時代は変わる、新たに生まれるものもあれば消え去っていくものもある。
ご存じだろうか。ラジオの中波放送が2028年までに廃止予定であることを。長い間、多くのリスナーから愛された中波放送だけに、何故にとの思いは強い。しかし、現実にはラジオ局としての売り上げは年々減少しており、経営自体が苦しい。
独立系のラジオ局もあるにはあるが、多くは全国規模の新聞社、TV局の関連会社である。親会社にとっても経営的重荷になっていたのは事実だ。そこで総務庁が音頭をとって、2028年までに中波放送を順次取りやめてFM波やネットラジオへの移行を目指しているそうだ。
10代半ばの頃まではラジオ少年でもあった私からすると、残念過ぎるニュースではある。FM波よりも到達距離が長く、短波放送よりも音質が良いのが中波放送の良さであった。しかし、中途半端な立ち位置であった。電波の使用は政府の許認可事業であり、致し方ない部分もある。
しかし、中波ラジオ放送は手軽に聴けて、しかも電池で動くラジオでも十分聴きとれる。大震災のような災害時にはラジオこそ最適な情報源である。また深夜のドライブ時には、中波ラジオの番組は眠気を防ぐのに格好であった。
ただ総務省もそのあたりは分かっているようでNHKの中波放送だけは残る予定らしい。言い換えれば民放各局の中波放送は消滅予定となる。
理屈では分かるのだが、やはり寂寥感は否めない。「オールナイトニッポン」や「タムタムタイム」「パックインミュージック」「セイヤング」と深夜放送に夢中だった私の青春の一部が消え去ってしまうのだから当然だ。
実は私の事務所では常時FM放送をBGMとして流している。夜になるとスタッフが野球の実況中継を聞くために中波放送に切り替えるぐらいで、たしかに聴かなくなっていた。これも時代の流れだと理屈では納得している。
それでも寂しく思ってしまうのだからわがままなものだ。。