(1)アマチュアスポーツ界の指導方法について、従来見過ごしあるいは必要悪として是認されてきた「行き過ぎ」た指導法が社会問題化して、表舞台では「さわやか」を売りモノにしてきた春のセンバツ甲子園がちょっと不可思議な感性の中で開幕した。
今年は昨年春夏連覇の大阪桐蔭高が連覇チームの主力メンバーも残って史上初めての甲子園3連覇を目指す期待、話題性もあって、注目を集める全国高校野球選抜大会となった。
(2)情報化社会の成熟はトレーニング方法にも情報共有効果が出て、自然環境の変化、地域性をも克服、均整化して全国の高校野球の実力差も平均化して、その分勝負へのこだわりも各段に強くなってきた。
高校野球は教育の一環という位置づけにあるが、スポーツである以上勝負へのこだわりは緊迫感を生んで技術以上の精神性の高いプレー、作戦も見せて、スポーツ本来の醍醐味によるあるべきスタイルになってきたといえる。
(3)そしてその分、本来抗議権もなく試合中はグラウンドに立ち入らない伝統校の監督がグラウンド内に入り審判にプレー判定を確認(多分抗議ではなく)するという違反行為も見られ、特別枠出場校の実力を揶揄(やゆ)する監督発言も聞かれる勝利至上主義ともなってきた。
高校野球選手の体格はトレーニング改革で向上し、高校生でも150キロを超す投手もめずらしくなくなり、その潜在能力、技術力の向上、平均化による必然的に辿(たど)りつく勝負至上の結果大勢の中で、高校野球も「さわやか」ではなくなってきている。
(4)その大阪桐蔭高が昨日県岐阜商に逆転負けを喫して、史上初の3連覇の夢は消えた。9回裏にあわや一打同点の場面で、県岐阜商センターの見事なバックホームで相手校選手ランナー本塁手前数メートル先でボールはキャッチャーミットにおさまり、それでも相手校選手ランナーは猛然と本塁ベースを守るキャッチャー目がけて体当たりをした。
ボールは衝撃で飛ばされたキャッチャーのミットからこぼれて、あわやの場面になった。この一戦にかける高校生選手の必至でひたむきなプレーにも映る緊迫の場面ではあったが、判定は「守備妨害」でアウトとなりゲームセットとなった。
(5)このプロ野球では(特に米大リーグでは)ごく当たり前のしかし乱闘つきのラフプレーも、日本アマチュア野球では「ある伏線」で昨年に「危険防止ルール」が制定されて、落球しても危険行為としてアウトとすることになった。
昨年の18才以下世界選手権野球大会で、米国チームの走者がホーム突入で日本代表の大阪桐蔭高捕手を2度も突き飛ばして生還した象徴的なプレーがあった(当時ニュースでも取り上げられて話題になった)。
野球文化の違いからくるものだったが「このプレー(rough play)」に日本側は強烈な違和感を持った。
(6)その時のいわば「被害者」が今年もセンバツに出場した大阪桐蔭高の選手であり、同じシーンで今度は逆に日本アマチュア野球では禁止されているラフプレーを自ら実行、再現したことがパラドックス(paradox)として高校野球がすでに「必至さ」、「ひたむきさ」ではなく勝利至上主義であることを映しだしていた。
もうひとつのパラドックスとしての伏線、暗示(suggestibility)があった。乱闘がなかっただけ教育の一環ということか。
今年は昨年春夏連覇の大阪桐蔭高が連覇チームの主力メンバーも残って史上初めての甲子園3連覇を目指す期待、話題性もあって、注目を集める全国高校野球選抜大会となった。
(2)情報化社会の成熟はトレーニング方法にも情報共有効果が出て、自然環境の変化、地域性をも克服、均整化して全国の高校野球の実力差も平均化して、その分勝負へのこだわりも各段に強くなってきた。
高校野球は教育の一環という位置づけにあるが、スポーツである以上勝負へのこだわりは緊迫感を生んで技術以上の精神性の高いプレー、作戦も見せて、スポーツ本来の醍醐味によるあるべきスタイルになってきたといえる。
(3)そしてその分、本来抗議権もなく試合中はグラウンドに立ち入らない伝統校の監督がグラウンド内に入り審判にプレー判定を確認(多分抗議ではなく)するという違反行為も見られ、特別枠出場校の実力を揶揄(やゆ)する監督発言も聞かれる勝利至上主義ともなってきた。
高校野球選手の体格はトレーニング改革で向上し、高校生でも150キロを超す投手もめずらしくなくなり、その潜在能力、技術力の向上、平均化による必然的に辿(たど)りつく勝負至上の結果大勢の中で、高校野球も「さわやか」ではなくなってきている。
(4)その大阪桐蔭高が昨日県岐阜商に逆転負けを喫して、史上初の3連覇の夢は消えた。9回裏にあわや一打同点の場面で、県岐阜商センターの見事なバックホームで相手校選手ランナー本塁手前数メートル先でボールはキャッチャーミットにおさまり、それでも相手校選手ランナーは猛然と本塁ベースを守るキャッチャー目がけて体当たりをした。
ボールは衝撃で飛ばされたキャッチャーのミットからこぼれて、あわやの場面になった。この一戦にかける高校生選手の必至でひたむきなプレーにも映る緊迫の場面ではあったが、判定は「守備妨害」でアウトとなりゲームセットとなった。
(5)このプロ野球では(特に米大リーグでは)ごく当たり前のしかし乱闘つきのラフプレーも、日本アマチュア野球では「ある伏線」で昨年に「危険防止ルール」が制定されて、落球しても危険行為としてアウトとすることになった。
昨年の18才以下世界選手権野球大会で、米国チームの走者がホーム突入で日本代表の大阪桐蔭高捕手を2度も突き飛ばして生還した象徴的なプレーがあった(当時ニュースでも取り上げられて話題になった)。
野球文化の違いからくるものだったが「このプレー(rough play)」に日本側は強烈な違和感を持った。
(6)その時のいわば「被害者」が今年もセンバツに出場した大阪桐蔭高の選手であり、同じシーンで今度は逆に日本アマチュア野球では禁止されているラフプレーを自ら実行、再現したことがパラドックス(paradox)として高校野球がすでに「必至さ」、「ひたむきさ」ではなく勝利至上主義であることを映しだしていた。
もうひとつのパラドックスとしての伏線、暗示(suggestibility)があった。乱闘がなかっただけ教育の一環ということか。