実は先月末以来、どうも体調が芳しくなかった。当初はゴールデンウィークに実家へ引っ越すつもりでいた。ところが片付けが予定通りいかない。考えていたよりも廃棄する家財が多かったのも一因だが、なにより選別が難しかった。
おかげで4月中、一度帰宅して徒歩数分の実家に夜半赴き、家財の片付けをするつもりでいったものの悩んで座り込む有様であった。まず燃えるゴミに含められる衣類は問題ない。困ったのはアクセサリー(綺麗なものは売れる)と雑貨であった。これが予想以上に多かった。
それでも45リットル入りの大袋15袋は廃棄した。他に困ったのは、母の写真である。旅行写真を中心にあまりに多く、しかも捨てていいものか判断に窮した。しかたなく妹たちに連絡して欲しい写真を取りに来るよう伝えておく。
さて、ではゴールデンウィークにでも頑張って片付けるかと意気込んだ私を止めたのは、血尿であった。
長く腎臓を患った私だが、実は血尿は初めての経験だった。これには驚いた、いや、ビビったと言うべきだろう。もしかしたら腎炎になったのかと恐れおののいた。こりゃ、腎機能が低下して、いずれは透析生活に入るのかと、未来に暗雲が立ち込めるのを自覚せざるえなかった。。
まずは静養が第一だと分かっていた。この時点でGW中の引越は諦めた。ところがこの血尿は時々止まる。元の黄色っぽい尿に戻ることが分かった。どうも変だ、こりゃ腎臓病ではないのではないか。
あまり気乗りしなかったが、ネット上の医療情報のサイトをまわりいろいろと調べた。その結果、私の脳裏に浮かんだ病名は「膀胱がん」であった。
さすがに焦ったし、困りもした。一月に心筋梗塞をやったばかりである。なんで今年は病気が続くんだと苛立ったりもした。一人で夜、あれこれ悩み苦しんだ。でも、それが素人判断であることも分かっていた。
早く病院に行きたかったが、如何せん5月は忙しい。それでも多忙な合間を縫って30年来お世話になっているN医師のもとを訪れて事情を説明する。その際、はっきりと癌ならそうだと言ってほしいとも付け加えた。
N医師は、私にいくつかの問診をしたのちに顔を上げて一言「僕の考えでは9割方、癌ではないと思う」
その一言に安堵でへたり込みそうになった。が、まだ検査一つした訳でもなく、残り1割の可能性を再考して気を引き締める。N医師はPCを操作して、検査を二つほど入れるので、来週来てほしいとのこと。
特に造影剤を注入してのCTを撮るので、その際には同席すること。その日は飲まず食わずに来てほしいこと。その次の検査は膀胱を尿でいっぱいにしてほしいので、すぐに水を大量に飲むことなどを説明してくれた。
そして、「私は腎臓結石の可能性が高いと考えています」と言い、ちょっとニヤリと笑って「私も実は経験しているのだけれど、結石は痛いよ。場合によっては超音波で破砕することも必要かもしれませんね。まァ検査次第ですが、とりあえず水を大量に飲むことをお勧めします。」
その一週間後に検査を受けたのだが、やはりN医師の予測通り腎臓に複数の結石が見つかった。その一つはかなり大きく7ミリ以上はあると思われた。カルシウムの結石と思われるようで、これを薬で解消することは出来ないそうだ。
ただ、これ以上大きくならないような薬を処方してもらった。その際、注意されたのだが、紅茶のストレートは止めた方がいいようだ。これには驚いたが、ミルクを入れれば大丈夫とも云われた。
コーヒー好きの私だが、実は紅茶も大好き。特になにも入れないストレートで毎朝飲んでいる。どうやら、これが大きな原因であるようだ。これはちょっとショックであったが、癌であるよりマシなのも事実。
ただし油断は出来ない。腎臓結石の痛みは半端なく、場合によっては麻薬系の鎮痛剤が必要らしい。困った、私は痛いのが苦手なのだ。
とりあえず、毎日毎朝水を大量に飲むことにしている。実は検査の際に指摘されたのだが、既に結石が一つ尿管に流れて排出されているようだ。それが血尿となって私を驚かせたようなのだ。
それにしても、毎朝の習慣であった紅茶のストレートが結石の原因になるとは思わなかった。朝の紅茶は美味しいだけに残念です。現在は砂糖抜きのミルクティーにしてますが、ちょっと物足りない気持ちは当分続きそうです。