ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ジャイアントロボ

2021-06-17 12:57:00 | テレビ

今後、大きく進捗することが予想されるのが人工知能である。

コンピューターが発達してくれば、必然的に人間の知能に基づいた能力を補佐し、拡張する機能が期待される人工知能に行き着くことは必然だ。

表題の作品は、昭和40年代に放送された実写版ロボットもので、少し前に驚異的人気を誇った「鉄人28号」の後釜であった。原作者は同じく横山光輝ではあるが、実は絵コンテと大筋だけで実際の作画は当初小澤さとしが描いていた。

しかし、目指す方向がちがったせいで小澤がやる気をなくし、その後はアシスタント等複数名が原作漫画を描いた。多忙を極めた横山が、この作品に戻るのは後半からであり、そのせいで当初とだいぶ絵柄が変わっている。

そのような経緯があるせいか、私としては原作の漫画よりもTV版のほうが良い印象を持っている。

ところで、このジャイアント・ロボは本来、地球征服を狙うBF団の秘密兵器であり、人工知能により動く最新鋭の兵器であった。しかし、主人公の大作少年が最初に声を吹き込んでしまったため、以降は大作少年の指示にしか従わず、BF団と戦う正義のロボットとして活躍する。

そして最終回、遂にBF団のボスである謎の宇宙人ギロチン帝王が登場する。彼は全身が核物質で出来ており、攻撃を受ければ地球くらい吹き飛ばしてしまう破壊力がある生きた爆弾であった。

戸惑う大作少年であったが、その時ジャイアント・ロボが勝手に動き出した。彼の人工知能は経験値を積み、ある程度自分で判断して動けるようになっていた。そして、ロボはギロチン帝王を羽交い絞めにして空へ飛びだした。

大作少年はロボの意図に気が付いて止めようと指示を出すが、それをロボは拒否して、そのまま宇宙空間まで飛行し、最後は小惑星に衝突してギロチン帝王と共に消滅する。

尊い犠牲により地球の平和は守られたとしてエンディングを迎える。これがTV版のジャイアント・ロボであった。

この番組を視ていたのは、小学生低学年の頃だったが、エンディングの衝撃度は「タイガーマスク」に匹敵するものであったと記憶している。

鉄人28号は操縦機を持つ者次第で、正義のロボットにもなれば、破壊の使者ともなりうる。これは、これで納得できる。しかしジャイアント・ロボは違う。その人工知能により自ら判断して、最後は正義の殉教者として散っていく。

まだSF小説を読んでいなかった私にとって、機械が人間の指示に従わないことが衝撃であった。本来、人間のために作られた機械の反乱、それがジャイアント・ロボの場合は人間の役に立つ方向で進んだ。

ギロチン帝王を唐オた喜びと、ジャイアント・ロボを失った喪失感と同時に、機械が人間の指示に従わないことへの不安を感じさせた不思議な番組でした。

そのせいか、どうかは分かりませんが、鉄人28号ほどは人気がなかった気がします。

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PUI PUI モルカー

2021-02-05 11:51:00 | テレビ

イイ年をして人様にアニメを奨めるのは、あまり積極的にはなれない。

だが、この作品に関しては奨めてもいいかもと思っている。アニメといってもパペット(人形)・アニメである。つまりヌイグルミを使って連続撮影をして作るアニメーションだ。

この作品は一話完結で5分程度なのだが、おそらく撮影には最低でも一週間はかかる。監督は若いがかなり拘りの強い人で、なかには一か月かかって撮影したものもあるらしい。とにかく時間と手間がかかるのがパペット・アニメなのだ。

だから、アニメ大国の日本でも滅多に作られない。ヨーロッパでは結構人気があるパペット・アニメだが、やはり製作コストの問題からか、作品はそう多くない。

しかし、作られた作品には作り手の熱い想いが込められているものが多い。表題のアニメからも、それは感じ取れる。


モルモットのヌイグルミを使った作品なのだが、このモルモット仕立ての車、可愛いわりにけっこう辛辣だ。人間の悪い面を上手く表現している。一作5分程度の作品なのに、中身はけっこう濃いと思う。

小さいお子さんが夢中なのはともかく、その親までも夢中にさせるのは、そのあたりの濃さが理由だと思う。是非、一度は見て頂きたいパペット・アニメです。

なお、これを観て本物のモルモットを飼おうとは決して思わないことです。モルモットはハムスターの数倍の大きさで、鳴き声は数倍大きく、食費も数倍はかかります。臭いも数倍で、絶対にマンションなどでは飼えません。かなり広さのある敷地の隅に、近所から離れた場所で飼わないと、絶対に近所から苦情がきてしまいます。

いや、お子さんたちにモルモット、飼いたいと言われる親御さん多いらしいです。アニメは面白いけど、本物を飼うのは止めたほうが無難ですよ。

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キャプテン・ウルトラ

2019-10-10 12:12:00 | テレビ

覚えている人は少ないと思う。

「ウルトラQ」、「ウルトラマン」に続く第三弾のウルトラシリーズが実は表題の作品でした。ただ、期待ほどの人気作ではなかったようで、再放送も少なめ。そのせいで私の同世代でも覚えている人は少ない。

今だから分るが、この作品の元ネタはアメリカのスペースオペラ「キャプテン・フィーチャー」だ。私はエドモンド・ハミルトンのSFが好きだったのですが、正直当時は気が付かなかった。

そのくらい、作品のレベルに差があった。一番の違いは、キャプテン・ウルトラが、正義の味方対宇宙怪獣であったことだ。事実、私はバンデル星人などの怪獣はけっこう好きだった。対怪獣バトルがメインなのは、子供向け作品なので致し方ないのだが、円谷プロの産み出す怪獣たちとは一味違うので、記憶に残っている。

ただ、この作品はけっこう迷走したとも思っている。なかでもキャプテン・ウルトラを助ける仲間の一人であるキケロ星人のジョーがシリーズ中途で故郷の星に帰国している。実際は子供たちに人気がなかったからで、替わりに女性のアカネ隊員が入ったりしている。

実を言うと私が一番覚えているのはオープニング曲である「宇宙マーチ」。えらく軽快な曲で「シュピーゲル、シュピーゲル、シュピーゲル、1,2,3~♪」と早口で歌われている部分は未だに覚えている。作曲は富田勲なので納得である。

シュピーゲルとは、キャプテン・ウルトラが搭乗する宇宙船の名で、私の知る限り、3機に分かれて、更に合体もする初めての宇宙船である。後のゲッターロボの発想の原点ではないかと疑っている。

またこの作品は、東映が初めて取り組んだ特撮TVドラマであり、この時の経験が後の「仮面ライダー」などに活かされている。その意味でも重要な位置にある作品なのだが、如何せん人気がイマイチであり、忘れられた特撮作品となっている。

この記事を書くにあたり、ネットであれこれ調べたのだが、一番驚いたのは主役のキャプテン・ウルトラを演じていた役者さん。どこかで見た事あるなぁと思ったら、時代劇で悪役代官を演じることの多い中田博文さんだった。

どうやら、子供相手の正義のヒーローよりも、大人向けの悪役のほうが向いていたらしい。

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