いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

景気対策。 a counterplot of the times

2019-01-31 20:00:37 | 日記
 (1)安倍首相は今通常国会の冒頭演説で10月の消費税10%引き上げに理解を求めた。前回8%引き上げによる景気低迷を受けて、今回は「消費増税分をすべて国民に還元する」(安倍発言)2兆円規模の対策費を来年度予算案に計上しており、消費増税がこれまでの財政健全化対策ではなく教育の無償化にあてると明言している。

 国民からの納税投資はすべて国民に還元するというのも、それはそれでうなずけるものだ。しかし菅官房長官は今のところは消費増税に検討すべき慎重な発言をしており、戦後最長の景気拡大と発表しながら今年の統一地方選、参院選を念頭に置いてのもの、意識してのものなのだろう。

 (2)通常国会では来年度予算案の景気対策について、立憲民主党の枝野幸男代表は「制度を利用できない人が少なからずいるから不公正を拡大する」(報道)として政府の消費増税にかかわる景気対策、消費増税実施に反対の意向を表明している。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は消費増税分をすべて国民に還元するという安倍首相に対して「さらにお釣が来るというが、それなら増税をやめた方がましだ」(同)と批判した。

 (3)本来の財政健全化対策ではなく今回の安倍首相の消費増税で増税分をすべて国民に還元するというやり方もあたり前のことではあるが、玉木代表の批判のように釈然としない選挙対策という意味、意図が強いもので、国民にすべて還元するというものが税の本質とはいえ、取られるのは国民全体で還元されるのは国民全体とはいかないところが問題だ。

 (4)来年度予算案は消費増税による景気対策費2兆円を含めて初めて100兆円を超える大型予算案となっており、本来は1000兆円を超える国家財政累積赤字対策として財政健全化対策にあてるべき消費増税であり、これまでの歴代政権の無策、放漫財政のツケ、責任ではあるが、国、国民としては財政赤字解消のために計画的に負担をしていかなければ将来国、政治がなりゆかない非常事態の財政事情にある。

 (5)もちろんこれは安倍首相が言うように現世代の責任で解決して次世代に負担問題を先送りしないという規模のものではなく、いつ、どの世代が、どれだけ負担していくのかの問題でその展望に立った財政健全化計画でなければ現世代の国民にだけ歴代政権の不作為、無作為責任を押し付け、転嫁されてはたまったものではない。

 安倍首相は今年の集中した選挙対策として消費増税分を教育の無償化ですべて国民に還元するとしているが、景気対策費として2兆円規模の対策費を予算化してまで消費増税を実施するとは非常にわかりにくい、玉木代表の言うように「それなら増税をやめた方がましだ」となる。

 (6)野党は勤労統計の不正問題で賃金ののび率が不正確、不確定で政府の言う戦後最長の景気拡大が揺らいでおり、国民消費者にも実感できない景気拡大だとして消費増税に反対を強めている。

 安倍首相の消費増税の使途、対策が本来必要なものとなっていないことが理解には問題で、それと現在の国家財政の現状を考えるならば財政健全化対策は急務であり、次世代を含めて負担計画を示して現世代として必要な消費増税負担はやむを得ずに避けられない。

 (7)そのためには国会改革(議員報酬、定員削減)は大前提だ。

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戦後最長。 maximum length after the war

2019-01-30 20:29:00 | 日記
 (1)政府は2012年12月に始まった景気拡大が戦後最長(maximum length after the war)になったとみられるとの認識を示した。2012年12月といえば前民主党政権に代わって安倍第2次政権が発足した時で、その後のアベノミクス効果による景気拡大を強調してのものだろう。

 政府も「(戦後最長になったと)みられる」と言っているから希望的観測の領域であり、GDP成長率がわずかでもプラス成長に維持されているからだろうが、その成長率も過去の景気拡大期に比べれば低下(報道)しており、いつもながら国民消費者にとっては「実感なき景気拡大」でしかない。

 (2)安倍政権の官邸主導の4年連続の値上げも大企業中心のもので、日本経済の大多数を占める中小企業には波及せずに労働者の実質賃金の伸び率はこれも過去に比べて低く(報道)、国民消費者にとっては景気拡大が実感できない要因だ。

 景気拡大が戦後最長になったと「みなされる」といいながら、その間に生活保護者、世帯は増加を続けているというのはどういう関連性と考えればいいのか。国の統計判断、分析に問題があるのか、生活保護者、世帯に問題があるのか。

 (3)アベノミクス、大胆な金融緩和策は円安株高効果を生んで輸出産業、主要企業、富裕層には有利に働いて、海外からの原材料輸入の高騰を招いて国民消費者には実質賃金の目減りにつながり、経済分断、格差社会をつくりだしている。

 政府の戦後最長の景気拡大礼賛と国民消費者の実感なき景気拡大とそれぞれの向き合う見方、先がまるで違っていることが問題だ。

 (4)政府の大企業、富裕層に向けた顔と国民消費者の実質賃金目減り消費社会に向けられた現実との分断、格差だ。戦後最長の景気拡大を実証、支えているのは企業の500兆円ともいわれる膨大な過去最高の内部留保であり、これらが経済社会に適正に還元されなければ国民消費者の景気拡大の実感は乏しいものになるだけだ。

 (5)安倍首相は今通常国会の冒頭演説でアベノミクス経済効果、政策を自画自賛してみせたが、これまでの羅列で目新しいものはなくこれからの成長戦略に期待はみられずに頼りの経済成長、政策に不安を抱えて、数字だけの戦後最長の景気拡大もそろそろ転換点を迎えそうな気配だ。

 2年続きの政府への疑惑、不正追求の通常国会での政治の劣化、低下を指摘したが、安倍政権、政府の大企業、富裕層を向いて都合のいい統計、数字を強調、駆使して自画自賛し国民消費者の実態、実感とかけ離れた分断、格差社会に目を向けない政治姿勢には信頼と信用が置けない。

 (6)米国ではトランプ大統領の壁建設予算にこだわる議会対立、予算執行停止による連邦政府の一部機関閉鎖の損失が110憶ドル(1兆2千億円)といわれて、壁建設費57憶ドルの倍近くになってこれならすんなり壁建設予算を通しておけばよかったというパロディになりかねない事態だ。

 これもトランプ政権、野党民主党双方の数字、金額上の損得問題というわけにもいかずに、おかしな比較現象が起きている。

 (7)統計、数字が独り歩きして、政治が都合よく利用する国、社会というのはおかしなもので、本当の統計、数字から見える弱者に目を向けた少しはまともな政治、社会体制が見れないものかと思う。

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本当に良いもの。 genuine something fine

2019-01-29 20:10:15 | 日記
 (1)2018年の書籍と雑誌の推定販売額がピーク(1996年)から半分(報道)に減った。報道でも書籍と雑誌を一緒にはできない事情もあり、書籍は話題本の出版も多いが雑誌の廃刊は相次いでいる。

 新聞も若者中心に読まれなくなり世界的な経営難時代が続く。情報化時代、社会で情報はデジタル、タブレットから取得する社会構造の変革が主な原因だが、仮にこの世から紙ベースの新聞、書籍、雑誌もなくなったらどういう社会生活になるのか、なかなか想像するのはむずかしい。

 (2)記録も資料も乏しくなり考える力、想像する力、比較する力、創作する力など人間のポジティブ(positive)な思慮、思考能力の刺激、自立がなくなり減退、衰退するのではないのかと危惧する。

 本来好奇心の強い、固まりの人間性を持つので、その分何かほかの社会性に対して関心、興味をみつけまったくあたらしい行動を起こすことも十分考えられるから、それはそれで思想、情報革命となることはある。

 (3)そのひとつがデジオタル、タブレット文化であり高度高速通信技術、システム化でいつ、どこでも、どことでも早く意思疎通、情報伝達が可能で、多種、多様な情報取得が可能な文化をつくりあげた。

 それがいちいち手でページをめくって読む紙ベースの活字文化の後退につながっている。新聞、書籍類の紙ベースの情報は記録性、資料性、解説、解析性、書き込みさらに装飾性ついでに踏み台にもなって多様な特性、使い道はあると書いたが、冒頭のようにピーク時から販売額が半減しているデータを見るところでは、今日的時代、社会ではその価値観があまり必要とされていない傾向が示されている。

 (4)その傾向、流れから書店の数も減少して、ただし品揃えの特色、配置をいかしたあたらしいブック・クオリティ・スタイルの書店も注目されて登場しており、あたらしい試みもみられる。

 中高生の読書離れも学校教育での読書見直し指導により一定の成果、改善がみられて、紙ベースの書籍類復活には後押しのいい傾向もみられる。
 紙ベースの活字文化が廃(すた)れた社会の弊害を書いたが、読むことは書くことにつながり、読むことにより書くことの意味、意義がより人間性の能力、構成、向上により刺激的(incentive)であると考える。

 (5)読むことは多様な題材をかき集めようとすれば相当の量が必要であり、それが基本ではあるが書くことにより量を情報として分類、分析、整理して自ら構成、編集することが可能であり、独自の情報をつくりあげることができる。

 読むことは受動態、的、であり、書くことは能動態、的であり、書くことはよりポジティブに刺激性が強いといえる。

 (6)書籍の文化も骨のある硬派の強い作家の登場が待たれて、必要で、文豪と評される作家の登場が必要だ。そういう作家を育てることも文壇社会の重要で大切だが、それが年2回も芥川、直木賞を選考して新聞広告でタレントまがいの書籍宣伝をするという軽さがふさわしいのか考えさせられる。

 書籍が商品化して権威と結びついて、賞として評価される今日的書籍文明論が書籍価値を下げている原因でもある。文壇社会も骨のある硬派の強い文豪作風、作家開拓にふさわしい方法論(methodology)を考えなければならない。

 (7)紙ベースの新聞、書籍類のない世界など想像できない弊害も多い社会であることは書いたが、本当の危機というのは情報化時代、社会の中での被害意識のほうであり、考え方によっては書籍類の販売が半減したことにより本当に良いもの(genuine something fine)が残ったともいえる。

 本来タブレット文化と紙ベースの新聞、書籍類は別物であり共存できるものである。

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政治のターニングポイント治療。 medical treatment at turning point in politics

2019-01-28 20:33:04 | 日記
 (1)通常国会が召集されて政治の季節が始まる。日韓元徴用工、レーダー照射問題に厚労省の毎月勤労統計不正問題が連日社会を騒がせて、昨年の森友、加計問題で揺れた通常国会の再現を思わせるもので政治の劣化、低下はさらに深刻度を増している。

 昨年来の財務省の公文書偽造、不適切管理、法務省の外国人技能実習生の把握不足、不備、今回の厚労省の勤労統計不正と続く流れは、政治が政府の思惑(忖度)どおりにつくりかえられるという議会制民主主義の破たん、危機を国民の前にさらけだす結果となり、国民への信頼を裏切るものとなった。

 (2)安倍首相のその都度の口先釈明政治は政治の停滞を招いて、任期残り3年でボディブローのように劣化、低下の影響、負担を深めていくだろう。
 外交でロシアとの北方4島返還問題はプーチン大統領とのたび重なる首脳会談で解決を急ぐ安倍首相が2島返還+経済協力方針に切り替えたと伝えられて、これにロシア側は戦後法的に北方4島はロシア領になったことを日本側が認めるよう攻勢に出て、安倍首相の思惑どおりには進まずに交渉長期化が見込まれる事態だ。

 (3)安倍首相の日本固有の領土の北方4島返還の2島返還+経済協力姿勢も問われることになる。安倍首相が戦後総括決算と位置付ける憲法改正論議の出番は考えられない政府対応の問題山積で窮屈な日程の通常国会だ。

 来年度予算案も毎月勤労統計の不正、追い打ちをかける身内の厚労省内の特別監察委員会による緩んだ調査の核心問題の解明がすまなければ来年度予算の審議に応じない構えの野党攻勢で波乱が予想される。

 (4)04年から不正が行われて当時の調査データも破棄されたものもあり回復は困難で、自民党内からも歴代厚労相の監督責任を問う声もあるが、それなら歴代首相の任命責任も問われなければならない。

 こういう政治危機、破たん状況を迎えて安倍内閣支持率がそうは後退しない不思議な小市民的国民意識(the petite bourgeoisie)の社会構造だが、夏の参院選でどういう判断が下されるのか結果によってはこれまでの政治危機、破たんが顕在問題化して安倍政権への批判となって噴出してあと3年を待たずとも安倍政権の危機を迎えることも考えられる。

 (5)さすがに弱小野党に政権が移るという政治状況ではないので、自民党内での政権交代の流れも加速する可能性はある。安倍政権もあと3年となって後がない。
 10月の消費税10%引き上げがどうなるのか(通常国会冒頭、安倍首相は引き上げに理解を求めた)、その後の政権構想、交代も含めて重要な判断問題となり政策の継続性も含めて政治的混乱、危機の立て直しができるのか、政治の季節のターニングポイントを迎えることも考えられる。

 (6)米国のトランプ大統領、政権がどうなっているのか、日韓関係、北朝鮮問題がどうなっているのか、米中貿易戦争、米国の関税強化策による世界経済がどうなっているのか不透明な部分もあり、5月の新元号によるあたらしい時代の日本としても厳しい政治劣化、低下の影響を受けることになる。

 2020年東京五輪開催を控えて2019年の国内政治は安定が求められて、通常国会終了、参院選が政治の季節のターニングポイントになる。昨年、今年と2年続きの政治の混乱、停滞の影響は大きく、早めの治療(medical treatment)は必要なところにきている。
 

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考え方改革。 innovation of thinking method

2019-01-26 19:55:13 | 日記
 (1)最近は「教育」とは何かを考えさせられることが増えた。初等、中等義務教育で教員の長時間労働のへい害が指摘されて、あれこれと外部発注、委託を増やすことが報じられている。
 政府は長時間労働による過労死問題を受けて、働き方改革関連法を施行して長時間労働の規制強化、対策に乗り出している。

 (2)本来、働き方などは労使間の自由、自主、自立性の関係問題であり、政治が口出しするような問題ではないが、労使関係の立場の力関係が働いて企業、事業利益優先のために長時間労働が強制されて過労死が社会問題となって、一体国民は何のために就職して労働しているのかわからない社会思想体系になってしまっている。

 (3)そういう意味からも働きたい時に働いて、遊びたい時に遊ぶという若者層の自由な生き方のフリーター理念は、働く意味、働き方を考えさせられる自由、自主、自立の生活スタイルでもあり(もちろんやむを得ずにフリーターということもある)、進歩した考え方であるともいえる。

 こういう進歩した若者層の働き方改革は国、社会にとっては成長戦略の力にならないので、ある意味勝手に正規雇用に振り替えるなどと便宜をはかっているが若者層からしてみればありがたいことなのか、よくよく考えてみるのもいいだろう。

 (4)もちろんこれで日本の国、社会として将来の持続可能(sustainability)な成長、安定がはかられるのか問題もあきらかだが、フリーターなど非正規雇用スタイルをいかした、前提とした労働社会制度を変革、改革、革命社会に結びつけて「文化」、「資本」として有効に機能すれば、それはそれで新時代をつくり上げることもある。

 (5)そこで冒頭の教育論だが、戦後の団塊世代を抱えた義務教育は1クラス50人以上で10数クラス体制が続いた。教員は教室内に専用の仕事机を置いて昼食も生徒と一緒に食事をしていた。

 授業後も生徒が机、いすを動かして教室、廊下、校庭を区分けして清掃をして夕方に帰宅した。

 (6)教育を考えるときに、よく学校で学んだことは社会に出たら使いものにならないと比喩的に言われることがあるが(もちろん比喩にすぎない)、知識欲、学習欲とともに教員と生徒の日常生活を通した交流、休み時間の共有作業、協力、働く大切さを実体験して学ぶ一体性が子どもの成長に重要な役割を占めてきた。教育思想のバランスの良さが根底にあり、発揮されてきた。

 (7)中教審は義務教育での教員の今日的長時間労働の負担軽減として、部活指導、校内清掃、休み時間の対応、授業準備資料を外部発注、委託して教員の長時間労働を短縮する働き方改革の実施策を文科相に答申した。

 団塊世代の1クラス50人以上で10数クラス体制時代と今日的な1クラス20~30人で数クラス体制時代と教員の仕事、任務がどう増えて変わったのかわからないが、まるで高利益追求、効率化主義の企業抜けかけ論理のような中教審の教育理念で、これで生徒の成長を促すまともな教育ができるのか、必要なのは「考え方改革」(innovation of thinking method)なのは言うまでもない。
 

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