先週敵地で行われたワールド杯アジア最終予選の対中国戦は、日本が3-1で勝利し、勝ち点16とC組トップを確実にし、ほぼ予選突破だと言える。それはいいが、問題が多い、多すぎる。
試合そのものは、新たに中国の代表監督に就任したクロアチア人のイヴァンコビッチの分析力が目を引いた。これまで日本が得意としていた左サイドでの攻撃を見事に封じてみせた。やはり歴戦の監督の目には、森保監督の戦術の穴がよく見えていたのだろう。
もっとも選手の力量差の違いは如何ともしがたく、セットプレーでFWの小川が二得点。上田の穴を見事に埋めてみせた。が、しかし、DFがだらしない。これまで最終ラインを見事に守ってきた板倉がどうも不安定だ。だからこそ失点を喫したのだろう。
それと試合観戦中から違和感があったが、やはりピッチの幅を狭くして自国に有利な状況を作ろうとしたらしい。FIFAの定めるよりも、明らかなに狭いが故に、日本は大きなサイドチェンジをやり難かったらしい。相変わらず姑息なことをする国だ。
それとGKの鈴木へのレーザーポインター照射は頂けない。あれは罰則が適用されるべき。そして毎回のようにラフプレーをやらかす中国、これは想定内ではあったが、日本人選手に大怪我がなくてよかったと思います。
ただ途中からサウジ対インドネシア戦が気になってしまった。なにせ、日本がいつも苦戦するサウジが0-2で敗戦。いや、実にスリリングで面白い試合でした。インドネシアの奮起も凄かったけど、サウジの必死さがPC画面からも伝わってくる熱戦。でも、サウジってそんなに弱かったっけ?
これで日本がトップを独走するC組は二位争いがますます激化、いや混迷している。なんだ、この最終予選は。こんなの記憶にないぞ。他のA組、B組はイラン、韓国がトップだが、これは予想通り。ただ私がアジア最強だと思っているイランは失点が多い。また前半低迷した韓国だが、これは毎度のこと。いつも最後にしっかりと帳尻を合わせてくる。でもパレスチナと引き分けってどうよ。
分かっている。今回のアジア最終予選の混乱は、FIFAがアジアに対して前回の5チームから8チームに増やしたことが原因だ。おかげで緊迫感が薄れ、下克上が横行している。つまり試合自体のレベルは低下しているように思える。
これはまずいね。先週の対中国戦で前半日本が苦戦したのも、相手が日本を研究して森保監督の戦術の穴を突いてきたからだ。アジア相手だからなんとかなったが、これが欧州や南米のチームだったら、前半だけで大量失点もありうる。
たしかに日本はアジアでは頭一つ抜け出た感があるが、欧州予選や南米予選に比べればユルユルのアジアだからこそ。ブラジルの低迷やイタリアの苦戦など優勝経験国でさえ悶え苦しむのが本来のワールド杯予選のはず。
次節には予選突破を決めるだろうけど、早く世界基準に切り替えないとまずいね。後、突破を決めたら藤田など五輪世代を大幅登用して、若手の経験不足をなんとかして欲しい。今のA代表は層が厚いが、やはりレギュラー組と控えの間での力量差はある。今後の怪我人などを考慮すれば、更なるレベルアップを目指すべき。
特に久保、堂安、伊東、三苫などは替えがいない。それ以上に中盤を支える守田、遠藤、富安らには、それ以上に替えの選手がいない。日本は中盤が命です。それが分かっている久保は、この試合では中盤に下がることが多かった。やはり不安なのだろう。
ワールド杯本戦では対戦国は必ず弱点を突いてくる。日本のストロングポイントである中盤は、思ったよりも層が薄い。さらに付け加えるならば戦術の幅が狭い森保監督こそが実は一番の弱点ですが、彼に変り得る人材がいない。
日本サッカー協会は金儲けのためにDAZNに放送権を丸投げするアホっぷりを発揮して、サッカー人気を貶めている。それをまともに批判すら出来ないヘタレたマスコミが日本サッカーの三大弱点であることを自覚して頂きたいものです。