ぬえの能楽通信blog

能楽師ぬえが能の情報を発信するブログです。開設16周年を迎えさせて頂きました!今後ともよろしくお願い申し上げます~

第12次支援活動<埼玉県加須市>

2013-04-26 02:03:46 | 能楽の心と癒しプロジェクト
ええと、ご報告もここまで遅くなるとなんだかなあ、ですが、これは今年の1月の活動です。

すでに昨年12月に ぬえと笛のTさんの二人で参加してきました埼玉県加須市の廃校・旧県立騎西高校での炊き出し支援ですが、今年の1月13日に2度目のお手伝いに行って参りました。

原発事故で全域が警戒区域となり避難を余儀なくされた福島県双葉町の住民さんが双葉町の役場機能とともに避難生活を続けておられる避難所で、震災から2年を経過してもなお国内に唯一残された避難所です。住民さんは現在でも今なお体育館や教室で不自由な生活を強いられている現実。そのうえ支給されていた食事が最近有償となり、住民さんはさらに厳しい状況に置かれています。

この状況を見て、ぬえも石巻などで何度も会ったり、また活動しているお名前だけは存じている人々が主にfacebookを通じて呼びかけを行い、もう数度に渡る活動を展開しておられます。ぬえたちの参加は2回目ですが、今回はあいにくTさんはスケジュールが合わず、出演者は ぬえとチビぬえの二人、そして装束の着付けの手伝いに仲間の能楽師1人にお手伝いを頂きました。

炊き出しそのものはあいかわらずの盛況で、集まったボランティアさんは例によって50名以上! これまた恒例になったようなのはその多くが外国人ボランティアさんだということで、外国語が飛び交う不思議なボランティア活動ですね~。あ、そうそう、ここの活動で知り合った、ペルーからいらしたご夫婦のボランティアさん(。。去年の活動で ぬえが装束を着付けてあげて、そんで。。その姿のままでキスしてた二人)は、その後伊豆に旅行にいらして、ぬえもたまたま伊豆にいましたので、子ども能の稽古場に招待しました~。

さてこの日も例によって手慣れたもので大勢で寄ってたかっての炊き出しが行われました。前回は ぬえたちしか出し物がなかったけれど、今回は餅つきやらバンド演奏などもあって、あちらこちらで賑わっていましたね~。ぬえたちも能『嵐山』を上演して参りました。















画像は当該facebookページ、およびJIN'S PROJECTの山田さん、明友館のサイトより拝借しました。

今回参加のチビぬえですが、じつは昨年、被災地でも活動しておりますので、支援活動としてはこれが2回目ということになります。いつもながら楽屋と呼ぶべき場所もないままに着付けをするのが結構大変ではありますが、ま、こんなものです。もう慣れた。

。。すでにこの活動から3ヶ月半も経っているのですが。。状況は刻々と変わっています。この当時の双葉町の町長さんはリコールによって失職され、代わって職に就いた新・町長さんになってから、炊き出し支援活動は続けられなくなりました。なんでも「炊き出し」の活動は住民さんに自立して生活を再建する意欲を妨げることになる、というような意味合いからだと聞いておりますが。。

。。とは言え、炊き出しボランティアの首謀者たちはそんなことで怯むわけもなく(笑)。

いま彼らは双葉町のみなさんと交流する会、のような名目で活動を再開されたようですね。ぬえはその後何かと忙しくしていて、参加していないのですが、相変わらず熱意をもった大勢のボランティアさんが終結しているようです。ぬえも時間があったらまた参加するぞ~~