての(首相懇意の)有識者、学者で構成されているだけにこの不見識には賛同できない。見方によっては、被災地の「惨状」と一線を画した政治の中枢都市であらゆる予見、予断を排除した環境の中での本質的な復興論議を展開することも大切だと言えるが、また被災地現地でのひっ迫した事情、余裕、準備、体制負担への配慮もあるだろうが、前代未聞の大震災を前にして被災地、被災者との一体感の中での復興構想会議こそが国民合意の求められる姿勢だ。

 (4)大震災復旧時に関係自治体責任者が「現場」を離れることの重大性、影響力を考えれば、東京官邸に関係自治体の首長(知事)を呼びつけて復興構想会議を開催するのではなく、関係自治体の「現地」または周辺地域に「出向いて」の復興構想会議の開催(council on the disaster spot)こそが復旧、復興取組み意欲の高さ、責任あるメッセージを発信するものだ。

 そうであれば、いきなりの「復興増税論」とか、はなからの「原発はずし論」などの不見識論は出なかったのではないのか。5月連休中に復興構想会議メンバーは被災地の現地視察はする。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

県民所得データ。 inhabitants of prefecture income data

2011-04-27 19:50:05 | 日記
 (1)今更3年前(08年度)の県民所得(inhabitants of prefecture income)を発表されても、どう見たらいいのか、内閣府が一人当たり県民所得データを発表した。
 08年度と言うと9月に米国サブプライムローン破たんに端を発したリーマンショックが世界同時不況を引き起こして、100年に一度と言われる世界的金融危機が輸出産業が基幹の日本経済を直撃したデフレ円高不況の始まりだった。
 当然のように全国すべて県民所得が減少して(統計以来初めてのこと-内閣府)平均6%の減少となった。県民所得の全国平均が291万円だから15万円相当の減額となる。

 政治、経済活動の中枢が機能する東京(415万円-前年比9.5%減)、広範な自動車関連産業、製造業、地場産業が堅調な愛知(323万円-同10.8%減)、静岡(321万円)、神奈川(319万円)、大阪(300万円)と続き、12番目の栃木(291万円)が全国平均水準所得で、47都道府県のうち上位30%弱の高いレベルが所得平均値内という地方自治体、地域経済の全国一律的な経営基盤の地盤沈下、弱体化が見える。世界同時不況の直撃を受けて、地域間格差がイコール(equal)化されてきた。

 (2)神奈川、大阪の300万円そこそこレベルは、日本経済力をもう1ランク、2ランク、ステップアップさせるための改革課題と言える。
 かっては商業都市の大阪は、たとえばアクセスの悪い関空、伊丹のふたつの空港を有しているように経済効率に不合理性が目立ち、経済、商業、文化を含めたタウン構想にも展望、計画、統一性が見られない「雑然」とした不調和観のある都市構造だ。

 交通アクセスでも、東京、名古屋に比較して駅、その周辺の「雑然」さが目立ち、いかにも「使い勝手」の悪いブレーキ型都市構造機能という印象だ。東京に距離を置き、唯我の独自色の強い庶民生活が特徴の大阪人気質とも言えるが、それはそれとして次世代社会に向けてすぐれた経済、文化の「エネルギー」を機能化、純粋化、効率化できれば県(府)民所得もこのレベルではないはずだ。

 (3)九州、四国、東北、北海道は総じて連続して下位レベルに連なっている。首都圏からのアクセスの不利に加えて、「観光」以外に強力な産業経済力の展望のない結果だ。もちろん、その遠因としての「過疎化」も重要な課題だ。

 九州は今年3月に新幹線が全線開通して、州内1~2時間で結ばれて経済活動、動向にも活性化、変化を期待したい。経済が好調なアジアアクセスにも近く、今後の独自の九州経済圏の確立が期待できる。

 (4)日本経済は、東北、九州への工場進出のあとデフレ、円高対策として生産拠点の海外化にシフトして国内雇用不安が深刻化している。
 さらに今は、東日本大震災による東北太平洋一帯の経済活動壊滅からの復興という課題を持つ。
 この「ゼロ」からの全国力を結集した、スタートを活かした思想、理念、価値、生き方のグランドデザイン化の「変化」にこそ期待すべきものがある。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

議員のプライス。 price of a Diet man,woman

2011-04-26 19:29:48 | 日記
 (1)給与、報酬の策定、設定に整合性のある合理的な「根拠(foundation)」などあるはずもない。民間企業の初任給与は、企業経営の「利潤」追求に影響を与えずに負荷負担とならずに、世間一般と比較しても「やる気」を損なわない程度の適当なレベルのところで決めているのではないのか。公務員給与は人事院の勧告だ。

 ①名古屋市議会の議員報酬(price of a Diet man,woman)。政治は「ボランティア」と自認する市長が市民の圧倒的な支持で当選して、自ら市長報酬を年間800万円に削減して、議員にもそれまで年間1600万円の報酬を800万円に半減引き下げる市長提案を巡って、市長と市議会の不毛の非生産的な対立が続いていた。
 市民税10%恒久減税対立とあわせて政令指定都市として初めて市議会リコールが成立した要因となった。

 その結果、市長が代表の「減税日本」が市議会の第1党を占めて、さっそく議員報酬800万円の条例案を提出して、これに市議会野党の自民、民主両市議団は第三者機関で結論が出るまでの間の暫定800万円の独自案提出で対抗していた。

 ②ところが「減税日本」内部でも報酬800万円の中身構成(調査費、期末手当の取り扱い)について意見が分かれ、全員が「新人」の「減税日本」の議員は800万円の「根拠」を十分に説明できないとして条例案を取り下げ、これに野党も独自案を下げてしかし「市民の意思(選挙結果)」に今更逆行もできずに別途、議員立法で当面800万円にする特別条例とすることで合意した。

 ③外部から見ていると、なんとまわりくどい、わかりにくい、結局両者(市長側と議会側)傷つくことのない手打ちであたり障りなく市民の判断(選挙結果)を尊重せざるを得ない合意形成となった。

 そもそもそれまでの議員報酬1600万円にしたって、整合性のある合理的な「根拠」などありもせずに説明なども出来ずに、改訂「800万円」だけに「根拠」、「合理性」を求めるのもおかしな話だ。今回、東電役員も報酬の「半減」を表明した。半減の根拠などない。

 市財政のひっ迫、市民生活、市場経済の停滞を最大限考慮した市民収入レベルでの議員報酬策定の精度でいい「800万円」が、市民の意思だ。

 (2)民主党内から、前代未聞の大震災に原発事故の危機対応に「政治とカネ」の問題で処分中の元幹事長を起用すべきだ(挙党一致)との声が出ている。首相退陣を求める政治戦略のひとつなのだが、公然とした国会議員の国民軽視、無視の姿勢にはあきれるばかりだ。追い込まれた首相も、これに明確に反論もできない有り様だ。

 世論調査のたびに国民の80%近くが国政への復帰を望まない元幹事長への公然とした起用発言だ。

 (3)名古屋市議会はそれでも「市民の意思(選挙結果)」を尊重する。国会議員のこの無節操、自助努力の欠如が際立つばかりだ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする