Photo by F破氏
気温が緩み、冬の山の凛とした気が失せた。昼の気温は零度まで落ちない。TさんとFさんは8時ごろ、南沢から釜無方面の森を歩いてくると言って出掛けていった。Fさんは小屋に残り、先程になってOさんが来た。法華道を登ってK君がそろそろ到着するはずだが、まだのようだ。山奥氏からもまだ何の沙汰もないが、氏については何の心配もいらないはずだ。
マナスル山荘は、今年も越年の入山者が結構いると聞く。それでも、小屋の前の林道を行く人影はない。この程度の雪でも、登山者の行動に影響するようなら少し情けないと思うが、ただし周囲の林の木々はすっかり雪を落とし化粧気のない素顔を晒しているばかりで、強いて森の中に出掛ける気が湧かないとしても分かる気がする。
3時になったら、年越しの準備をするつもりでいるので、その前に本年最後の呟きを済ませておこうと、そう思って努力をするのだが、いつにも増して何も浮かんでこない。あまり神妙な気持ちになって、訳の分からないことを呟くのは大晦日でもあるし避けたい。年末恒例の第九は聞き逃した。無念。昨夜の試験的鯛の鍋料理は大成功だった。
今、K君が着いた。法華道は山椒小屋跡辺りから雪があったようで、だとすれば例年に比べかなり少ない。それでもこの時季、あの古道を来る登山者がいるのは喜ばしいことだし、後に続く人が出て欲しい。
今年がもうすぐ終わろうとしている。何も特別なことなどなかった一年だったが、それでも去っていく時の区切りには、哀惜と感謝の気持を持って送りたい。
そして、この呟きに耳を傾けてくれた多くの人たちに感謝申し上げます。どうか良い年を迎えられますよう。