(1)オリンピックをもしのぐ世界最大規模のスポーツイベントのサッカーW杯を主催するFIFA(国際サッカー連盟)の幹部7人が18年、22年のW杯大会開催地選考を巡る総額185億円の巨額の贈収賄容疑で米司法当局に逮捕(報道)された。
米国のマーケティング会社がからんだ贈収賄事件として米司法省が4年前から(報道)内偵をかさねての副会長を含むFIFA幹部7人の逮捕に踏み切った。
(2)サッカーW杯大会は巨額の広告権、放映権、スポンサー権を巡ってし烈な闘いがもうひとつのゲームイベントだ。FIFA執行部が選択権を一手に握っていて、これまでも開催地選定などで疑惑報道が伝えられてきた。
そのFIFAの会長を4期16年続け、さらに今回の総会選挙で5期目の就任となったのが本部のあるスイス出身のブラッター会長だ。これで20年間にわたって巨大な利権、利益が集中するFIFAのトップを務めることになった。
(3)世界の巨大、巨額の利権、利益が錯綜、集中するFIFAの会長任期については前回総会で多選(elect for many years)を禁止する提案が出されたが否決(報道)されていた。手に入れた膨大な利権、利益は簡単には手放さないということで、自浄努力に欠けてそれが巨額の汚職疑惑(suspicion of corruption)事件に発展した。
こうしたFIFAの体質について、米司法省が国内関連事業会社も含めて捜査を進めて証言、証拠をもとにFIFA幹部の逮捕に踏み切った。
FIFAのこれで20年に及ぶブラッター体制はブラッター氏を支持するサッカー後進圏のアフリカ、アジア勢とこれに反対するサッカー先進圏の欧州、南米勢の対立(報道)の構図だった。
(4)ブラッター会長はFIFAの膨大な資金力をサッカー後進圏のインフラ整備に投資して支持を取り付け、またW杯出場国枠の配分権で長期政権(これまでのFIFA会長も長期政権が多い)を築いてきた。AIIBの中国を見る思いだ。
今回のブラッター会長選出で、前回W杯ブラジル大会予選で1勝もできずに敗退でレベル低下が指摘されていたアジア枠も減ることもなく、従来通りの出場枠が確保(報道)されたといわれる。
アジアの日本も未確認情報ながらブラッター会長支持派でその見返りのような従来のアジア出場枠確保発表につながっている。
(5)これだけ巨大、巨額の利権、利益が錯綜、集中するFIFAの会長がこれまでも多選されるというのは、たとえその会長がいかに信望が厚く、運営に優れて有能であったとしても組織論からすれば不適切、不適合な体制といわざるを得ない。
世界の覇権国家として軍事、経済、社会でひとり誇示してきた米国も、世界の権力、情報が集中する大統領は2期8年までで制限されており、その理念の米国司法省がFIFAの膨大な資金力、汚職疑惑にメスを入れた。
(6)幹部逮捕後に5選されたブラッター会長に反省の弁がないのは、巨大組織の権威主義FIFAの変わらない体質を示している。疑惑解明と体質改善が求められている。
米国のマーケティング会社がからんだ贈収賄事件として米司法省が4年前から(報道)内偵をかさねての副会長を含むFIFA幹部7人の逮捕に踏み切った。
(2)サッカーW杯大会は巨額の広告権、放映権、スポンサー権を巡ってし烈な闘いがもうひとつのゲームイベントだ。FIFA執行部が選択権を一手に握っていて、これまでも開催地選定などで疑惑報道が伝えられてきた。
そのFIFAの会長を4期16年続け、さらに今回の総会選挙で5期目の就任となったのが本部のあるスイス出身のブラッター会長だ。これで20年間にわたって巨大な利権、利益が集中するFIFAのトップを務めることになった。
(3)世界の巨大、巨額の利権、利益が錯綜、集中するFIFAの会長任期については前回総会で多選(elect for many years)を禁止する提案が出されたが否決(報道)されていた。手に入れた膨大な利権、利益は簡単には手放さないということで、自浄努力に欠けてそれが巨額の汚職疑惑(suspicion of corruption)事件に発展した。
こうしたFIFAの体質について、米司法省が国内関連事業会社も含めて捜査を進めて証言、証拠をもとにFIFA幹部の逮捕に踏み切った。
FIFAのこれで20年に及ぶブラッター体制はブラッター氏を支持するサッカー後進圏のアフリカ、アジア勢とこれに反対するサッカー先進圏の欧州、南米勢の対立(報道)の構図だった。
(4)ブラッター会長はFIFAの膨大な資金力をサッカー後進圏のインフラ整備に投資して支持を取り付け、またW杯出場国枠の配分権で長期政権(これまでのFIFA会長も長期政権が多い)を築いてきた。AIIBの中国を見る思いだ。
今回のブラッター会長選出で、前回W杯ブラジル大会予選で1勝もできずに敗退でレベル低下が指摘されていたアジア枠も減ることもなく、従来通りの出場枠が確保(報道)されたといわれる。
アジアの日本も未確認情報ながらブラッター会長支持派でその見返りのような従来のアジア出場枠確保発表につながっている。
(5)これだけ巨大、巨額の利権、利益が錯綜、集中するFIFAの会長がこれまでも多選されるというのは、たとえその会長がいかに信望が厚く、運営に優れて有能であったとしても組織論からすれば不適切、不適合な体制といわざるを得ない。
世界の覇権国家として軍事、経済、社会でひとり誇示してきた米国も、世界の権力、情報が集中する大統領は2期8年までで制限されており、その理念の米国司法省がFIFAの膨大な資金力、汚職疑惑にメスを入れた。
(6)幹部逮捕後に5選されたブラッター会長に反省の弁がないのは、巨大組織の権威主義FIFAの変わらない体質を示している。疑惑解明と体質改善が求められている。