雑種犬「風(ふう)」のひとりごと

元保護犬でセラピー犬風愛(ふあ)8歳とパピーの鈴々(すず)の楽しい毎日を575で綴ります。天国の鈴ちゃんの話も出るよ

今になり 鈴の出生 想像し…

2012-10-17 11:39:19 | 愛犬風愛(ふあ)と鈴々(すず)の日常
子犬の頃の鈴ちゃんも、かわいかったけど。


最近、ますます可愛くてたまんない気持ちになる鈴ちゃん。


もちろん、風もかわいいんだけれど、風に対する環状と鈴に対する感情は、また違っている。


風は、かわいいけれど、頼もしいし、安心感があるし、いっしょにいてとっても心地いい。


鈴の方は、「私が守ってあげなきゃ」ってめっちゃ母性本能が出て来る可愛さなんです。


風にとっても私は、ママだけど

風の場合は、若い頃も、私が守らなきゃ、私が手取り足取り教えてあげなきゃ・・なんて気持ちはほとんどなかった。

どちらかというと、私が風にいろんなことを教えてもらっていた感じ。

正直、ほっといても大丈夫だし、我慢強く、自分で考える能力を備えていたから。



でも、鈴は精神的にとっても、かよわくて。

どうしたらいいのかわからなくて、困ってしまってビィピィ泣く。


すると「鈴、お母ちゃんのところにおいで!!」ってすぐに、手を差し伸べたくなる。


初めてのことに、ワクワクする風ちゃん。

初めてのことに、不安でいっぱいになる鈴ちゃん。


性格の違いといえば、それまでだけど

犬は、学習を生業(なりわい)とする動物。

学ぶこと、経験することで、変われるのは、人間といっしょ。



そう思って、毎日の生活を工夫しています。



鈴がうちにきたのは、昨年の1月31日。

もうその時点で、人間恐怖症で、外の世界すべてに恐怖感を持っていました。


それからのことは、このブログにも綴っているし、


うちに来る直前までいた、保護主さんのお宅で暮らしていた時の話は、
Re:startさんのブログ「笑顔い~~っぱい」の「うた」雑種犬で、見ることができます。


で、その前がとある施設の殺処分ブース。

前年の12月末には、存在を見かけたって、保護主さんがおっしゃっていたので、

捕獲されたのが多分、12月中~下旬かも・・・。


どこで捕獲されたのかなどの情報は、全然わからないけれど

その施設にいる間は、ずっと人間を怖がり、動けず


人間がいたら、何もできない、何も食べられない状態だったようです。



私は、鈴と暮らし始めて、異様な怖がり方にビックリ。

私と、風ちゃんに対しては、なぜか最初から

心を許している感じで、寄って来るし

おてんば前回だったけど



ふと恐怖を感じると、その度に脱糞して…。


当初は、会社から帰ってきて、目の前で着替えるパパにも脱糞。


お向かいの奥さんに頭を撫でられて脱糞。

ヤクルトさんのバイクが近づいて来て脱糞。

新幹線の通る音で脱糞。



それをひとつひとつ丁寧に、大丈夫だよって教えて行きました。




でもまだ、2歳になった今も、苦手なもの、非常に恐怖行動を示すものがあります。

それは…
●自分に向かってくる人。ただし、犬連れの人はOK。
●エンジン音
●悲痛な犬の鳴き声

この他、今は随分克服できたけれど、うちに来た頃は、異様な拒否行動をとったものが
●金属ケージ
●ペンキを塗ったコンクリートの床
●チキン

これらの苦手意識と

そして、ついつい茂みに入って、そこで寝ちゃうクセから、鈴の出生を想像してみました。



この話はフィクションです。




そこは、樹木が多く、草がいっぱいの自然あふれる静かな場所。

背の高い草の茂みの中で、鈴ちゃんは産まれました。

引っ込み思案の鈴ちゃんは、寝床である茂みの中から、なかなか出て行かず


母犬と、兄弟犬とじゃれたりして過ごしていました。

よちよち歩き出して、好奇心旺盛な兄弟犬が茂みの外へ出て、うろうろお散歩。


それがたまたま散策に来ていた人の目に止まりました。

「わぁ、子犬がこんなところで産まれているのね。保健所に通報しなくっちゃ」。




ある日、茂みの中で、鈴ちゃんたちが寝ていると


聞いたこともない轟音が。


車のエンジン音です。


鈴は、恐くて茂みの中でかたまっていました。

母犬は、ワンワン大声で吠え、子犬たちを守ろうと威嚇しました。


「おい、ここだここだ!!犬が吠えている」「こいつが母犬かぁ」

「きっとお腹も空いているだろうから、チキンを与えて、食べている間に捕獲だ」。

「あっ、子犬が逃げたぞ」「おっ、こっちにも子犬が」


鈴にとっては、初めて聞く車のエンジン音。


そして、初めて聞く人間の声。


それは、恐怖以外の何ものでもありませんでした。


「キャイン!キャイン」「ガウウウウウっ」母犬や兄弟犬の抵抗の声が聞こえます。


「おっ、母犬に逃げられたぞ」

「寝床は、この茂みの中かぁ~」

「おっと、ここにもまだ子犬がいるぞ!!」


その時、茂みをかきわけ入ってきたのが、鈴が見たはじめての人間。


鈴は、恐怖のあまり、腰を抜かし、震えて全く動けませんでした。

「はい。子犬捕獲!!」


そして、鈴はトラックに乗せられ、とある施設に連れて行かれたのです。


そこには、大好きな母犬の姿はありません。

ペンキを塗ったコンクリートの上に置かれた金属ケージ。

その中に入れられた鈴は、恐くて恐くて、ケージのスミでただじっとしているだけ。


世話をする人間がときどき、その部屋に入ってくるのですが

自分を殺しにやってきていると思い、何も口にできなかった。






そんな感じだったのでは?と思います。



鈴にとっては、この一連のことは、まさに「悪夢」。


ときどき、ちょっとしたきっかけで、大好きな自然の中にいても、

その時のことが思い出されてしまうのか

ブルブル震えることがあります。




でもね。

楽しいことがどんどん増えている鈴ちゃん。

そのうち、自分に自信がついて、いろんな経験をしていくうちに、赤ちゃん犬の頃のそんな出来事も

きっと思い出さなくなるはず。





うちの家は、中学校の校舎のすぐ近くて、

お向かいさんの家の向こうが、中学校の校舎。

気候のいいこの時期は、窓を開けているようで、お昼休みともなれば、かなりの騒がしさ。


でも、鈴ちゃん

そんな時もカーポートの横に出て、しっぽフリフリ過ごしています。


これを見ただけでも、やっぱ成長を感じます。




愛すべき、鈴ちゃん。

これからもよろしくね。



風ちゃんは、今までいっぱいいろんなことを経験して、学習してくれているから
後は、健康で長生きすること。

それだけかなぁ。





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