ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

窮すれば通ず

2021-11-30 11:27:00 | 社会・政治・一般

やれば出来るもんだ。

なにがって北朝鮮の潜水艦である。元々北朝鮮は世界でも有数な潜水艦保有国であった。ただし、その大半が旧ソ連からのお下がりで、しかも沿岸警備用の潜水艇であった。冷戦期になり、やはりソ連からロメオ級潜水艦を購入するが、これも中古であり、しかも旧装備のものであった。

呆れたことに半世紀以上に渡り、これらの老朽化した潜水艇及び潜水艦を使い続けてきた。北の工業力では自力で潜水艦を建造する能力はなかった。

元々北の工業力の基盤は日本が残置していった工場等を活用したものだが、さすがに古すぎて新たな船でさえ製造することは難しかった。だから北の船舶の大半は木造船である。

だから一部のマスコミが北コリアを世界で7番目にSLBN搭載型の潜水艦保有国だと書いているのが不思議でならなかった。この国は潜水艦どころか潜水艇さえ自力では作れないと考えていたからだ。

もしあるとしたら旧ソ連のロメロ級潜水艦を改造するしかないのだが、この潜水艦は弾道ミサイルを搭載するほどには大きくない。だから水中から弾道ミサイルを発射したとの報道があっても、多分潜水艦からではなく、水中に埋設した構造物からの発射実験だろうと思っていた。

ところが、ようやく北のミサイル発射が可能だとする潜水艦の正体がみえてきた。基本的に軍事情報は第一級の機密事項であり、敵を攪乱するための偽情報も多く出回る。それを認識した上での情報なのだが、どうやら本当にミサイルを搭載できる潜水艦が実在するらしい。

その秘密は、旧ソ連の冷戦時代の通常動力型潜水艦であるロメロ級の改造である。船体が大きくないロメロ級に弾道ミサイルの搭載は無理だとされていたが、北朝鮮はなんと船体から突きだした司令塔部分にミサイルをはめ込んでしまったらしい。

おいおい、潜水艦の操縦はどうするんだと思ったが、考えてみればこれだけ強引な改造をしてしまえば外洋での航海や潜航任務はまず無理だろう。完全にミサイルの海中発射装置として割り切れば、むしろ最適解なのかもしれない。

窮すれば通ずというが、追い詰められると人はとんでもないことをやらかすものだと感心した次第。

ただ、あんな無理な改造をしでかすと艦体のバランスは大きく崩れているはずだから、自力航海は沿岸周辺が限界でしょうね。それでも自国防衛のための最後の手段としての弾道ミサイルの海中発射に拘った北の覚悟のほどが良く分かりますね。

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ヒソカ 石田スイ

2021-11-29 12:39:00 | 

こら!冨樫、いい加減にせい。

そう思っている人は少なくないと思う。なんの話かっていえば、もう「HUNTER×HUNTER」である。なにせ休載になって3年である。

腰痛がひどいからとか、子供の成長につきあいたいとか、いろいろと噂は聞いているが、もう話半分にしか聞けない。

実のところ、H×Hの続きを待ち望んでいるのは、一般の読者だけではない。同業の漫画家からも要望が多かった。だが冨樫の頑なで一途な作画姿勢を知り、その苦労も分るだけにみんな静かに待っている。

そんななか、待ちきれなくなったのが石田スイではないかと思う。石田は週刊ヤングジャンプ誌において「東京喰種」でデビューした漫画家だが、やはり冨樫の大ファンであった。その石田が編集者を介して冨樫の元に持ち込んだのが、H×H屈指の人気キャラでもある殺人奇術師ヒソカの誕生譚である。

全69頁にも及ぶ作品は冨樫義博本人の了解を得て、現在ネット上で公開されている。興味がある方は是非とも検索してみて下さい。

「石田スイ ヒソカ」で検索すれば容易にヒットすると思います。

まァ私も楽しませてもらいましたよ。でもなァ・・・いいのかい、こんなの許してさ。冨樫本人が了承しているのだから、第三者が文句を言う権利はないけど、漫画家としての矜持を疑いたくなるぞ。

怖いのは、これに味を占めた冨樫が、似たような作品を他の漫画家に描かせてしまうことだ。漫画H×Hが人気があるのは、登場人物の人物造形が絶妙だからだ。作品中、数ページしか登場しないのに何故か人気があるキャラが少なくない。

そんなキャラのセカンドストーリーが他の漫画家の手により描かれる可能性が否定できない。いや、おそらくアマチュア・レベルでは既にあるのではないかと思う。私は二次創作には、ほとんど関心がないので知らないだけで、既にファンの間では広まっているのかもしれない。

既に完結した作品ならば、それは仕方ないというか、止められないだろうと思う。でも、一応連載中の漫画ならば、出来たら止めて欲しいと思う。今回は、作者自ら目を通して了解を出しているが、この流れが定着すると、冨樫のさぼり癖がますます悪化すると思う。

で、今年こそ再開するのでしょうねぇ・・・

あまり期待せずに待ちましょうかね。ただし、田中芳樹みたいに駄作で終わらせるのだけはダメですぜ。あれには殺意を覚えた私です。

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大腸ポリープ

2021-11-26 11:29:00 | 健康・病気・薬・食事

先週のことだが、今年二回目の入院でようやく大腸ポリープの除去が終わった。

8月の内視鏡検査の際に複数のポリープが大腸内部に見つかったことが契機だった。実は昨年くらいから少し体調が悪かった。たまにふらつくことがあり、自分でも不思議に思っていた。

特にジョギングの際に、カーブを曲がる時に身体はふらつき壁に手をついて以来、不安を感じてジョギングそのものを止めてしまった。また朝、起き抜けに身体がふらつくこともあった。これは寝起きの良い私には珍しいことであった。

医者の話では、血液中の鉄分が不足しているので、貧血気味であることがふらつく原因だとのこと。鉄分を補う薬を奨められたが、薬がこれ以上増えるのが嫌で断わっていた。

ところが、今年前半になると血液検査でも明らかに鉄分不足が顕著なので、医師から強く勧められて鉄分を補給する薬を飲んでいる。ただ医者は訝っていて、その結果夏に大腸の内視鏡検査に至った訳だ。

私の大腸内部のポリープは、大きいのが一つ、中くらいが4つ、小さいのが更に複数あるが、色が奇麗なので癌には至っていないだろうとのこと。夏の検査で小さいャ梶[プを一つ切除して、生検にまわしたがやはり癌にはなってない。

だからこそ、早めに手術で取り除きましょうとの医師の提言には、頷かざるを得なかった。

正直、大腸癌の予測はしていた。なぜなら亡くなった父がそうだったからだ。ただ、父はかなりの偏食で、ステーキ好きはともかく、サーロインの脂身の部分が大好きで、わざわざ脂身の多い部分を好んでいた。

そのせいか、どうかは知らないが50代くらいで大腸癌が見つかり、遂には人工肛門のお世話になる始末であった。それを知っていたので、もしかしたらと嫌な予感はしていた。でも、私はなんでも食べるし、決して偏食ではないぞ。

ちなみに父はその後も20年以上元気であったので、癌は転移していなかったらしい。私の場合は、癌に移行する前の段階だったので、少し安心しているが、油断は出来ないとも思っている。

手術自体は、コロナの予防接種後に行った。10月に一度目、11月に二度目である。10月の時は出血がきつくて、術後も数日寝込んでいる。先週の手術で一番の大物を除去し、かつ小さい奴も全て取り切ったらしい。

ただ、一度目は鎮静剤のおかげで目が覚めたら病棟に戻っていたが、2度目は時間がかかり、除去手術中に意識が戻ってしまった。もっとも内視鏡手術であるから、特段痛みなどがある訳ではない。

しかしながら、手術台の上の液晶モニターに私の大腸の内部映像が映し出され、その中で見つかったポリープの除去を医者が実況中継するのには参った。私の意識が戻ったことを知った医師は、なぜだか嬉しげに解説してくれる。

なかば、ぼう~としながら説明を聞いていたが、あまり楽しくはなかったと思う。早く終わってくれ~と切に願いながら無事手術は終了した。今回は出血も少なく、おかげで退院した日の翌日には仕事に戻れた。

次回は一年後の検査結果次第だそうだ。これで、ふらつきがなくなってくれればいいと思うが、それよりも体重が減ってくれたのが嬉しい。なにせ手術前は、おかゆばかりの食事だったので、そりゃ減量になるはずだ。

内視鏡手術は身体への負担が少ない。それは実感しているが、唯一嫌なのは、大腸内をきれいにしておくため、前日からの食事制限と、手術当日の下剤2Lを飲み干すことだ。

メンタル面で屈辱だと思う人は、強い鎮静剤を処方してもらえば、術中は寝ていられるので終われば病棟のベッドに戻っている。今回の私の例は、稀なケースだそうですよ。

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空も飛べるはず

2021-11-25 11:42:00 | 日記

羽がなくても空は飛べる。

その代表が蜘蛛だ。蜘蛛は幼生体の頃、風が吹く日に高いところに登り、糸を長く吐き出す。その糸が風に巻かれて舞い上がるのに合わせて自らも風に乗って飛行する。

羽がない蜘蛛が、生き残るために密集を避けて分散することで生存率を高める知恵である。

1995年のことだが、日本国内で珍しい蜘蛛が見つかった。調べてみたらオーストラリア原産のセアカゴケグモ(背赤後家蜘蛛)であった。どうも輸出貨物に紛れて日本にやってきたらしい。

このクモは毒蜘蛛であり、特にメスの毒性は強く危険な外来昆虫だと認識された。本国オーストラリアでは血清が用意されていほどであるが、元々は暑い地域の蜘蛛であるから、日本の冬は乗り切れないとの楽観的な見方もあった。

当初は大阪周辺の港湾都市だけであったが、気が付いたら北海道から沖縄まで広く分散していた。幸い攻撃性は少なく、こちらから手を出さない限り、噛まれることは少ない。

春から秋は郊外でも生息できるが、寒くなると冷暖房機の室外機や、冷蔵庫、TVの裏など暖かい場所に潜むので注意が必要となる。オスの毒性は弱いが、メスの毒性は強く、時にはショック症状を引き起こすことがあるから油断は出来ない。

ただ、国内では重篤な症例はなく、あまり恐れる必要はないと私は考えている。

もっとも、これは私がわりと蜘蛛を好きだから、そう甘くみてしまうのかもしれない。我が家にもしばしばハエトリグモが出没するが、こいつのおかげでゴキブリが激減したのは確かだ。おそらくだが、ダニなども食べてくれているらしい。

蜘蛛はその外見から嫌われることが多いが、人間にとってはむしろ益虫ではないかと思う。蚊やハエ、ゴキブリ、ダニなどを捕食する蜘蛛は多く、逆に人間に対して攻撃的な蜘蛛は、ほとんどいない。

ただし、こちらから手を出すと防衛本能から噛みついてくる。また、寒い時期はわりと人家の近くに棲息することが多いようなので、知らずに蜘蛛を刺激してしまうこともある。

でも致死性のある毒ではないので、そこは寛容に許してあげて欲しいものです。

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白鵬の引退

2021-11-24 11:26:00 | スポーツ

平成の大横綱であった白鵬が引退した。

モンゴル出身力士として二人目の横綱であり、心技体ともに完成された大横綱であったと思う。

にもかかわらず、あまり評判が高くないのは、相撲協会及びその意向を汲んだマスコミが悪い。原因はいろいろあるが、やはり第一の原因は、モンゴル人との相撲に関する認識の違いであろう。

これは、あの朝青龍もそうだが、白鵬にとっても相撲は格闘技そのものである。強い者が王である。王、すなわち横綱こそが頂点であり、相撲協会なんてその下働きである。おそらくだが、モンゴル人はそう考える。

別に悪意がある訳ではない。広大な草原の民であるモンゴル人にとって一番強いものが王であり、王がすべてを握る。それが当然と考える。ある意味、とても素直であり率直である。

だが日本に於いては相撲は興行である。相撲協会こそが元締めであり、力士は興行の主役に過ぎない。

極論だとは思うが、相撲協会は善意溢れる公共団体ではない。相撲取りという異形の格闘家を使って人を集めて稼ぐ興行である。もっと露骨に云えば、乱暴者の大男を集めて鍛えて、その戦いをメインデッシュに商売をしている。

だから相撲興行の世界は金と欲望に塗れている。相撲の世界には余人が容易には立ち入れない暗く甘い蜜がある。この芳しい匂いに引き寄せられる有名人が更に金の花を咲かせる。これが現実である。

その一方で相撲は格闘技として第一級品の実力を持つ。現役の、つまり膝や腰に故障を抱えていない力士たちの強さは異常である。一見ただのデブにしか見えないが、よくみれば脂肪の下には鍛えられた筋肉の束がうごめいている。

100キロを超える大男たちが本気で頭と頭をぶつけ合う格闘技なんて相撲ぐらいである。多くの格闘技では頭突きは禁じ手とされるのは危険過ぎるからである。それを敢えて禁じずに、当たり前のように使う。

怪我をしたり高齢により相撲が出来なくなった力士が、しばしばプロレスや総合格闘技の舞台に上がり、無様に負けることがよくある。それを見て、相撲取りは弱いなどと考えるのはあまりに軽薄である。

さて、相撲取りとしての白鵬だが、非常に才能ある力士であった。まず身長が195㎝と恵まれている。加えて150キロの体重は十分大型力士との対戦に応じられるものだ。その上、相撲が柔らかい。受けが巧いというか、相手を受け止めてその上で自分の型にはめ込む強さがあった。

この柔らかい取り口こそが、彼を長年横綱の地位を保証したと思う。単に力と力のぶつかり合いならば、とても30過ぎての相撲は無理だ。体重100キロを超える相撲取りのぶつかり合いの衝撃は生半可なものではない。だが白鵬にはそれを柔らかく受け止める巧さがあったと思う。

さりとて技巧派との印象は薄い。それは力と力の競い合いも得意にしていたからだ。むしろ力づくで自分の得意な形に持ち込む傾向があったと思う。それは土俵の外でも同じであったらしい。代々の横綱のなかで相撲協会から最も注意を受けたのも無理ない。

でも、それは白鵬が相撲を格闘技だと捉え、その王である矜持がさせた蛮行だと私は考えている。実際この十数年、白鵬を超える力士はついに出なかった。他の横綱が短命で引退するなか、一人角界を支えてきた孤独な王であった。

日本に帰化し、古参の相撲協会幹部から睨まれながらも、敢えて角界に残り自分の理想とする相撲を実現しようと考えているのが現在の間垣親方(白鵬)だと思います。

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