野生鹿に対して、行政がいろいろと骨を折っていることは承知している。牧場にも、いろいろな人が来る。農水省からも全国の害獣対策を統括する役人が来たことがある。その時に避妊薬のことや、移動式の大型囲い罠については熱く話をしたが、その後のことはどうなったか何も聞いていない(肉筆の局長名で礼状は来た)。
ともかくまずやるべきことは法令の見直しと、避妊薬の開発で、こういうことは行政が動かない限り進まない。猟師の高齢化などということを誰が言い出したか知らないが、もちろんそんなことを言っていて済むわけではない。学識研究者らが喜ぶシャープ・シューティグとかドローンとか、話題性はあっても、根本的な解決方法にはとてもならない。動物行動学が泣く。
鹿には4つも胃袋があると書いた。どうも、このことがネックとなっているようで、わが国ばかりでなくアメリカでも、まだそのあたりの研究や、決め手となるような薬の開発はできていないようだ。
法令の見直しや、新薬の開発など当然、一介の牛守などには提案してみるだけで、どうこうできることではない。ただし、避妊薬が開発され、実験でもよいからやってみろと言われれば、自信がないわけではない。つまり、どうやって鹿に避妊薬を口にさせ、摂らせるかということについては方法がある。入笠牧場なら、3か所から5か所そういう場を設ければ、相当の効果が期待できる。そうなれば、全国にも拡がるだろう。
こういうことは、学識経験者には無理なことで、それは建築士が設計図は描けても、実際にそれを建てることはできないのと同じ、知識はあるかも知れないが彼らに、猟師の役ができるわけではない。
行政は、大学の先生や研究者の言うことをもって、結果への言い訳、つまり"保険″にしようとすることがあるやに見受けられるが、無茶な設計に腹を立てる現場があるように、有害動物駆除に携わる者の声にも、さらにもっと耳を傾けなければ鹿は減らないと知るべきだろう。少数の研究者の意見より、多数の猟師の声である。時に変な声も混ざるけど。
1年ぶりに年末年始の営業をすることにしました。また、12月最初の週末、14日のふたご座流星群の観測に合わせて上にいます。お出掛けください。
「冬季営業の案内(’17年度」は、前年のものを流用している部分もあって、段落や改行がおかしく、見苦しいかも知れませんが何卒ご容赦を。少人数の場合は一応ご相談ください。また他の団体と計画が合えば、少人数でも管理棟の予備の部屋10畳ふた間を利用することができます。