山室川の雪も少しは融けただろうか
陽気がよくなると、自然と身体が外の活動を欲するようになるようだ。今年はもう放っとこうと思っていた梅の木の枝打ちを、急に気が変わって2本もやった。近所の元気なお婆さんによれば、花が咲く前なら大丈夫と言うことでやってみる気になったのだが、あと少ししたら花を咲かせようとしていた梅の木には気の毒だったかも知れない。何だか樹形がいやにあっさりとしてしまって、辺りの雰囲気までも変わった。
雪が融けるにしたがい、また鹿は上へ上へと移動を始める。昨日の「毎日新聞」には「急増する野生動物の被害」のタイトルで、3人の人の意見が掲載されていた。
その中で、13年前に大鹿村に移住してきたという人は、「有害鳥獣の繁殖機能を低下させる薬剤開発云々」という意見を述べていた。以前にこのブログでも、同じ考えをかなり具体的に書いた。このことはもっと検討されてしかるべき課題だと思い、県の獣害対策の関係者にも話したことがある。いろいろとややこしい問題があることは想像できるが、ここまで来てしまっては無難なことばかりやっていても、ことは解決しないだろう。
他の2名は、大学の先生のようだが、「科学的視点での対策必要」とか、「地域特性踏まえた共生を」とか、もう、この類のお題目めいた意見は聞き飽きた。何の参考にもならない。そろそろこういう人たちに獣害対策を論議してもらうのは、止めた方がいいのではないかとさえ思う。
「科学的視点」と言えば、まさしく学識経験者であるご当人のような人々の意見を聞いた上で、行政はこれまでずっと獣害対策を行ってきたはずだが、それは「科学的視点」ではなかったのだろうか。確かに、野生動物学が専門なわけだから鹿やイノシシのことは詳しいだろう。しかし、「科学的視点」を言うなら、有害動物対策は、もっと広範な分野からの考えも取り入れる必要があり、例えば心理学だって、その一つに含まれよう。
「被害の現状を学びながら地域の文化や思いに触れるツアーで地域活性化を図ったり、捕獲した鳥獣をジビエ料理用の特産品として売ったりする各地の取り組みが参考になる」。こんなことで、過疎化が進行する地域の”活性化”が可能になるなら世話はないし、またすでにやっている。また、ジビエ料理と簡単に言うが、捕獲後の処理には、食品衛生法をクリアーしなければならないという難題があるのを、ご存知ないのだろうか。「特定の動物が増えているからといって、それらを減らすことばかりに注力し、人々の思いや地域の将来を考慮しない取り組みは避けなければならない」。なにを言いたいのか分からないが、「人々の思い」も「地域の将来」も、野生動物の被害を少なくしていくこと、まさにこれこそが切実な願いであり、それを超える「考慮」しなければならないことがあるのだろうか。
久しぶりに山の雑誌を買った。まだパラパラと読んだだけだが、結構面白い。
さて、今日で2月も終わる。3月と聞けば、それだけで冬のイメージは遠のき、明るい春の野山の情景が浮かんでくる。まだ山は、雪だらけだというのに。
時代遅れの山小屋「農協ハウス」の営業に関しましては、2月24日のブログなどを参考にしてください。