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小田原の端々



お釈迦様の弟子の中にビンドラ・バラダージャという人物がいて、日本では賓頭盧尊者やおびんづるさまと呼ばれている。そのおびんづるさまの像はなで仏としての風習があって身体の悪い所をなでると除病の功徳があるとされおり、板橋地蔵尊の大祭時には開帳されて多くの参拝者がおびんづる像を撫でている。小田原市内のおびんづるさまは板橋地蔵尊のものが有名だが、飯泉の勝福寺にもおびんづるさまがあることを思い出して、先日写真を撮りに出かけた。坂東三十三観音の札所として古くから信仰されてきた勝福寺の境内には多くの文化財や石塔が残っている。本堂入口の階段をあがり外陣へ。堂内の彩色された天女の彫り物や天井一面に張られている千社札はなかなか圧巻。その勝福寺本堂外陣の片隅にあまり目立たないように木彫の像が安置されている。像に札などはついていなかったが形容などからおびんづるさまの木像で間違いないようだ。やはりなで仏として信仰されているようで所々表面のうるし塗りがかすれていた。小田原市内にあるおびんづるさまで今まで確認しているのは板橋地蔵尊と早川観音の2体。どちらも形容は結構似ていたが、飯泉観音のおびんづるさまは少し異なった形容をしている。左手には宝珠を持ち、右手はピースマークのような印相。右手の印相について色々と調べてみたが意味は分からず。早川観音のおびんづるさまと比べると顔周りは少しふっくらとしていた。とりあえず悪い所を撫でて撮影終了。小田原市内で3体のおびんづるさまを確認したが、市内には150以上のお寺があるのでまだ何体かのおびんづる像があるかもしれない。お寺めぐりの際に地道に探してみよう。

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