入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

    2017年元旦

2016年12月31日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 30日午後2時、低温の日が続いたせいか、入笠は思いのほか雪が融けずにいて驚く。小屋の前に猟師が来ていた。長話になり、コーヒーなど供してさらに話し、4時ごろ別れる。取水場の水を確認、安心して部屋で呆けているうちに眠る。夜の9時ごろ目覚めると、外気はすでにマイナス10度C。所在なさも手伝い10時ごろ、布団を引いて眠る。12時35分、快眠の清々しさを覚えつ、朝の7時と読み間違い起きる。しばしまた酔いの名残の深夜、足掻きにも似た瞑想を試み妄念の晴れぬまま2時間、困憊して痴呆症のごと眠る。8時半、起床。さすがに、眠り疲れた。木綿の肌着、発汗対応の肌着、セーター、羽毛服、厳冬期用の寝袋、毛布2枚、掛布団1枚。下腹においては猿股(クク)、中国製厚手のカシミヤズボン下、ズボン。この時恐らく、世界で最も厚着をして寝る男として、ギネスに登録されるに相応しかったかも。
 朝、「アラスカの森」の静寂(しじま)を歩く。感懐深く、所感沸々、雪上に酒気消失。
 午(ひる)、HALの姿見えず、事故でもあったかと心配する間、犬は種平夫妻と入笠山へ行ってきたと知る、安堵。よほど夫妻には信頼を寄せていたのだろう。しばし語り、結局、種平夫妻と一緒に山を下る。
 夜、NHK・第2にて音楽三昧。就中、またしても楽聖の「第九」、第3楽章でまさしく名状及ばざるの深妙を識り、第4にて感動狂気にも似て爆発、止まず狂う。10時少しして、紅白歌合戦において従弟の長男がバックで踊るとのこと、何年振りかで歌合戦をその間のみ見る。も、いずれが当の子なるか知れず。
 除夜の音を遠くに聞きつつも、気合すでに尽き、19・・・(まだこんなこと)、改め、2016年を寂しく送る。今年も、ただただ感謝と惜別、ありがとう、そしてさようなら。

 新年あけましておめでとうございます。
 昨年もこの世迷いの戯れ言、多くの方々に読んでいただき、お蔭でその中には、「天空の牧」へと足を運んでいただた方もいました。有難いことです。今年も続きます。よろしくお願いいたします。ところで伊藤さん、あんなに美しく「御射鹿池」を撮ってはまずいのではないですか。
 それはさておき、読者の皆々様に感謝し、さらなるご支援と、ご指導を念じまして、2017年のご挨拶といたします。また、たくさんのコメントもありがとうございました。
 2017年元旦
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    ’16年「冬ごもり」 (33)

2016年12月30日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日行った、長谷の入野谷にある「入野谷生涯学習センター」だが、ここには宿泊施設と入浴施設、および体育館がある。名前の「生涯学習センター」なるものがどのような活動を行っているのかまでは知らないが、三峰川の上流の山間にあって、美和ダムが造ったダム湖を右に見ながら遡り、黒川の合流点からさらに3キロほども行く。この合流点から左折して黒川沿いに進めば、南アのスーパー林道の発着所がある仙流荘に行ける。
 両施設とも自宅からだと25キロくらいの距離になる。もっと近くにも入浴施設はあるが、この道中の風景がたまらなく好きで、同方向にある仙流荘か入野谷のこの施設の風呂までわざわざ出掛けていくことが多い。
 どちらの施設も普段は空(す)いていて訪れる者にはいいが、それだけに経営する側は大変のようで、その苦心も察せられる。繁忙と有閑、この兼ね合いが難しい。

 とか何とか言っているうちに、もうすぐ昼になる。サウナと薬の効果で、風邪はほぼ治った。そうなると無理しても上に行きたくなる。歩くとなればそれだけのことをしなければならないが、今回は車で行けば済むことだ。行って取水場の状況だけでも是非とも見たくなる。ここまで来れば、この衝動はもう立派な病気だ。風邪は治りつつあるも、この病気には薬もない。因果と言って諦めてもいいが、さて何のだろう。

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    ’16年「冬ごもり」 (32)

2016年12月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 また入野谷まで、思い切ってきょうは風呂に行ってきた。いつまでも、ヒマラヤ状態を続けていても回復に向かわないし、明日から上に行ったとすれば前年の汚れを身に付けての越年となってしまう。それではさすがにスッキリとしない。今回はサウナで体中の風邪の毒素を絞り出すと決めたのだが、五分五分の勝負で、失敗すれば寝正月を覚悟した。
 近年、入野谷の分杭峠がゼロ磁場として全国に知られるようになって、精神やら肉体を病む人たちが多数やって来るらしい。先日行った「平家の里」も、きょう行った「入野谷生涯学習センター」もこの峠に通ずる麓にある。この峠を超えて、遠く静岡まで、「古道・『秋葉街道(=国道152号線)』」として今も残るが、その古道を行けば南アルプスの山中に一世代も二世代も前の古い宿場町の面影を目にすることができる。善男善女がかつて「火伏の神・『秋葉神社』」を目指した街道でもある。
 芝平にしても、この入野谷の奥にある「杉島」や「浦」、「田城原」や「小瀬戸」もそうだが、人は何があってあんな辺境の地を選び、住み着き、暮らしたのかと、今ではもう癖になってしまっている例の疑問を相手に、あれこれ想像しながら帰ってきた。
 あ、風呂から出て体重を計ったら、ナント60キロを割っていた。一瞬、目が眩んだ。

 帰ってきて、家の近くの薬局へ行き「すぐ治る風邪薬をくれ」と冗談めかして言えば、先方動ずることもなく、ならばこれしかないとエラク自信満々で2種の薬を持ってきた。素直にそれらを購入し、服用した。あれから2時間半、サウナの効果か薬の効果か、このままいけば今夜からヒマラヤ状態を脱出できそうだ。

 O沢さん、いろいろ見付けるものですね。孫文ですか、おそれながら頂きました。「すずらんの里」へ行ったというのも、さすがです。赤羽さん、休み中に「エンデュアランス号漂流記」(中公文庫)の一読を勧めます。NKZさん、楽しみにしてますので、ぜひそうしてください。Ume氏は、また新兵器を考えているようです。

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    ’16年「冬ごもり」 (31)

2016年12月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 一日の終わりを納得させるように、深く心に染み入るような夕暮れがまたやってきた。いつの間にか風の音は絶えて、さっきまでしていた鳥の声も聞こえてこなくなった。
 きょう一日、何をしたかと振り返っても、年末の残り少ない貴重な日々をただ無為に過ごしただけだ。正月が近づくから、少しは人並みのこともと思うが、何もそれらしいことはしないでいる。大掃除もしなかったし、好物のニシン寿司も漬けなかった。時鮭ぐらいは買おうとしたが、それも止めた。正月料理などというものは、賑やかな家族がいてするもので、いい歳をしたやもめがそんなことをしたら却って痛々しい。餅だって、食べるものか、ワハハ。
 それでも、あの人たちのように悪政に苦しみ、同胞と殺し合い、危険な逃亡を試み、或いは誤爆という理由で生命を落とす、そういう不幸を体験することもなく、こうして夕暮れのひと時、過ぎていく時間にわずかな未練を覚えているだけというのは、幸福者だろう。

 30日には上に行くつもりだが、まだ風邪が居座ったまま。

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    ’16年「冬ごもり」 (30)

2016年12月27日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 これで三日、ヒマラヤの高所でもないのに問題の羽毛服を着たままでいる。と、なれば、身体中に汗の残滓も付着しているはずと、昨日は遂にたまらずに風呂に入り、また調子を悪い方に戻してしまった。
 それで、今も身から離さない羽毛服のことになるが、正面にはほぼ値段にふさわしい量の、まあまあ良質なグースダウンと思しきダウンが入っているが、問題は背に当たる部分である。ここに入っているべきダウンが少な過ぎるのだ。羽毛はしっかりと空気を抱いて離さない。だから暖かいのであって、横になって背中で圧迫されればたちどころに空気の留まる空間が狭まり、保温の効果は減殺されてしまう。だから、正面よりも背後が重要なのだが、それが分からない海外の某有名ブランドなのである。羽毛をケチりたいのなら、シンサレートのような化学繊維も背中の当たる部分には入れておけばよい。とこが、正面はフッカフカ、背中はペラペラの薄い化学繊維だけのようになってしまっては風を防ぐ効果しかなく、背中に関しては値段だけの保温を期待することができない、という結果になってしまったのだ。
 似たような例は他にもある。すぐに靴のフックが飛んでしまう山靴、簡単に切れてしまう靴紐、踵部が狭すぎて不整地では安定して歩けないトレッキング用という靴。まだまだある、丈の短い、そしてフードの小さ過ぎる雨具、雪面で転倒すれば衣服が橇化するツルンツルンの山用の衣服・・・。みんな、そういうものだと思って受け入れてるのだとしたら、エライ。
 山の安全についてはうるさい人々が、肝心の衣料について言葉少ないのはどうしたことなのだろう。以前は、遭難の度に、身に着けていた装備品の不備を決まって指摘されたものだ。何しろ、雪山で使う断熱マットに相当する敷物が、炭俵の時代のことで、ウインドブレーカーは防水の機能がなかった。
 近年の登山ブームも一役買って、装備や衣料は格段に進歩した。そのことは、認める。それでも街では、ニワトリの羽が、ダウンとして堂々とまかり通ている。ワインに似て、ダウンも値段の差が分かり憎いのだろうかと言えば、ワイン愛好家に叱られるかも知れない。

 入野谷までわざわざ行って、「平家の里」の焼肉と評判のめっちゃ辛いラーメンを食べてきた。そして一気にこれを書いた。熱に浮かされているところもあったろうかと案じつつ、失礼いたします。

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