大晦日。入笠、現在(午後3時)の気温0度、曇り。
ここに着いた昼、それから今までもずっと晴れていたが、それが急に怪しくなってきた。今にも雪でも降ってきそうな空模様だ。ドロドロのウイスキーを飲みながら、残り少なくなった今年を意識している。
少し歩いてみた。冬枯れの野末の森の方まで。斑(まだら)に残る雪を避けて少し高い所まで登ると、夕暮れ前の北西の空にはまだ薄青い空が見え、霧ヶ峰には日が射していた。まだ下に移動しない鹿がいるようでその足跡ばかりでなく、近くの森からは例の甲高い警戒音も聞こえてくる。上空には気圧(けお)されるような厚く重い雲がさらに広がり、雪も舞ってきた。
何か考えようとしてみても、思念がまとまらない。この牧場での1年が過ぎ、そして9年が過ぎた。短くも長く、長くも短い茫々とした時間が流れ、「あばよ」と言って去っていく自分の後ろ姿でも見るかのように、目の前の夕闇に消えていく風景にすべてをこめて、今年を見送りたい、感謝して、感謝して。
今年1年、ブログを読んでいただき、また多数の懇篤なコメントも頂戴し、大変ありがとうございました。Ume氏を始めかんと氏、TBI氏、N氏、O氏他、貴重なPHを提供してくださった方々にも感謝申し上げます。来たる2016年が皆さまにとり良い年となりますよう念じながら、残された6時間ばかりの2015年をここ入笠牧場においてしみじみと味わい、独酌を続けたいと思います。
三沢 拝