古野さんの蔵書、バラバラにされていた、これでは、研究のヒントやプロセスが分からない、
「なんてえことを してくれるんだ」
「あの真柱の時代なら 絶対に許さなかっただろう」
何も分からない連中の作業だ、これでは、あの芸術新潮のオンナ編集長以下、
「ヘーヘー スースー」
「ハーハー スースー」
あの大学の図書館にヌカリヤ・カイテンというセンセのコーナーがあり、今でもあると思う、カベ一杯に、彼の人生の蔵書、このセンセイは僧侶で教授だった。
ヌカリヤ先生、ヨーロッパに出かけたのだが、「夜の姫君」と国際親善、十善戒の不邪淫戒を犯してしまった、つまり、あんなことをしたのだ、この時、おミヤゲをもらってしまった、それは、
「ウメのサケではなく ウメのドク」
あの芥川龍之介もそうで、岡本かの子の「鶴は病みき」に詳しい、それでもヌカリヤ先生、最後まで書籍を手にしていたらしい、あの毒舌の老僧、
「あいつは 最後に ヌカッタんだな」