ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

マタンゴ

2024-10-31 11:39:09 | 映画

世に出るのが早過ぎたホラー映画の傑作だった。

実際、日本では興行的に失敗したが、後年海外ではカルト的な人気を持つホラー映画として評価されている。私も子供の頃に上映され観たかったのだが、妹たちが嫌がり、母も気持ち悪がったので観れなかった。

だから最初に観たのは、1980年代の後半、私が長期の自宅療養をしていた頃だ。免疫力が著しく低下していた私は、ほぼ一日中家で寝ていたが、調子の良い時は図書館へ行ったり、レンタルビデオ屋に行って時間を潰した。

何故だか当時はゾンビ映画などのホラー映画にはまっていて、レンタルビデオ屋のホラー映画のコーナーは大方観てしまった。ちなみに表題の映画は何故だが怪獣映画のコーナーに置いてあった。だから見つけた時はビックリした。どうみても、この映画はホラー映画だぞ。

ホラー映画、ホラー小説を大量に読み、観ていた私からすると、B級の評価が相応しいと思う。でも当時免疫力が低く、風邪などの感染症に怯えていた私には、怖さだけはA級であった。しかも、怖いだけでなく気持ち悪い。

特にエンディングが秀逸だ。あれは怖い、不気味だ。ホラー映画好きならば是非とも観ていただきたい古典的名作です。

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この地名が危ない 楠原佑介

2024-10-30 12:57:28 | 

役所による文化破壊が進行してきたのが、日本の近代の裏面だ。

行政を担う役所が業務の効率化を目指すことを一概に悪いとは言わない。しかし、日本人が古来から守ってきた叡智をないがしろにするかのような愚かな行為を平然としてしまうことには怒りを感じざるを得ない。

なんの話かといえば地名である。日本は古来より地震、雷、火事、親父(?)と災害の多い国である。災害のなかでも台風に伴う高潮、地震に伴う津波、山津波と避けようがない天災が多発する国でもある。

だから先人は地名に天災を匂わすような名称を付けることで、後世に警告を残してきた。表題の書は、その古来よりの地名につて解説したものだ。その内容について、私の貧弱な知識では良し悪しを判別できないが、大変刺激になった書籍であるのは確かだ。

ところで日本人は言葉を捻くり、いじくるのが好きだ。太平洋戦争における敵であった連合国(UNITED NATIONS)を戦後になって国際連合と言い換えたのが典型的な例だ。ちなみに国連憲章では、未だにドイツと日本を敵性国家だと規定している。

戦後の日本は軍事支出を最小限に絞る一方で。経済発展を至上の命題として突き進んできた。経済はタイムイズマネーであるからして効率を重んじる。それゆえに日本古来から続く地名を効率化の名のもとに蔑ろにしてきた。

これは行政だけでなく、不動産業界も深く関わっている。実は日本の地名には、地震や津波、山津波などの天災の被害を後世に伝える地名が少なくない。ところが、それでは土地が売れない、あるいはイメージが悪いと、行政の効率化の名のもとに地名を変えてしまうケースがよくある。

私は人生の大半を東京の世田谷区で過ごしてきた。江戸時代には武州砧村として知られた地である。有名な繁華街に二子玉川がある。通称ニコタマであり、緩やかに流れる多摩川と、多摩丘陵に挟まれた穏やかな市街である。

成城や自由が丘からのアクセスも良く、高島屋を中心とした商業地と、わりと広めの戸建住宅が立ち並ぶセレブ垂涎の地でもあるらしい。そのせいか、昨今流行りのタワーマンションも建てられている。

ただ古くから住んでいる私らからすると、いささか印象が異なる。子供の頃はザリガニ釣りに通った地であり、区内でも屈指の急坂がある街でもある。農道や用水路もあり、高級住宅地だと云われるといささか戸惑う。

特に気になるのは、この界隈は大雨が降ると多摩川が氾濫する地でもあることだ。実は東京側の多摩丘陵と川崎側の多摩丘陵が最も狭まった地域であり、下手に堤防を作るとむしろ却って氾濫してしまうことで知られている。

しかし、大山街道が多摩川を渡る箇所であり、戦後は小田急線と東急線が渡る箇所でもある。そして、その橋脚周辺で川の流れが変わるらしく、大雨が降るとしばしば氾濫することで知られていた。ただし、氾濫した水が流れて貯まる原っぱがあり、私らガキどもは大雨の後を狙って魚や虫を捕まえに行ったものだ。

ところがバブルが弾けてしばらくすると、その氾濫した水を受け止めていた原っぱが売りに出された。そこに瀟洒なマンションが建ち並ぶようになり、挙句にタワーマンションまで出来るようになった。当然ながら古くからの住人は堤防の必要性に気付いて行政に働きかけた。

しかし、新しく越してきた住人は堤防が出来ると景観が損なわれて資産価値が落ちると主張し、それを後押しする不動産業者も出てきて行政に反対意見を叩きつけた。こうなると行政はどっちつかずの対応で時間稼ぎを始める。

そして2019年の大雨で多摩川が氾濫すると、当然のように新興住宅地に水が流れ込んだ。半地下があるマンションなんて一階まで水没する有様である。また川崎側のタワーマンションは地下に設けた発電機などが止まり、下水も満足に使えず、高層階の住民は多大な労苦を強いられたと報道されていた。

噴飯ものなのは、堤防に反対していた有志市民が立ち上げていたHPが、あっという間に削除されていたことだ。かつて氾濫した水を蓄えていた原っぱが埋め立てられた以上、堤防がないのだから住宅地に流れ込むのは必然である。

ところで行政上の区分として二子玉川という地名は存在しない。元々は瀬田である。古語としては瀬戸のなまりであり、狭い海域を示す言葉であり、そこから転じて多摩川を多摩丘陵が挟んだ地域の名称として瀬田と古来から称された。つまり東京都側の瀬田と、神奈川県側の瀬田があり、かつては同じ行政区分であった。

山梨から細く流れ出し、東京に入るあたりには都内屈指の河川となった多摩川が二つの丘陵に挟まれているのだから川の氾濫が起きやすいのは当然である。でも一般名称として使われる二子玉川という名称から、そのことを想起することは難しい。古人の叡智は無駄となってしまった。

表題の書では、過去の地震、津波などの天災を想起される地名について、著者独自の解釈を含めて様々と取り上げられています。見かけたら是非ご一読をお勧めします。

 

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自滅

2024-10-29 09:12:18 | 社会・政治・一般

自滅としか言いようがない。

自民党の議席大幅減で終わった今回の衆議院選挙。その責任を石破氏に問うのは、少し違うと思います。もちろん総理であり、自民党総裁でもあるので一定の責任はあります。でも、今回の選挙における敗北の真の原因は、岸田・前首相らによる安倍派潰しだと思います。

長く首相を務めた安倍氏は、最大派閥の長であり、その後の菅政権、岸田政権にも大きな影響力を持っていました。だが暗殺により安倍派はトップを失い、その後継者も決められずに互いに足を引っ張り合うだけ。

そこで岸田・前首相が動き出した。長年押さえつけられていた怨念が一気に噴き出した。だが狡猾にも自らは前面に立たなかった。裏金問題をマスコミにリークして、マスコミに問題を拡散拡大させる。それに野党が便乗して安倍派を叩きだす。

ここまでは思惑どおりでしょう。しかし岸田政権は人気が出なかった。このままでは選挙は戦えない。断腸の思いで首相の座を降りて、以後はキングメーカーとして暗躍するつもりであったはず。しかし、後継に選んだ石破氏は、想定以上に不人気だった。

石破氏本人もその自覚があり、焦りからか岸田・前首相と同じ過ちを繰り返した。すなわち自民党支持者の主流からは嫌われていた少数意見の支持者に媚を売った。それがLGBTであり、夫婦別姓であった。マスコミや野党も賛同してくれると考えていたようだが、足元がぐらついていることに気が付けなかった。

そんな状態で選挙に挑んだのだから、勝てる道理がない。要するに安倍派潰しという内輪争いに傾倒してしまい、政権与党の危機をなおざりにして、党内を選挙に向けて一致団結させることが出来なかった。

元々党内人気のない石破氏で選挙に勝とうとする以上、党内を結束させねば厳しい。それが分からず、安倍派潰しに夢中だった岸田派こそが選挙敗北の最大の戦犯だと思います。

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温暖化

2024-10-28 09:10:43 | 社会・政治・一般

最近気になったニュース四選。

1 ベーリング海のズワイガニが壊滅的減少

2 サハラ砂漠に大洪水

3 南アフリカで降雪

4 アメリカでの地下水枯渇

まず、1のベーリング海だが、これは海水温が上昇して亜寒帯並みになってズワイガニが耐えられずに大量死。わずかに残ったカニも海水温の上昇に伴い北上したマダイに食い荒らされて絶滅したと報じられている。

2のサハラ砂漠での洪水は、ほぼ二年分の雨が一気に降り注いだ結果らしく、ほぼ半世紀ぶりの異常気象らしい。ただ、サハラ砂漠の砂は風に乗って遠くアマゾン川流域にまで燐を運び、熱帯雨林の繁茂の一因となっている。サハラ砂漠の温暖化による緑地化は、この燐の空中散布の妨げになり、世界最大の酸素供給地であるアマゾン川流域の熱帯雨林に影響を与える可能性があるとの説がある。

そして3の南アフリカだが、元々アフリカでは比較的寒冷な地域ではあるが、降雪は滅多にない。当然ながら気候変動は、アフリカに大変動をもたらす可能性が高い。アフリカの人口増大問題とも絡み、21世紀の地球に大きな政治的な変動を与える可能性が危惧される。

実は4のアメリカの水不足の問題が、日本にとって非常に影響が大きい懸念事項。アメリカは北部のカナダ国境周辺の山岳地帯から湧き流れてきた地下水を長大な水路で、中部の農業地帯に流している。ここで生産される農作物は、輸出用が多く日本は長年のお得意様であった。

ズワイガニが食べられなくなっても餓死する日本人はいないと思うが、アメリカから輸入される農産物は日本人の食生活に多大な影響を与える。人間の食用だけでなく家畜の餌用の農産物もアメリカから輸入されるものが多い。安かったはずの鶏肉や卵の値上げには飼料用のトウモロコシの値上げが大きい。これが今以上に減らされれば、確実に日本の食料事情に大きな影響が出る。

やはり地球温暖化の影響が一番の要因だと思う。だが、ここで敢えて知っておいて欲しいことがある。現在の地球温暖化の原因がいわゆる温室効果ガス(二酸化炭素やメタンガス等)であるとは、完全には証明されていないことを。

これらの温室効果ガスが温暖化に影響を与えていることまでは否定しない。しかし、主たる原因であることは、科学的に証明されていないのです。今から1万年ほど前まで、地球は氷河期であり、大陸の大半は氷結していました。しかし温暖化により氷は解けて、現在の地球の姿となりました。その原因はなんでしょうか。マンモスなどの大型の哺乳類の排出する糞から出るメタンガスなのでしょうか。

まぁ多少は影響があったかもしれません。でも現代の科学は太陽からの放射熱の変化が原因だと考えております。地球の大気温度にもっとも影響を与えるのは、やはり太陽からの放射熱なのです。もちろん例外はありました。

有名なのは、巨大な火山活動による噴煙が大気圏上層部まで広がることによる寒冷化であり、小惑星が地球に衝突した時の大量の粉塵が大気圏を覆った場合ですね。これは原因がわりと明白なので分かり易い。しかし、太陽からの放射熱の変化は地上に痕跡を残しづらい。

実は今年の夏の観測で、太陽フレアの活動が活発化していることが公表されています。太陽フレアは巨大な磁気台風のようなもので、衛星軌道上の人工衛星に多大な被害を与える他、地上の電気施設にも影響を与えることで知られています。

では、太陽フレアは気象に影響を与えるでしょうか。最新の研究では、雲の発生量を7%前後左右するとのことです。当然ですが、雲が増えれば気温は下がるし、降雨量も変化する。まだ研究途上の分野なので、確定的とは言えません。しかし、そうなると大気圏の気温にも影響は出ても不思議ではない。

混乱すると思いますが、現代の科学で分かっているのはこの程度なのです。人類の経済活動により生じた大量の温室効果ガスが、どの程度大気温度に影響が出るのかさえ不確かなのが実情です。だからマスコミがたれ流すいい加減な情報に一喜一憂することは賢明ではないと思うのです。

特にEUが日本車排除を裏の目的とした半強制的なEV車普及など、環境問題を看板にした胡散臭い政策には要注意です。他人事ではありません。日本でも安価なシナ製太陽光パネルの導入で、山地が荒廃し土砂崩れで死者が出ていることを、よくよく銘記して欲しいと思います。

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破産

2024-10-25 09:06:15 | 経済・金融・税制

破産は経済再生の切り札でもある。

コロナ禍を抜け出した日本経済は概ね順調であり、国外からの観光客の増加と相まって景気を活気あるものとしている。その反面、倒産件数は増大の一途をたどる。だが、地方の駅前にあるシャッター通りと異なり、都会ではわりと早めに空き店舗は埋まる。

これは倒産が法的手続きに基づき行われた証拠でもある。逆に夜逃げのような非公式な倒産の場合、空き店舗がそのままになることが多く、却って地域経済の妨げになる。その意味で倒産を法的に決めることは大事なことだ。

一応書いておくと、バブルの崩壊で事実上の倒産状態であった旧・住専の法的処理が遅れたのは、霞が関のエリート官僚の天下り先であり、経営者の座に収まった先輩たちに法的効力が及ばないよう配慮した旧・大蔵省の手心が加えられたからです。おかげで当初75兆と呼ばれた不良債権は90兆を超えてしまいました。

それでも法的な破産処理をしたからこそ、日本経済はバブル崩壊から立ち直れた。相当に遅れはしましたがね。

それが出来ないので、却って混迷を深めているのがシナである。既に恒大集団の破綻は確定しており、他の不動産系会社の破綻も隠し切れぬ事実。しかし、シナには破産法がない(香港にはあるが、本土に適用されない)ために、破綻処理されず、放置された死体のような企業が散乱している有様。

この経済破綻こそが、絶対的な権力者としての地位を確定させたはずのシナのプーさんを危うくさせている。経済拡大路線の失敗を李克強に押し付け、その後処理を任せるはずの李強首相から実権を奪い、自己の権威保持に奔走する赤いプーさん。

こんな時にシナの政治家がすることは決まっている。対外危機をアピールして国内の団結を図る。もちろん、この場合の団結とは政敵の排除に他ならない。

2027年の台湾侵攻を本気で心配するよりも、北京政府の内情こそ要注意だと思います。言うまでもありませんが、シナ経済の復活には、破綻企業の処理が絶対に必要です。それが出来ないと、シナは内部から自壊する可能性があることは予期しておいたほうが良いでしょう。

ただし、誤解しないように。経済が破綻したからといって滅んだ国はほとんどありません。経済が破綻した場合、戦争で帳尻合わせをしようとした国のなんと多いことか。外部からの支援があれば、アイルランドやギリシャのように落ち着くことは可能なのですがね。

ではシナを経済支援してくれるような国はあるのか。正直期待薄ではないでしょうかね。そうなると安易に戦争への道を突っ走る可能性が高い。いい加減日本人も平和憲法では国を守れない現実を直視したほうが良いと思いますよ。

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