The orthodox civilization is the festival politics of Japan

「安藤真の『世界文明の正統は』」の続き、祭政は人間中心を超え物質文明を越える、これを受け継いでいるのが日本の伝統と文化

One light of Catholic Zen 14

2019-10-17 09:08:29 | 世界経済

 お勝手で話し声、やがて御前さまの夫人が、
 「この方のお子さんが 今日明日なの 行っておやり」

 山国のきびしい生活は子供の身体にあらわれていて、中学生になっても小学生の体格、それでも五体満足ならいい、背骨の曲がってしまった少女がいた。

 「ごめんなさい ごめんなさい」
 白い顔が紅潮している、
 「なんて 清らかなんだろう」
 苦しい息で、
 「あたし あたし」
 「生まれてきてよかったと思ってるの 生まれてきてよかったと・・・」

 「どうだった」
 「だめみたい」
 すると、老婦人は、
 「男は つらくきびしい道を歩くんだよ」
 「御前さまは あの子ならきっとやる やってくれる」
 「一輪の花を 咲かせてくれる」
 「法華経の花を 咲かせてくれる」

 その夜、お墓にローソクが立てられた、
 「ひとりでさびしいだろう」
 その地方の習慣だった。

 遠い・遠い日の春の夜・・・