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入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    ’16年「初秋」 (5)

2016年08月20日 | 法華道と北原師

本日も露天風呂は大好評

 やはり法華道の草刈のことが気になっていたのだろう、昼過ぎ人の声がして出て行ってみると、北原のお師匠だった。小黒川林道から本家・御所平峠までの草刈をしてきたという。約1年前に体調を崩してから、法華道の草刈をするのは初めてのことだ。家を出たのが朝7時ごろで、一人で運転してきて、ここには立ち寄らずそのまま草刈に行ったらしい。御年87歳、まだ草を刈り続けようとする師の胸中を思うと哭ける。
 本家・御所平には師が背負い上げた地蔵と、石板に御所平峠と彫らせた標識が立っている。誰も手入れをしなければ、早晩古道は元の草原の中に消えてしまう。しかし、この地蔵と標示板だけは残る。いつまでも、忘れられた歴史を、北原のお師匠になり代わり、伝えていくはずだ。師はそう願って、あれらを残したのだ。
 何度でも書く。入笠山への表登山口にある「御所平駐車場」という表示は、正しくない。

 午後からまた雨。さっきから女性の笑い声がする。霧に守られて、どうやら露天風呂入浴を敢行したらしい。最初は躊躇するが、湯にはまるのは決まって女性軍。
 かんとさん、昨夜は月の出る前に、子供たちに土星を見せてあげることができました。T永氏もそのころ来るとのことです。恐縮ですが、雨はそちらに置いてから出掛けくださるよう切に願います。
 
 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H28年度の営業案内」及び「続・H28年度の営業案内」をご覧ください                  

 

 

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       ’16年「冬」 (41)

2016年02月27日 | 法華道と北原師

    「法華道・脛巾当(はばきあて)」付近

 あれから1週間が過ぎてしまった。そろそろまた、法華道が呼んでいる。これまでは雪の法華道しか知らなかったが、前回の雪の少ない、その代わりにクヌギやヤヤマグリの落葉に埋もれた古道も、なかなか風情があってよかった。すでに書いたことだが、あの日はスノーシューズを使わずに登った。「山椒小屋跡」を過ぎて雪が多くなってきたが、それでも履かずに済ませた。有難いことに雪は凍っていて体重を支えてくれたから、大きく幾度も曲がりくねる林道をほとんど無視して行くことができた。
 所要時間については、感覚的には3時間よりも2時間に近かったのではないだろうか、という気が今はしている。「脛巾当(はばきあて)」まで1時間ないしそれに近い時間で上がったことは過去にもある。問題はそこから本家御所平峠までの1時間である。普段ならその辺りから雪が深くなり、時間も食い、正念場となる。
 しかしあの日の雪の状態は、ほぼどこでも歩けた。特に目印となる「大岩」の付近は、右に左に大きくクネクネと曲がる山道が続き、無駄で、厄介な場所だが、この時は思い切って林道をはずれ、森の中を進んだ。予想外の速いペースに気付いてからは、急ぐ必要などなかったにもかかわらず、時間の経過を気にするようになった。そして、さらにペースは上がったかも知れない。
 到着時の10時50分着については、iPhoneでも確認したから間違いはない。近いうちにまた登ってみれば大体の判断ができるだろうが、もし所要時間1時間50分が間違いなかったとなると、またややこしくなる。雪の状態に大きく左右されるということはもとより承知していても、どうしても次回から、その最短時間を意識するようになるからだ。
 
 あの古道を、旅人は身延山に参詣するために通っていった。「法華道」という名はそこから付けられたという。善男善女の後ろ姿が、目に浮かんでくる。そしてひとり一念発起して道標を立て、古道を守り、後世に残そうとした北原のお師匠の元気な姿も・・・。

 脛巾(はばき):外出・遠出などの折、脛(すね)に巻きつけるもの。布や藁(わら)で作り、上下に紐を付けてしばる。後世の脚絆(きゃはん)に当たる(「広辞苑」)。

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    拝啓 お師匠さま

2014年08月28日 | 法華道と北原師


 今日も相変わらずスッキリしない天気だ。今週の始め、「木曜日には天気も安定する」と予報していたが、はずれた。
 
 昨夜、北原のお師匠から、
「あんなキノコの写真などをプログに載せられたら、気が騒いで困る」
 と抗議の電話を頂いた。そして、
「ご臨席を仰ぎは、いくらなんでも持ち上げ過ぎじゃないのか」
 とも。
 先日、囲い罠に入った鹿の殺処分をわざわざ見に、朝早くからお越しいただいたので、弟子としてはそのように書いたのだが、過ぎたる表現と「お感じになった」よう。
                  ・  

                  ・ Photo by Ume氏
 
 お師匠、普段は口論ばかりしている師弟とはいえ、一応このブログも公(おおやけ)の場ですからして、普段は不肖の弟子であっても、こういうときには師に対して姿勢を正すのです。
 今年はハナビラタケも結構採れたようだし、雑キノコに心騒がすとはお師匠らしくもないじゃないですか。まぁしかし、そのうち天気も秋らしくなるでしょうから、また登ってきてください。
 ただしその際、もう少しおとなしい運転を心掛けてください。いま山室の谷は工事用のトラックが頻繁に行き来してますから、あんなにスピードを出しては危険です。
「スピードが少し高目のほうが緊張して、安全だ」
 などと仰いますが、なんと言ってもお歳がお歳、ラリーやってるんじゃないですから。

 こんな天気ながら、T氏夫妻現る。氏の主宰するグループも20年以上、このキャンプ場を利用してくれている。後続部隊は明日、明後日か。他にも予約を頂いている。このブログを読んで来てくれる人が増えた。ありがたい。早く秋らしい天気になってもらわないと・・・。

 宮本さん、いとうさん、ママさん、大阪さん、ありがとうございました。五領丸さん、過分なことをしてもらい、取っておきますから、この秋またいらしてください。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては7月9,13日のブログをご覧ください。 
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入笠牧場冬の異聞

2013年11月16日 | 法華道と北原師

天気:晴れ、気温:6度C(昼)

 今朝は下でも霧が深かった。杖突街道から小豆坂トンネルに向かって登り出すと、黄色く色付いた落葉松が朝の日を浴びて輝き始めたが、そんな中、まだ霧はよどみたゆたいながら、幾つもの谷を埋めていた。山の端に近い空は澄んだ薄青色をしていたが、突然、かつて訪れたことのあるシラムレン大草原の空と重なった。驚いたが、今朝の淡い空のあの青さこそは、まぎれもなく、内モンゴルの大草原から眺めたときと同じ、懐かしい空の色だった。

 芝平峠を過ぎると景色は一変し、雪景色となった。「ど日陰の曲り」辺りは、このまま根雪となってしまうかもしれないと案ずるほど積雪があって、暗く寒々しかった。
 
 そして上に出てまた印象は変わった。




 写真は2枚とも「アラスカの森」にて

 北原のお師匠も今年最後だと言って登ってきた。お供して、「本家・御所平峠」へ。
 
 実はこの峠で、最近思いがけないことがあった。富士見に住むクライマーのM氏が、先日御所が池に遊びに行った帰り、偶々地蔵様の賽銭箱の近くでいまにも風に飛ばされそうな紙幣を見付け、持ってきてくれたのだ。なんとそれが、風雨に汚れた5千円札だった。後日そのことをお師匠に伝えた。「此処にそんな心の持ち主が来てくれたのか」と、感動しきり。今回も前回のように、他の貴重な賽銭とともに「地蔵様の意を込めて、少しでも世の中のためになるように使わせていただきます」ということだった。
                                 
                                
 
 山小屋「農協ハウス」の冬季営業については、11月1日のブログをご覧ください。
 
 あの深い森の中であなたが出会うのは、雪の精か、それとも森の精か・・・。
                                     




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   北原のお師匠には泣ける

2013年10月06日 | 法華道と北原師



 天気:曇りのち晴れ、気温:20度C(昼)
 牛に塩を与えようと第1牧区まで行きゲートをガチャガチャしていると、来たきた遠くから和牛を先頭にして、大喜びで。いつでもこういう行動を見せるわけではないから、やはり、こっちの給塩のサイクルが分かるのかもしれない。ハイ一列縦隊で、ヨシヨシ。
 
 今日は富士見の自転車競技があり、この牧場の道路の一部もそのコースに入っていた。そこで小黒川林道へ下るゲートの前で、係りの人と話しながら元気に通過してゆく選手を見ていると、北原のお師匠現る。
 しかし、なんとなく様子がおかしい。何か自分だけでしたいことがあるようで話していても落ち着かない。こういう時は決まって弟子に知られたくないことをしようとしているか、師匠と弟子の意見が合わないことを強行するときの態度である。師匠のキノコ採りの季節はもう終わっているはずだし・・・。そんなところへ、「焼き合わせ」で写真を撮っていたIz氏とNz氏が来たので、師匠とはひとまず別れた。
 昼過ぎてどうしているかと電話すれば、テイ沢の上流でキノコ採りをしているという返事。そんな場所でキノコ採りをするなど初耳、やはりおかしい。
 それから不肖の弟子は師匠をひとまず忘れ、第1牧区で牛の相手をしたり草や牧柵の状況を見て回っていると、師匠から電話が入った。けっこう興奮していて嬉しそう。
 ナント、お師匠は夫婦岩の夫岩(下流から見て左)に登ったというのだ。事前に話せば絶対に反対されるに決まっているからと(もちろん反対しますとも)、弟子の心を読んでの行動だったのだ。弟子は登っているのに師匠はまだだったから、それも面白くなかったかもしれない。
 お師匠はもうすぐ85歳におなりになる。そういう人が、まるで子供のような好奇心を失っていない。登路のない危険なあんな場所へ内緒で登り、そこで見付けた馬頭観音の由来にすっかり虜になってしまっている。
 本日のブログのタイトルは「北原のお師匠には笑う」だったが、改め「泣ける」にしたい。お元気でいてください。ブログが私信のようになってしまったけれど、本日はご容赦ください。
 今夜も素晴らしい星空を期待しつつ。
 
 
 
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