Photo by Ume氏
霜の降りた朝の牧場。上空から眺めると、普段と全く印象の異なる景色が広がる。
ほぼ中央に3棟の屋根が見える。ここが牧場の管理棟であり、また時代遅れを売る山小屋「農協ハウス」でもある。手前の森は後に述べる「アラスカの森」で、その上は第4牧区になる。ポツンと見えてる島のような一叢の林を中心に、柵が見えるが、これが囲い罠である。元来は、入牧、検査、下牧の際に、いったんここに牛を集め、それから次の段取りに進む場所であった。それを12年前、つまりここで働くようになった年の冬から、大型の囲い罠として強化し、兼用するようになった。しかし、捕獲に成功するようになったのは、翌々年からである。
遠くにも山腹が縞状となったなだらかな山が見えるが、この山を中心とした一帯がこの牧場最大の第3牧区で、ここに撮影でよく使われる「貴婦人の丘」もある。中央左手の日の当たっている林は第2牧区の一部で、近年最も重要な牧区となっている第1牧区は、さらにこの上になる。
Photo by Ume
「アラスカの森」の秋を、上空より空撮。色付いた森の中を細い川が流れているのが分かるだろうか。小黒川の源である。
この森に初めて足を踏み入れた時、森相のあまりの美しさに驚いた。サルオガセが垂れるモミや落葉松などの針葉樹の深い森は、神秘的な雰囲気に溢れていた。何本かの立ち枯れた木がまとまって残る一角があり、そこを迂回するようにして澄んだ水の流れる川があった。すぐ、野外スタジオを連想し、あるクラシックを歌う歌手の名が浮かんだ。どこかで目にしたことのある風景だと思っているうちに、それがアラスカの森と繋がった。以来、勝手に「アラスカの森」とあだ名を付け、呼んでいる。
森は国有林だが、共用林野の扱いで入笠牧場が国から借地している牧区(第5牧区)である。
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枯れ葉の積もった山道を歩きに来ませんか。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
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