今週の『日曜美術館』では、≪エロスと死の香り≫と題して、<クリムト>に代表される“19世紀末~20世紀初頭のウィーン
芸術運動”を取り上げていた。
クリムト作 ≪死と生≫
その芸術運動の後期、<エゴン・シーレ>という特異な画家が現われる。
28歳で夭折した、エゴン・シーレ
<エゴン・シーレ>は、愛する父を若くして失い(しかも父の死因は性病だった)、彼は自身の存在に不安と疑念を感じつつ、ひた
すら絵画と向き合っていく。
そういうこともあって、彼の絵の主題の一つが、自らを描くことだった。
これらの自画像からは、自分の(内面の)醜さから決して目を背けることのない、いや、むしろ自虐的と言えるほどに、自分の醜
さを自ら暴こうとするかのような、エゴン・シーレの姿勢が感じられる。
そういう彼の姿勢&絵画をあまり好まない方もおられるかと思うが、私は、(今まで見た限りの絵で言えば)彼の絵の色彩が
濁っていないところが結構気に入っている。
そして今回の番組を見て初めて知ったことだが、エゴン・シーレは、クリムトと同じように<ゴッホ>をすごく尊敬していたそうな
のだ。
今まで私は、<エゴン・シーレ>と<ゴッホ>を結び付けて考えたことがなかったので、それは新鮮な驚きだった。
エゴン・シーレがゴッホを尊敬していた証しとして、彼はゴッホの代表作「向日葵」や「アルルの部屋」を、題材として取り上げて
いる。
もちろんエゴン・シーレが描いた部屋や向日葵(特に向日葵)は、ゴッホのそれとは全く異なる様相を呈してはいるけれど…。
エゴン・シーレ作
ゴッホ作 「アルルの寝室」
エゴン・シーレ作
エゴン・シーレについては私も詳しくないのですが、今回、シーレが私の好きなゴッホを尊敬していたことを知り、嬉しくなってブログを書く気になりました(^_^;)