ようやく、春らしい陽気になった。きょう、TDS君とM君と3人で予定通り例のカタクリ峠へ行ってきた。しかし、撮った写真はこんなもの2枚だけで、ここで使うつもりでいた写真のことをすっかり忘れていた。1枚目の写真は、前年の大雨でこれより先に進むのを諦めた際に記録として撮ったものだ。
やむなくいったん里まで引き返し、帰路に予定していた林道を逆方向から向かってみた。今年は残雪が多く、まだ無理だろうと言いながら目的地へ着いたら、2枚目の写真のように律義な山野草が落ち葉の中から顔を出したばかりだった。
帰りには、雪の残る林道の脇に蕗の薹の群落を見付け、これにも大いに喜んだ。(3月30日記)
気が付いたら、3月もきょうで終わってしまう。この月は日の光にも季節の新しさ、初々しさを感じたが、4月ともなればその新鮮さにも慣れっこになるような気がする。
昨日訪れた西山の裏側は、山肌こそまだ冬の名残を見せていたが、三方から落ちてくる尾根の広大な空間に、まるで集中したかのように暖かい日の光が満ち溢れ、灌木が主体の落葉樹はまさにこれから芽吹きが始まるばかりだった。清流は岩を噛み白濁し、時に速く、時に緩やかに流れ、冷たさが薄れ見る者を爽快な気分にさせてくれた。
それがはしなくも3月との別れとなり、きょうは雨でも降りそうなすっきりとしない天気だ。
入笠ばかりにしがみつき、他の土地へ出向かなくなっていた。ところが昨日は、どこにでもあるような自然の中でその良さをしみじみと味わった。他方その前日には、地域に充分貢献したはずの萱野高原の見捨てられたような侘しい建物も見た。
もしあそこが何もないままだったなら、訪れた人はあの自然、眺望に感動し、満足して帰っていくだろう。ちょうど、われわれが昨日そうであったように。自然のままが一番いいと分かっていても、15年間の愛着が嵩じて入笠一帯には矛盾した思いを依然として持ったまま、整理し切れずにいる。
一昨日は、山裾に小さな峠を含む気分のいい散歩道を見付けた。その先の桜の木がたくさん植わった小さな公園では、出くわした春休み中の2名の少女と言葉を交わした。
牧場の仕事が始まるのもついに1ヶ月を切り、今年は入牧までの準備がかなり大変になるし、撮影の話もすでに来ている。畜産課にも人事があって、親しく、頼りにしていた課長も移動になるという。牧守の人事はなく、先日契約を終えたばかりだ。
本日はこの辺で。