ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

こそこそと

2025-01-08 21:19:51 | 日記

自動車免許を取った直後、父から与えられた車がHONDAのシビックだった。

以来30年以上、HONDA車を乗り継いできた。好きなメーカーでもあるし、トヨタや日産とは明らかに異なる自動車作りに惹かれていた。ちなみに中古車が3台、新車で2台乗り継いでいる。

だからHONDA車の良い点も悪い点も、自身の実体験から熟知している。良いのはエンジンだ。快適といよりも快感を得られるエンジンだ。特にマニュアルシフトを上手く駆使してエンジンの回転数を2千から3千あたりで走ると力強く、かつ快適なパワーが得られる。このエンジンの良さはオートマでは満喫できない。

しかし年齢と共に渋滞でのクラッチ操作が面倒に感じるようになり、営業に薦められて初代フィットを購入した。これが非常に良く出来た車で、長年販売数トップを独占していたトヨタのカローラから首位を奪取して大ヒットした。

ただしHONDA車の伝統的な欠点も引き継いでいた。それが電装系の故障の多さ。他にもシートのへたりとか、細かい欠点はあったが、慣れていたので気にならなかった。しかし、クーラーの故障には参った。あれは忘れもしない夏の盆休みに東名高速をドライブしていた時だ。

富士市を過ぎたあたりから急に車内が暑く感じた。なんと熱風がクーラーの送風口から出ている。夏の真っ盛りにクーラーが壊れやがった。急遽近場のHONDAディーラーに駆け込むが、応急処置も無理とのこと。しかたなく旅行は中断して帰京。正直頭にきていた。何故なら二週間前に半年に一度の定期点検を済ませていたからだ。

日中は避けて深夜に窓を全開にして帰宅し、朝一番で購入したディーラーに持ち込んだ。店長やメカニックと交渉して無料で交換させたが、盆休みに無理云って治させたので工賃だけは払った。この時の経験から、担当メカニックと親しくなり、後々助かることになる。

次の車も二代目フィットであり、これはデザイン的にも使い勝っても向上した良い車であった。しかし、二度目の車検を終えて二年、それそろ買い替えようかと考えていた。その時の候補は、3代目フィットではなく、二代目のフリードであった。現行のフリードとは異なりデザインも格好良く、スライドドアやら細かい改善点も多く、内心こちらに決めていた。

試乗させてもらい、工場裏のパーキングに戻した時だった。件の担当メカニックの方が近寄ってきて「後、二年待ったほうが良いですよ」と小声で話しかけてきた。周囲を気にしているようなので詳細は聞けなかったが、私は直感的にその言を信じた。

営業には次の車検時に買い替えると告げて、その場は立ち去った。その後、心臓疾患でしばらく運転が出来なくなったので、車は引きとってもらった。運転中に心臓疾患で事故を起こすのは真っ平である。

その後のことだが妙な噂を耳にした。日光の観光名所であるいろは坂でHONDAの車が故障を多発しているとのこと。他にも坂道の多い中央高速でも故障して止まっているHONDAの車の話を聞くことがあった。その時私が思い出したのは、フリードを試乗して戻ってきた時のメカニックの方の「後2年待った方が良い」との言葉であった。

ただし、この件でリコールが発表されることはなかった。おそらく内々で処理したのだと思う。ちなみに、車両の欠陥を公表して修理を求めるリコール制度は、自動車メーカーにとって経済的にも、またイメージ的にも印象が悪く、欠陥の公表を避ける傾向がある。

もっと言えば、死傷事故が起きてようやくリコールを宣する醜態を見せる大メーカーは珍しくない。これは欧米の自動車メーカーも同様であり、我が国でも隠して欠陥を治して知らん顔をすることが多い。ひどいのになるとリコールを発表しても治す技術がないメーカーもある始末である。日本ではあまり売れないメーカーなので知られていないが、欧米でも東南アジアでも悪評ぷんぷんである。

実はこの冬休み中、偶然だが某ホテルのビュッフェで件のメカニックの方と再会した。互いに連れがいたので、短い時間ではあったが真相を教えてくれた。やはり当時のHONDA車に搭載されていたハイブリッド・システムの構造上の欠陥が原因であった。

ハイブリッド車といえばトヨタが先行するが、HONDAはトヨタ方式ではないシステムを開発して使っている。そのシステムの構造上の問題で、坂道などで低速でのノロノロ運転を繰り返すとギアボックス内で高熱が生じ、それが原因で故障することを防ぐために安全機構が働きエンジンを止めてしまう。これがHONDA車が坂道で故障する原因であった。

故障はしても、事故にはならないということでリコールはしなかったらしい。しかも根幹的な改良が出来ず、最終的には別のハイブリッド・システムを開発して搭載することで問題を解決したらしい。つまり現在売られているHONDAの車には、同じ問題は起きないとのことであった。

メカニックの方は「もう大丈夫ですから安心して乗ってください」と笑っていたが、私は内心そういう問題じゃないだろうと思っている。これは私の邪推だが、HONDAの車がデザインを一新したのは、故障するイメージを払拭するための意味もあるのではないかと思っている。

私も新しいフリードを試乗したので、中身が良くなっているのは知っている。だが敢えて何故にこのようなダサい外観にしたのかが分からなかった。だが、故障の原因を知ったことで、なんとなくだがHONDAの経営陣が無難な外観を選択したのかが分かった気がする。

かつてHONDAは、創業者の宗一郎が固執した空冷エンジンを断固として止めさせて、水冷エンジンに切り替えた歴史がある。断固とした決断を下した若き経営者の判断に最初は憮然とした本田宗一郎も、結果的に優れたエンジンを見て納得し、引退を決意したという。

会社は大きくなり、経営に携わる取締役も増えたが、逆に決断力、判断力は衰えたように思えてならない。私は次に選ぶ車はHONDA以外から選ぶと思います。

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年初挨拶

2025-01-06 21:11:27 | 日記
明けましておめでとうございます。
 
令和7年の幕開けであるが、東京は何故だが正月が一年で一番寒く感じる。そのせいで数年に一回は、正月に風邪を引いて寝込んでいた。ここ最近はそれが予測できるので、可能な限り身体を冷やさず、家の中で出来ることをやっている。
 
つまり普通の家庭ならば年末に行う大掃除を正月休みにやっている。もっとも、やっているのは大半が本の整理である。未読の本を見つけ出し、既読の本は整理してしまい込む。その間に掃除機をかけて埃を払う。
 
この時は窓を全開にして風通しを良くしておく。これが風邪を引く原因となると分かっているので、防寒というよりも防風に重点を置いた格好で大掃除をしている。この時、絶対にやってはいけないのが、本を読みだしてしまうことだ。
 
これが難しい。小遣いの乏しかった十代前半の頃は立ち読みの名人と云われた私である。普通は漫画本などを立ち読みするのであろうが、私は小説やエッセイなども立ち読みで読み切ってしまう。今でも本屋に行くと、ついつい気になった本を立ち読みしてしまう。買ってからゆっくり読めば良いと分かっているのだが、長年の習慣とは恐ろしいものだ。気が付くと立ち読みをしている始末である。
 
分っていながら掃除中に読みだした結果が、今の部屋の中である。多分普通の人が見たら本の倉庫扱いされそうだ。鉄筋コンクリート造の集合住宅なので問題はないが、普通の軽量鉄骨の建物だったら拙いことになっている気がする。
 
そんな訳で私は必至の思いで本を読みだすことを断念して、ひたすら片付けをしていた。けっこうな力仕事になり、夕方には疲れてひと眠りする始末である。当然ながら正月休みでは終わるはずもなく、それでも日ごろ掃除機をかけれなかった場所を掃除できて軽い満足感を覚えています。
 
掃除ってやり終わると気持ちいいね。ただ、そろそろ本の処理をしたほうが良さそうだ。実は妹からも云われている「お兄ちゃん、いらない本を少しずつ片付けてね」と。まぁ長生きできないのは、妹もそう変わらない気がするが、甥っ子たちに変な負担は押し付けたくない。
 
そろそろ本格的に終活の準備をするべきかなぁと思案する正月休みでした。
 
この先、どれだけ本を読めるか分かりませんが、本年もよろしくお願いいたします。
 
追記 どうもgooブログがサーバーを攻撃されていたようで、なかなか更新できませんでした。未だ事務所のPCではgooにイン出来ません。また「いいね」なども機能していません。でも記事は読んでいます。完全に復旧するまでしばらく時間がかかりそうです。
 
 
 
 
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取り急ぎ

2025-01-05 17:01:11 | 日記

明けましておめでとうございます。実はご存じの方もいるかと思いますが、事務所のPCからgooブログにイン出来ずにいます。

自宅のPCやスマホからは大丈夫なのが不思議です。ただブログ用の原稿が全て事務所のPCに保存されているので、用意した記事の投稿ができずにいます。まぁ、明日には復旧すると期待しています。どうもgooがサーバー攻撃食らった影響のようです。

取り急ぎのご挨拶です。

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今年を振り返って

2024-12-30 14:35:59 | 日記

今年は年齢からくる衰えに悩んだ一年であった。

コロナ禍で家にこもる期間が長かったのも一因だとは思うが、それ以上にこれまで見てみぬふりをしてきた年齢からくる衰えを認めざるを得なかった。仕事のペースも落ちたし、体調を崩しやすくなったのもきつかった。

特に書かなかったが、秋のペースメーカー外来で胸に埋め込まれたICDからデーターを取ったところ、この暑い夏場に心臓が7回も小さい異常値を示していた。明確な自覚症状はなかったが、どうりで体調が良くなかったはずである。ただしICDは作動してないから、本当に軽微な異常だったのだろう。

私自身はそのデーター出力されたレポートを見ながら結構不安に感じたが、医者は全体としては良好であり、心臓の機能も4割弱から4割強へと向上していると説明してくれた。あまり実感はないが、出来るなら5割を超えて欲しいものである。

さりとて運動するなど主体的な体力向上も出来ず、むしろ衰えた身体を労り、十分な休養こそが一番健康保持に役立つと分かった一年でもあった。ただ間食好きなので、目標の減量がまるで出来なかった一年でもある。最近、ようやく適度な間食の量が分かってきた気がするので、来年こそ減量だと意気込んでいる。

ただ来年こそなんて科白は、今はイイやの先送りが見え見えのもの。だから先週の風邪引き以来、意識して間食を減らし、歩く距離を伸ばすように努力している。成果が数値で顕れるには些か時間がかかるのは分っている。でも、結構期待はしている。

さて、このブログ開設の目的であった昔読んだ本を読み返すであるが、今年の再読本は田中芳樹の「銀河英雄伝説」である。現在でこそ最も私が嫌悪する作家ではあるが、この作品だけは別格だ。ちなみに再読の契機はアメリカの大統領選挙である。

実はアメリカでは、この作品のアニメ化「銀河英雄伝説」が大いに話題となっている。日本のアニメといえば政治色が薄いのが特徴だが、この作品に関しては政治が大きな役割を果たしている。腐敗した上に無能な民主主義と、清廉潔白で有能な独裁政治の対比は、大統領選挙に揺れたアメリカ人には大いに心動かされるテーマであったらしく、40年前にこのような作品が作られたことも驚きであるらしい。

私は断固原作の小説派だが、アニメ版も非常に出来が良いので視たこと、読んだことがない人は是非ともトライして欲しい名作です。なお、田中芳樹の作品はこれ一作で十分です。間違っても他の作品には手を出さぬように。

一方、初読では「日本軍閥暗闘史」田中隆吉ですね。よく戦前の日本が大陸にのめり込んだのは陸軍の陰謀とか言いますが、その陸軍がいかなる理由、あるいは状況で戦争へ進んだのかについての当事者から提示された一つの回答です。

田中隆吉は戦後のGHQ主導の裁判においてアメリカ側の立場で証言しているため、旧帝国陸軍関係者に評判の悪い人物です。しかし、上海事変などの策謀に直接関わるなどした現場の事実を知っている人。嫌う人も、彼が嘘をついたとは言っていない。その意味で彼の主張による旧・陸軍首脳たちの暗闘ぶりを知ることは、本当の意味での戦争の反省につながると私は信じています。

漫画となると、これはもう「葬送のフレーレン」原作・山田鐘人、作画・アベツカサが今年一番楽しめました。特に最初は軽くみえた勇者ヒンメルの存在が作品の進行に伴いますます比重が増えていく。勇者とはなにか、その意味を考えさせられると同時に、ヒンメルの秘めたる恋心が切ないです。私は近年漫画を購入することを控えてきたのですが、これはもう我慢できなかった。現在は私の枕元に山積みとなっています。どの巻を読んでも楽しめる良作品だと思います。

もう一冊挙げるとしたら「メイドインアビス」つくしあきひと です。これは可愛らしい絵柄に騙されると本当に痛い、痛すぎる。今の心境は「ナナチ、お前死んじゃうのかぁ~」です。まだ未完の作品なので多くは語りません。本当は多くの方に読んで欲しい作品ですけど、ダークファンタジーに不慣れた方には辛いはず。読み手を選ぶ漫画だとは思いますが、機会がありましたら是非どうぞ。

映画ですが、実は今年劇場で鑑賞したのは「ゴジラ−0.1」だけです。特に記事にしなかったのですが、やはり目は完治しておらず、涙ポロポロは避けられましたが、目の奥の痛みは数日引きませんでした。医者の見解では、小さい傷なので日常生活には支障はないと思ったが、映画館の内部での鋭い光には、まだまだ厳しいのだろううとのこと。来年こそは是非、映画は劇場で・・・といきたいですね。

今年も残すところ一日。皆様におかれましても、良い年を迎えられますように切に願います。

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冬眠は続く

2024-12-17 09:13:59 | 日記

昨日の夕方には39度近くになり、焦って病院へ。緊急外来はかなり忙しげで30分近く待たされましたが、幸いにしてコロナでもなく、インフルエンザでもありませんでした。処方された解熱剤だけいただき夜半に帰宅。今朝は37度ちょうど、まだ平熱よりは高いけど苦しくはないのが救い。でも用心して今日も冬ごもりいたします。

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