(前日からの続き) 鹿の行動には全く変化なし。あれだけの音がしたのに、そのまま鹿は草を食べるのに集中していた。
そしてその日4時過ぎ、管理棟を出て、誘引場所の塩とヘイキューブを鹿が夜間に食べられないよう、いつもの工作しようと車を走らせた。と、大沢山の鹿の数が14,5頭に増えていただけでなく、より驚いたことには、なんと貴婦人の丘と道路を挟んですぐに対面する放牧地にも8頭の鹿がいた。もちろんその間も、爆音機は作動していた。その8頭の鹿は、自分たちのいる場所から100メートルほど下に車が止まったため、一斉に警戒態勢をとった。そして車から人間が降りてきたのを確認すると、さして慌てるでもなく、まるでお義理のようにそばの繁みへと姿を消した。
思い出せばその日の朝、爆音機が大きな音を発したというのに、上空を飛んでいたカラスは何の反応も見せず、悠然と西の森の向こうへと飛び去っていった。カラスも、爆音機の音に馴化してしまったというのだろうか。
ところがこの爆音機、夜間は稼働していなかったという重大なことを、今日初めて知った。だから夜鹿が来て、2,3個残したヘイキューブを食べても少しもおかしくないし、監視カメラにその姿が撮影されていても全く不思議ではなく、むしろ当然だったのだ。
で、今日から日中は爆音機を止め、夜間に作動させて、鹿の反応を確かめるようにやり方を変えた。もしかすればその方が、鹿の行動を日中へ誘導することができるかも知れない、という期待もある。とりあえず、3日ばかりそれで様子を見ることにした。
どうも鹿が一番警戒するのはほかならぬ人間で、場所によっては1キロと、相当の距離からでもこちらの動静を窺っていることだけは間違いない。
季節外れのキャンパーが来てくれた。毎年夏にやってくるJALNECのメンバーで、メカに強い二人のお蔭で最近調子の悪かったPCとiPhoneが機嫌を直した。助かった。お礼は昨日捕獲した鹿さん。
Nさん、いつも見ていてくれてありがとうございます。鹿の話なぞ面白くないかもしれませんが、しばらくはご容赦を。今夜は凄い夜空が期待できそうです。
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