日本農業新聞e農ネットに「[ニュースアイ] 担い手確保が争点 農政改革関連法案 国会審議入り (2014/3/29)」という記事が出ていた。
内容は以下の通り
政府・与党と野党双方の農政改革関連法案が衆院で審議入りした。
政府・与党は経営所得安定対策の対象者を見直し、担い手育成を加速させる方針。
野党は戸別所得補償制度で全ての販売農家の営農を維持することで担い手育成につなげる考え。
農家の高齢化に歯止めがかからない中、担い手の育成・確保が最重要課題であることは、与野党とも一致する。
その実現に向けた考え方と具体的な方策をどうするかが、国会論戦のポイントになりそうだ。
・政府・与党=対象絞り構造転換
「戸別所得補償制度は全ての販売農家を対象としていたから、担い手への農地集積が遅れた」。
安倍晋三首相は、法案が審議入りした27日の衆院本会議でこう強調した。
こうした認識に基づき、政府・与党は担い手経営安定法を改正し、経営所得安定対策の対象者を見直すことにした。
法案には、畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)、米や麦、大豆などの収入減少影響緩和対策(ナラシ対策)の対象を認定農業者と集落営農、認定新規就農者にすることを盛り込んだ。2015年産からの適用を目指す。
対象者に要件を設けるのは農業構造を変えていくためだ。
林芳正農相は「食料を安定供給するには効率的、安定的な農業経営が相当部分を占める構造にすることが重要」と考える。
このため全販売農家を対象とせず自ら経営改善の計画を立て、実現しようとする認定農業者などを対象とし、担い手育成を加速させる。
ただ、面積は問わないことにした。
ナラシ対策の認定農業者4ヘクタール、集落営農20ヘクタールなどの要件は15年産から廃止する。
面積規模要件は07年に導入した旧品目横断的経営安定対策で設けたが、“選別政策”との批判を受けたことへの反省だ。
門戸を広げた理由には、当時より担い手不足が深刻になっているという農村の厳しい現実もありそうだ。
・野党=全農家の意欲促す
担い手育成を重視する政府・与党に対し、戸別所得補償制度法案を提出した民主、生活、社民の野党3党は「静かな構造改革」を打ち出す。
同制度があれば、農家が自らの規模を見直す動きが広がると考える。
同制度は全販売農家が対象。
民主党の大串博志氏は「規模や形態で差別しない」と政府・与党との違いを強調する。
販売農家の営農を維持し、食料の安定供給や多面的機能の維持につなげる。
政府・与党の「ばらまき」批判に、民主などの野党は「農業構造を変える働きも備えている」と反論する。
米の定額払い(10アール1万5000円)などで全国一律の単価を設定すれば、2ヘクタール以上だと利潤が確保でき、規模が大きいほど利潤も増えることを論拠に挙げる。
2ヘクタール以下の農家は規模拡大をしたり、高齢なら離農したりすることを想定。
2ヘクタール以上なら、一層の規模拡大の動機づけになると見込む。
結果、農業構造が変わっていくというのが民主などの野党の主張だ。
・米の扱いも正反対に
主食用米への支援の在り方も政府・与党と野党の主張は正反対だ。
政府・与党は「高関税の国境措置で守られている」ことから、米の直接支払交付金に理由はないと判断。
10アール1万5000円の単価を半減し、18年産から廃止する。
野党は「コスト割れしている作物」と位置付け、生産調整の参加を条件とした定額払いを掲げる。
政府・与党の農政改革で、米の直接支払交付金を見直す意義として、自民党の齋藤健農林部会長は「外国産との競争にさらされていない米を麦、大豆と同等に論じることはできない」と訴える。
主食用米向けの支援を縮小する半面、非主食用米の支援を手厚くした。
飼料用米や米粉用米で「数量払い」を導入し、産地交付金による追加支援も用意した。
主食用米からの転換を促し、水田フル活用と稲作農家の経営安定を目指す。
一方、民主などの野党は戸別所得補償制度法案に定額払いの法制化を盛り込んだ。
これまでと同様、生産調整への参加を条件とした。
民主党の玉木雄一郎氏は「米もコスト割れが生じている。国境措置以外は不要とする政府・与党案とは、根本的な考え方が異なる」と指摘。
戸別所得補償制度の本格実施後、過剰作付けが4万ヘクタールから2万ヘクタール台に減った実績などを踏まえて、支援の必要性を訴える構えだ。
来週には農林水産委員会での法案審議を予定する。
林農相は28日の会見で政府法案について「農政改革の重要部分を占める。制度が安定するよう現場では法制化の要望が強い」と強調。
成立に向けて「丁寧に議論し、与野党の理解を得るよう努力したい」と述べた。
というもの。
なんだかなぁ。
なんか、もっとないのかな。