左手に薬の壺を持ち
伏し目がちな、薬師如来さまは
本殿の脇のガラス戸の奥に
鎮座しておられる
ある時期
熱心に通って居たお寺
急な坂道を息を切りながら登る
坂道の右手には竹藪
坂道を登り切ると
樹齢600年の樫の木が迎えてくれる
風もザワザワっと、迎えてくれる
足が遠のいてから、どれくらいであろう
懐かしい感じだ
沢山のお地蔵さんにお賽銭を置き
風の音にソッと耳を傾けながら
お寺の奥まで
そこに、薬師如来様がおられる
顔を覗くと、伏し目がちな顔から
「良く来たね、ご苦労さん!」
と語りかけて下さる
壺の中の薬は
風薬や胃腸薬だけではない
こころの疲れを癒す
薬も入って居るんだ
優しくて
居心地の良い空間
だなあ
薬師様
ありがとうございます
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