きょうで3月も終わる。実に早かった。それでいて、きょうの写真は先週行った身延山久遠寺で撮った花だが、それがつい1週間前のことだとは思えないほど、あの日は遠くへと行ってしまった。ひと月という単位で3月を考えれば呆気なさ過ぎるが、そこに数々の記憶を詰め込んでいくと、途端にその長さが過去へ向かって何倍にも延びる。結局はどちらも錯覚で、言うまでもなく3月は変わらぬ速度で時間を刻み、終わろうとしている。それにしても「今」という時間は、存在しても存在していないほど速い。どれほどの「今」が続けば1秒になるのだろうか。
暖かくなってきて野良に人の姿が見えるようになったというのに、「いい歳こいて」途方もないことを言い出してしまった。
鳥の声がさっきからずっとしている。ムクドリかと思ったが鳴き声はあんな品のない声とは違う。双眼鏡を持って外に出てみたら、さきほどまで柿木の枝にいた声の主たちは、いつの間にか姿を消してしまっていた。今年も、上に行くようになればしばらくは、野鳥の声とその姿を知りたくなって道中で右往左往することになるだろう。しかし、いまだに熱意と努力は報われず、初心者にもなれないでいる。野鳥の本なら3冊あるが、残念ながらほとんど役に立ってくれない。
それでも、早朝の山道を行くのが楽しみで、目が覚めれば時間に関係なく家を出る。木々の芽吹きが始まったころなら、鳥の姿を容易に見付けることができそうだし、きれいな声で鳴いてもくれる。もしかすれば、というか多分、それぞれの鳥の名前や鳴き声を知るよりも、4月から5月にかけての新鮮な朝の日が木々の間から降り注ぐ、あの爽やかな森の雰囲気を気に入っているのだと思う。まず、真っ白いコブシの花が咲き、山桜も追いかけるようにして咲き出す。そして落葉松や白樺の木々が、不愛想で味気なかった暗い森を薄緑色で塗り替えていく。そういう中に、幾つもの鳥の囀りが聞こえてくる。
昨年は4月10日に雪が降り、仕事始めからド日陰と牧場内の2か所ある「大曲り」のり除雪を幾日もかけてやった。取り消しになったが、小屋に予約が入っていたからだったが、今年は仮に雪が残っても、そこまではやらないで済むと思う。
ムクドリが戻ってきた。「口ばしと脚は長く、オレンジ色をしている。顔には灰白色の斑があり・・・(「長野県野鳥図鑑」)」ウーン。
本日もお粗末な独り言。