雑種犬「風(ふう)」のひとりごと

元保護犬でセラピー犬風愛(ふあ)8歳とパピーの鈴々(すず)の楽しい毎日を575で綴ります。天国の鈴ちゃんの話も出るよ

「思いやり」 育つ心の ヒントかな

2012-03-18 12:17:39 | 風ママの研究&学会ネタ・わんこニュース
幼稚園の保育者、つまり先生によって、

子どもたちが動物好きになったり

動物が苦手になったりする。


そんな内容の発表が、先日行って来た学会の発表の中にありました。


これは、帝京科学大学こども学部の木場有紀さんが代表で発表した

「保育者を目指す教育系学生が卒業論文研究を通して見た幼稚園のウサギ」

というタイトルの口頭発表です。



私は、聞いていてとっても興味深かったです。




ここに書くのは、発表の内容を聞いて、私が思ったことです。

聞いてメモしていたことや、ぼやっとしていて詳細が違っているかもしれませんが

だいたいこのような内容でした。


ウサギを飼育しているA幼稚園とB幼稚園。

どちらも園児が飼育当番しているのですが

その状況が明らかに違っていたそうです。


A園のウサギのスペースは、キレイで水もエサも新鮮なものが並び

ウサギ自体も毛艶がよくて健康そう。そして、園児が積極的にウサギの飼育に参加し

当番になるのが待ちどうしいと言い、

園児はウサギを優しく丁寧に扱い、みんながウサギを大切にしていた。



B園のウサギのスペースは、清潔とはいえずエサのキャベツが腐敗していおり、

園児はウサギを乱暴に扱うシーンも見られた。

ウサギの飼育当番の仕事であるウサギ小屋の掃除もイヤイヤやっている感じがあり、

ウサギが恐い園児もみられた。


この2つの幼稚園の違いは、どこで出たのでしょう?


A園では、毎朝 当番の園児数名と担当の保育者(幼稚園の先生)1名が、

30~40分間、ウサギの世話をしていて

その間ずっと、担当の保育者がいっしょにいて、作業をしているそうです。

掃除や水やエサの取り換えも、園児がおこなっていて、

保育者は常に園児に声かけを行っていたそうです。


それも「ウサギさんの気持ちを考えて、行動する」ということを促すような声がけだったそう。


多分「これで、ウサギさん。おいしいご飯が食べれるね」

「キレイになって、ウサギさん、気持ちよく過ごせるね」

ウサギさんの抱き方なども、ちゃんと教えて、上手にできたら園児を褒める・・・。

そういうことが行われていたんじゃないでしょうか?




対して、B園は

昼食後の20分間が、飼育当番活動の時間になっていて

当番の園児は、ウサギ小屋の掃除と、水やエサの取り換えを中心におこなっていた。

しかし、担当の保育者は、作業の進捗状況を確認するために数分だけ、

ウサギ小屋に立ち寄るだけで、特に指導もなく、

大半は園児だけの状態だったそうです。


園児たちは、当番だからしかたなくやっている感が強く、積極性もみられなかったみたいです。



詳しく調査すると、A園の保育者は

ウサギの飼育当番について年間計画を立て、

「ウサギ飼育を通して、園児に何を学ばせたいか」という目的意識がはっきりとあって

自身もウサギ飼育に関する知識が必要だと思って勉強していたらしいんです。


だからこそ、園児がウサギに興味を持つように、常に声がけをしていて

「ウサギさんの気持ちを考えて、園児が自ら行動する」ように心がけていたそうです。



対して、B園は保育者の目的意識がはっきりとしておらず、自身のウサギ飼育に対する知識もあまりないように見受けられたそうです。




例えば、ウサギのエサをみても、B園ではニンジンとキャベツだけで

なぜそれを与えているのかは、慣習によるものだったよう。

それも腐敗していても、ほったらかしだったり・・・。



しかし、A園は、「ウサギさんって、何を食べるのか考えてみよう」という場をもうけ

幼稚園児みんなで話し合ったそうです。

多くの候補の食べ物が出た中から、適切だと思われる数種類の野菜と、リンゴなどの果物も用意。

「ウサギさんの健康のためだ」と思うから、園児たちも面倒がらずに準備するそうです。


また、寒い日はA園では、ウサギ小屋に風よけのビニールシートが園児たちによって覆われます。

これも、「これから寒くなるけれど、ウサギさんが寒くないようにするには、どうしてあげたらいいかな?」という保育者の言葉に

園児たちが話し合い、いろんな意見が出た中で、園児たちが決定したことだそうです。


だから、みんながその作業もすすんでやってくれるようです。





また、A園でも、B園でも、ウサギが園児の手を咬む事件があったそうです。

B園では「きっとウサギさんは、エサと間違えて咬んだのね」という説明がされ

園児たちは、ウサギは、手とエサの区別ができなくて、いつ咬まれるかわからない存在だと

思うようになり、ウサギが苦手、恐い、飼育当番がイヤだという園児が増えて行ったようです。



A園では、ウサギの目の付き方が人間とは違っていて、

  顔の真正面だと見えないことを教え、

  そこに手を出さないをように気をつければ大丈夫だと教えたそうです。

すると園児たちも納得して、ウサギが苦手、恐い、飼育当番がイヤだという園児は全くいなかったとか。

発表では
「ウサギが不適切な飼育をされている場では、子どもたちの心は育たない」と

締めくくられていました。


(昨夜は、甘えっ子で爪切り後もママのお膝にべったりだった風ちゃん)

「ウサギの幸せ」を考えられるようになれば、子どもたちの心はとてもいい方向に育っているってことになると思います。



私は、話を聞きながら、自分が小学校の時にウサギの飼育当番をしたことがあるけど

何も教わらず、B園タイプだったなーと思い出しました。


幼稚園や小学校などで、よく「命の大切さ」「動物への思いやり」を教えるために、

ウサギを飼育しているって、話を聞くけれど

ただ、義務でやっているだけだと、逆効果ってこともあるのよねー。



実は、この発表を聞いた後で、一昨日のブログに書いた熊本市の「殺処分ゼロを目指して」のシンポジウムを聞いたんです。


私は「あれ?この2つの話って、すごく共通しているんじゃないかな」と思いました。


それまでの熊本市の動物愛護センターの状況は、B園といっしょ。

市民は、B園の園児のようなもので「やりなさい」と言われたことを、ただ義務としてやっていただけ。


それが松本さんという「いっしょに考えて、できることをやっていきましょう!!」という

人の出現で、A園の園児のように「自ら考えて、自ら行動する」ように変わっていったのでは?

と思うんです。


もちろん、みんなが好き勝手に考えて、好き勝手に行動しては


A園も、熊本市の動物愛護センターもトラブルだらけになっていたかもしれません。


きちんとした知識があり、計画を立てられる中心人物がいて、導いてくれたからこと

今があるんじゃないでしょうか?!



それにこの2つに共通するのは、動物への愛。

A園の園児も、熊本市民も

ウサギや犬の幸せを考えることのできる「思いやりのある心が育っている」ということでは、ないかしら?!


多分、A園のような幼稚園がどんどんと増えて行けば、

心がちゃんと育った園児が大人になり、

きっと殺処分なんて、なくなるのでは?


と、私は期待しています。




(おもちゃを2つキープしたまま、テレビを真剣に見ている鈴ちゃん)




最後まで、読んでくださって、ありがとうございます。

本当に学会に参加すると勉強になることがいっぱいです。


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