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きょうで6月も終わる。1年も半分が過ぎたわけだ。それを早かったと思うこともあれば、逆に長かったと感ずることもないではない。この半年間を漠然と振り返れば、呆気なかったと思うが、牛がここへ来てまだ1ヶ月も過ぎていないことを考えれば、この間は結構長かったとも言える。
暦の上でのちょっとした節目で、こんな感慨を抱いてみても詮無いこと。分かっている。時は無慈悲に、かつ正確に過ぎていくだけで、138億年という時間の恐らく一瞬にしか過ぎないわれわれの歴史、その中で洩らした人間という一生物のあたかも吐息のような思いなどには、神でさえ頓着することはないだろう、ナンテ。
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昨日は人に頼んで発注してあったこの本、「孤高の道しるべ」を入手するために里へ下った。副題には「穂高を初縦走した男と日本アルプス測量登山」とある。
以前にも呟いたことがあるが、明治の時代に宮内省に勤務し、皇室の御料林の調査及び測量、確定などに多大な貢献をした神足勝記について、上条武が綴った一書である。上条も長年林野行政に携わった、謂わば神足の後輩である。
同書については神足だけのことが綴られているのだと思ったらもう一人、鵜殿正雄という穂高、槍を初縦走した人のことも詳細に語られている。ただし、この人物のことは知らなかった。
立派な箱入りの上製本で初版は昭和58年(1983年)、定価3600円とあるから、当時としてはかなり高価だが、その価値は充分にあると思う。ようやく手に入れた本だから、読むのが楽しみだ。
神足のことや、この本のことを教えてくれたのは神足の研究を続けている財政学が専門の大澤覚氏からであった。氏が神足の足跡を調査しに入笠へ来たときに偶々知り合い、それ以来、神足に関する新しい著書が氏の手で一日も早く世に出ることを期待して、折に触れて連絡を取らせて貰っている。
入笠山が伊那側の人々の一部からは「雨請い岳」と呼ばれていたこと、「御所平」や「仏平」の古くからの地名も、案内人の中に芝平の住民がいたことで神足にも伝わったようだ。彼らの氏名もちゃんと記録されているから、北原のお師匠なら記憶にある人がいるかも分からない。
本日11時55分の気温26度、快晴無風。訪問者無し。
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本日はこの辺で。