近年、いつのまにやら秋が短くなっている。
いや、秋というには暑すぎる。まさに燃える秋である。覚えている方もいるかもしれませんが男女混成グループのハイファイセットのヒット曲の一つに「燃える秋」という歌がありました。
なんとなく思い出したので検索して、動画で聴き直していますがいい曲です。PCに外付けのスピーカーのいい奴を買っておいて良かったと今更ながら納得しています。
この曲は角川映画の成功を真似て、三越の岡田社長の肝いりで制作された映画に使われた曲なのですが、映画自体を観たことがある人は少ないはずです。この映画は三越のワンマン社長であった岡田氏の悪い面が出たことで知られており、三越の黒歴史として封印された作品となっているからです。
岡田社長はこの映画の前売り券を下請け配送業者の大和運輸に押し付け、それを公正取引委員会に咎められ、それが契機になって大和運輸は三越から手を引き、今日では当たり前の宅配業務に乗り出しました。同時に三越内部で岡田社長のワンマンぶりへの批判が表沙汰になり遂には解任。いわゆる三越事件の発端となった映画でもあります。
だから映画自体はお蔵入りとなり、映画祭などで限定的に上映されるだけ。しかし、ハイファイセットが歌った曲は、これらの事件とは裏腹に大ヒット。作曲した武満徹氏にとって最大の印税収入を稼いだ作品となっています。
実際良い曲ですから、今聞いても楽しめる。ただ、そろそろ映画も解禁して欲しいですね。若き日の真野響子さんの美貌が楽しめる作品だったと記憶しております。