入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

         Ume氏の入笠 「春」 (6)

2015年04月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 上高地で、昨日の27日、開山祭が行われたことを新聞で知った。また今年も、たくさんの人が参集したようだが、確かに雪をまとった穂高の山並みを、大正池あたりから眺めるのは、いつの季節であっても心に沁みる。人を誘って行ったこともあれば、一人だけで訪れたこともある。多くは、しかし、上高地は通過点であった。
 梓川沿いの横尾へ通ずる一般歩道ばかりでなく、よくと分からぬ左岸の径も歩いたが、あるとき一緒だったOさんは今はどうしているだろうか。梓川を渡渉する際に背負ってやろうとしたら、予想外に重くて、危なく川の中に倒れそうになったが、そのとき水中でもつれた足と、ひ弱な背中は、あの時のことをまだ覚えている。
 今誰かに誘われても恐らく行かないだろうし、今後そういう機会が訪れてくれなくても、もう充分だという気がする。

 急に話は変わるが、今日の新聞には、首相訪米による日米の「同盟強化」が大きく取り上げられ、続いて「原発回帰」や、憲法解釈を大きく変える「新防衛方針」とか、わが国の将来に大きな影響を及ぼすであろう内容の記事が掲載されていた。そのことの是非を、ここで云々しようとは思わない。
 ただこういう重要なことを次々決断できる一国のリーダーの精神力とは、一体いかなるものかということである。もしも国を、いや世界を、誤った道へと進めてしまったらと考えたなら、普通ならその責任の重さ、そのストレスで、頭や気がおかしくなったとしても不思議ではない、と案じてしまうのである。
 しかし拝見するかぎりそんなふうには見えない。ごく平凡な一人の男が、国の最高権力者に許された権能を、よくと分からぬ理念や信条、思い込みでふるっているように見え、時には危なさを感じてしまうことがある。わが国の首相だけではない。この広大な宇宙の中で今のところ唯一の知的生命体である人間を、いろいろな国の政治指導者と呼ばれるあの人たちに託することの不安・怖ろしさも当然だが、ご当人さま方が日夜どれほどそのことを自覚なさっているのか。
 第2次大戦から70年、多くの生命が失われ、現在もなお悪政に苦しむ人々が世界中にいる。「ご免なんしょ」ではもちろんすまないし、断じて指導者の命や首で引き換えにできるものではない。にもかかわらずあの人たちに、そういう重い責任からくるところの屈託、恐怖がそれほどあるようには見えない。間違いだろうか。もちろん、身間違いであってほしい。

 入笠牧場内の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましては、4月26日のブログをご覧ください。内容は必要に応じて改訂していきます。

 

 

 
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        牧場の春 (4) 

2015年04月28日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日「無音の春を独占しながら・・・。」などと書いたが、あの有名なレイチェル・カーソンの「沈黙の春」から拝借したつもりではない。題名は知っていたが読んだことはなく、春が来たのに虫や小鳥の歌わないアメリカの地方の町のことではなくて、ここ入笠牧場の早春の話であったわけだが。
 この時期は特にそうだが、本当に鳥の声の他には、広大な草原には音がない。たまに風の強い日だと、牧柵の支柱がボウ-ボウ-と低い音を立てることもあるが、それはバラ線を結線するため支柱に穴が開いていて、その穴が気まぐれに笛の役をしてくれるからだ。天気のよくない日にこの音を聞くと気分の滅入ることもあるが、今日のような春霞の立つ青い空の下でなら気にはならない。
 単調な仕事に没頭していてふと、森の方から小鳥の囀りを耳にしてやっと我に返ることがある。そして初めて、音のない圧迫感というようなものに、ずっと包まれていたことに気付かされる。それにまた、大きな青い空に雲でも浮かんでいればだが、そうでないと音ばかりでなく動きもないという、まるで写真に写った景色の中で、一人だけが動いたり、音を立てたりしているようで、そういう自分の姿を想像してみるとこれもまたおかしい。

 今日は東部支所の新しい所長が、組合員課のHさんと来牧、いろいろと気持ちよく話すことができてよかった。草刈と布団干しは、これまで通りやってもらえることになり、安堵した。山小屋「農協ハウス」やキャンプ場の利用料金も一応据え置くことで了解を得たが、やはり安すぎるとは感じたと思う。利用者のほとんどが長年のお客で、料金改訂の難しさも説明したが、これに関して私案がないわけではない。



 今年もこの軽トラックが頼り。もう走行距離は10万キロ近いがよく走り、役にも立ってくれている。以前に、通勤と作業とを同一車輌では何かあっては困るし、危険だと訴えてみたが進展なく、毎日100キロ前後を走ってる。
 
 最近は僭越ながらUme氏の作品と交互するようにお粗末な写真を載せているが、もう少し季節が進めばまたUme氏の傑作の数々を登場させていただくつもりなので、五領丸さんもお楽しみに。そういえばこのごろ沙汰がないけど陸(おか)にいるのか、海にいるのか元気ですかね。

 牧場内の山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては、4月26日のブログを参考にしてください。
 それにしても、ゴールデンウイークの営業、いや今年の営業、これではどうなることやら、このまま手をこまねいてよいのか。

 



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         Ume氏の入笠 「春」 (5)

2015年04月27日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今年の弘妙寺(ぐみょうじ)の桜の花は、咲いている間がいつもの年より長かった気がするが、さすがに昨日今日と、春風に花を散らすようになった。代わって落葉松の霞んだ淡い緑の色が、日ごとに色を重ね、濃さを増し目立つようになってきた。色が付いているのかどうか分からないほど薄い色を、丹念に幾回も塗り重ねる日本画の描法のように、実際の自然もまたそんなことを思い出させるほど繊細で慎重に、一日いちにち色調を変えていく。

 仕事を初めて一週間が過ぎた。昨夜は酒とビールをそれぞれ一本に抑えて、風呂から出ると九時前には寝てしまった。断酒以来一人のときの酒量は落ちたが、偶々二日続けて外で大酌してしまい、その結果酒が身体中の疲れを押し出した。
 疲れを取るには眠るしかないと早寝したはいいが、ために夜中何度か目が覚めた。普段ならそこで本でも読むのだが、なんだかこっちもすっかりムキになって、眠気を絞り尽くすつもりで朝まで頑なに起きなかった。
 効くと信じて頼った高い栄養ドリンクを昨晩と今朝飲んだせいか、ズタズタに切られた牧柵の補修が本日はことのほか進んだ。そのことは誠に気分がいい。しかし、よくもこんな仕事を、だっだぴろい牧場の中でたった一人、八年も続けてきたものだと感心した。時折鳥の声が聞こえてくる以外、無音の春を独占しながら・・・。 
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        牧場の春 (3)

2015年04月26日 | H27年営業案内

   

 このところ毎日気持のよい晴れの日が続く。名前の知らない小鳥の声もする。少しづつだが牧草にも緑色が目立つようになってきて、登山者も何人かこの辺りまでも来たようだ。本当の入笠を知るには、牧場まで足を伸ばさなければもったいない。
 今年も戸台方面に通ずる小黒川林道は、崩落のため通行止めで、復旧の見通しは立っていない。美しい渓相を眺めながら行くにはお勧めの林道だが、崩落事故が多く、一般車は道路状況に関係なく通行止めにすべきだという声もある。
 富士見側は4月25日から11月3日まで、午前8時から午後3時の間の通行止めを、早々に決めてしまった。ただし、キャンプ場や山小屋利用者は交通規制の除外を受けることができるも、不正防止のため、最寄りの検問所若しくは宿泊所において所定の手続きが必要となる。伊那側は、林道崩落の修復工事、間伐作業、土木工事といろいろな大型の車輌で、山の静穏も破られること度々。こうした車輌で傷んだ道路の補修は、どこがするのだろう。






 キャンプ場から見た山小屋「農協ハウス」とその内部


キャンプ場A区域


 キャンプ場C区域


C区域からB、C区域


 山小屋「農協ハウス」:1名1泊2500円。一般の山小屋と異なり、ガス、炊事用具、冷蔵庫などの使用可。寝具あり。ただし、後片付けは宿泊者の責任で。また48畳敷きの部屋は、間仕切りで12畳ごと4分割にすることもでき、団体貸し切りにも対応。
 キャンプ場:1名1泊700円。ただし、タープ別途(サイズ次第、1000円程)駐車場あり。
入笠山域でキャンプできる場所は当キャンプ場だけのため、原則予約なしでも受け付け。ただし、山小屋に関しては、予約された方が確実。キャンプ場も7名以上の場合は、あらかじめ連絡されたし。
 受付時間:AM9時00からPM5時00。
期間:4月20日から11月19日、その期間以外の場合はご相談の上。
 詳しくはJA上伊那東部支所組合員課(直通:0265-94-2473)まで。またこのブログのコメント欄、あるいは管理人の電話番号をご承知の方はそちらへも、どうぞ。
 

 

 
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        Ume氏の入笠 「春」 (4)

2015年04月24日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

    Ume氏の本領

  もう、怒りは鎮まったが(単純だから)、不思議なこともあるものだ。昨日、富士見の交通規制に異議申し上げようと、怒り心頭でPCを叩いていたら、突然ブラックアウトしてしまった。結果的にはそれでよかったのかも知れない。
 まあ、交通規制の理由に自然環境の保護を謳っているのは、広大な山腹を削りスキー場を造成し、ゴンドラを架けて、さらに通年営業のため人工のお花畑まで作った富士見町に言われたくない気もするが、たくさんの人たちがゴンドラに乗ってやってきて、スキーや自転車ばかりでなく、四季を通じてあの素晴らしい眺望、自然を楽しみ喜んで帰るのだから、それはそれで意義のある事業だったと思う。
 そうそう、また富士見パノラマの従業員の接客態度は誰も皆、これはゴンドラから眺める景観に負けず実に素晴らしい。一例、今冬、帰りは歩いて下りようとゴンドラの切符売場で片道券を買おうとしたら、「伊那側へ下りる道はよく分かっていますか」と、売り場の女性がさりげなく聞いてくれた。Kさん、恐れ入りました。町長さまも週末は状況視察のためによく登っておいでになるし、バカな牧場管理人の一方的な抗議の声も聴いてくれた。教育長さまともテイ沢の夫婦岩をお供させていただいたり、小入笠から入笠山頂までお送りしたこともある・・・。

 ちょと待て、こんなことを書くつもりではなかった。これではまるで”褒め殺し”と受け取られかねない。もちろんそんなつもりではない、止めよう。要はどうか、不正を許さない、きちんとしたルール、規則に基ずく道路管理を富士見町にはお願いしたい。

 Chiyどの、そういうことで、昨日帰りかけて妙に空腹を覚えたというわけ。で、思い出した、昼飯を食べるのも忘れて怒り狂っていたのだということを。仙人に憧れた僕(やつがれ)は、ますます野生化するばかり、これも深い悲しみの中の諦めというものでござるか。Toshyどのも、御身大事にと祈り申されてこそ候らへ、でござる。
 産業振興課のNくん、言い過ぎたとしたら悪かった。入笠の自然と美しい景観を守るために、頼りにしてます。
 
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