入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

深い霧の立ち込めた森の中へおいで

2013年06月30日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
 天気:曇り、気温:13度C(午前9時現在)

  


 昨夜友人が米と新鮮な野菜を持ってきてくれたので、いつにもまして懇ろに朝飯を作り、弁当も用意する。

 もうだいぶ昔の話だが、料理人を気取って小さな店を始め、3年で潰してしまったことがある。
 そもそも料理に興味を持つようになったのは、丸元淑生の料理関係の本を読み始めてからで、この人は変わった経歴の人。東大の仏文を出て編集者になり、そのご芥川賞候補になるも受賞は果たせず、しかし料理や栄養学に関する著作で有名になる。健康的な食事が終生のテーマであったが、皮肉にもガンに倒れる。
 宣告を受けたその日の帰路、ご子息によれば、「まだ7か月もある。みんなで楽しくやろう」と言ったという。さぞかし濃密な7か月を、大切にそして丁寧に生きたことだろう。
 
 人は安易に生きようとしてかえって困難を背負い込むこともあれば、敢えて困難に挑み濃密な人生を選ぶ人もいる。自分自身はどうだったかと自問するも、まだ結論は出さない。

 深い霧に誘われて、きょうも森の中を牛の姿を探して歩く。いい一日だった。



                           管理棟と山小屋「農協ハウス」
                       
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遠くに雷鳴を聞きながら、長く森の中を歩く

2013年06月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
天気:曇り後雷雨、気温:15度C(午前9時現在)


 昨夜伊那の街で大酌したせいか、はたまた疲れがたまってきたのか、しばらく牛と一緒に横になっていたら眠ってしまう。

 牛は日に体重の12パーセントの草を食べると教えられた。500キロの牛なら60キロの量の草を食べることになる。また、1頭の牛を1年間牧草で育てるには1ヘクタールの草地が必要だとも。


 昨年の鹿の捕獲実績を調べてみたら、6月はくくり罠だけで17頭捕っている。大型の囲い罠は牛がいて、使用できなかった。2日に1頭以上の計算になる。今年は6月の実績は5頭でしかない。以前にも書いたが、鹿の頭数が減ってきたという気がしている。牧草の被害も少ない。電気牧柵は鹿によってよく切られるが、今年はまだ2回だけだ。好んで殺生をしてるわけでなし、しないで済めばそれにこしたことはない。ただ罠師としての立場もある。


 昨日につづき今日もテイ沢を下り、高座岩から本家御所平峠を通ってきたという登山者に会う。また、高座岩に登らず、小黒川林道を歩いてきた夫婦には道を尋ねられ、いろいろ話す。お二人には大沢山と貴婦人の丘にも案内し、48畳敷の山小屋「農協ハウス」も見てもらう。テイ沢も含め、本当におススメは伊那側にあるのだとも強調しておく。

農協ハウスとキャンプ場




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日は射さなかったけれど、風もなくきょうは山も静か

2013年06月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

天気:曇り、気温:13度C(8時45分現在)





 昼飯を食べていたら、人の声がする。外に出て見ると、北原のお師匠。午前中はキノコ採りをして、午後は北原新道のクマ笹刈りをするとのこと。茶でも一杯と勧めたが、そんなことをしてる間はないと言う。一度言ったら何を言おうと聞かない「イッコクサマ」、弟子としてもノンビリ昼飯を食べてもいられなくなる。
 で、鶴嘴を担いで後を追う。当時の営林署、今は森林管理署というらしいが、に何度も足を運んでようやく「クマ笹を刈るだけならよろしい」という許可を取り、小黒川林道から高座岩までの登り道を切り開いたのだ。オッセッカイを承知で登り口に簡単な案内板を立て、勝手に「北原新道」と名を付けてしまった。その後お師匠は役所から何事か言われたらしいが、良い名前を付けたと思っている。
 道を少し平らにしたり、急登するところは折り返すようにと考えたまでは良かったが、いやー実際にやってみると大変な労力が要る。肌着一枚で奮闘したら、全身が痒くなって大いに弱る。
 そんな訳で、今日はこのブログに予定していたことは、明日に送ります。下では、待っている人がいることを忘れていた。「山のおうち」のFさん、そういうことであしからず。

 昨日は天気も良くなかったのに、大阿原の案内板を見てテイ沢を下ってきた藤沢の3人の女性の登山者、あの普段は閉鎖しているコースからの頂上もなかなか良かったでしょう。


                                
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こんなに元気そうな牛たちも・・・。

2013年06月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 

 乳牛の寿命は短い。生後およそ14か月で子を身ごもり、10か月後出産、つまり2年目にして早くも母親になる。そして搾乳が始まる。子牛を生んでから2か月後には新たに次の種を宿す。二度目の出産の2か月前になると閑乳と言って搾乳が中止される。このサイクルを4回ほど繰り返して、乳牛としての役割が終わる。
 どこぞかの地下水をポンプアップしてペットボトルに詰め、ナントカ名水と称して販売されてる水と、精魂こめて育てた牛の乳との値段に大差ないということ、おかしい。
 かつて、産油国は産出する石油の価格を決めることができなかった。決定権はメジャーと呼ばれる巨大石油資本に握られていた。乳牛の価格もそんな関係にあるのだろうか・・・。
 牛乳は遠い昔から愛飲されてきた。加齢とともに牛乳を消化する酵素が体内から失われていくことから、苦手な人はヨーグルトを飲めばいい。


   
     
                      

 この牛は群れに入れず一本の支柱に長いロープで繋がれていたそうで、入牧した日は一頭だけ他の牛と離れて、啼いてばかりいた。激ヤセしていたので、要注意の牛だった。だが、ここへきて大分体型もそれなりになってきたので、ここに登場してもらった。今では仲間もでき、楽しくやっている。
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今日は風雨激しく、霧も深い。しかし、落ち着く。

2013年06月26日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
今朝9時の気温:11度C


 牧場で働く7か月のうち、今日のような天気が3分の1を占めるだろう。6月から7月の梅雨、9月の長雨・・・。

 富士山が世界遺産に登録されたというニュースを見た。その意義について、ここで勝手なことを言うのは控えよう。美しい山だ。好きな山で、娘の名前もこの山に因んで付けた。開山の期間を外して、どの季節にも登った。5月の終わりごろから6月の初旬にかけては、山が一番おだやかなときだ。山頂から眺める澄んだ青い空が懐かしい。だが、串田孫一の著書のタイトルではないが、「もう登らない山」だろう。
 さて入笠山、先週の日曜日富士見側からは1、000数百人の登山者があったという。伊那側は交通規制もしていないが、静かなものだった。伊那側から登る人は、できたら北原の師匠が苦労して復活させた「法華道」を、歩いて登ってほしいものだ。実はこのルート以外にも、幾つか魅力的な山道や古い登山道もある。以前、あれは秋ごろのことだったか、感じの良い中年の夫婦と牧場の南門入口で出会ったことがある。聞けば、戸台から入って東谷手前の崩落現場近くに車を止め、歩いてきたという。往復10数キロある。なかなか良いコースを選んのものだと感心した。手軽に登るなら車やゴンドラ、静かな入笠の広い山域を歩くなら伊那側から、歩いてきてほしものだ。元気な人には、入笠から鹿嶺高原の往復25キロを勧めたい。

 鹿の食害が減少傾向にあるという気がする。牧場の草は一部を除いて、良好。これなら200頭でも大丈夫だ。近々に夜間の調査をしてみたい。

 昨日、広い範囲であったが塩場から見える草地に全頭の牛を確認できたので、引き返して塩を持っていった。笛を吹いてから大声で呼ぶと、幾頭かはすぐ反応して走ってきた。人間でもそうだが、敏感なのもいれば、そうでないのもいる。それでも、結局全頭が塩にありつけたよう。今日はさすがに厳しそう。負けるな!

 少しづつ、充実した内容になるよう努力します。Sさん、いつも読んでくれてありがとう。
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