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今日は何月何日? 浦島太郎さんになっている。これでいいんだよね、でも。幾十年と竜宮城の暮らしを暮らすことができたんだから。
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わたしは、思い出さんこんにちはをしている老い耄(ぼ)れ者。ついでに秋雨の降る雨音を聞いている。軒端に雨垂れる雨の、単調なもの悲しい旋律を。
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今日は何月何日? 浦島太郎さんになっている。これでいいんだよね、でも。幾十年と竜宮城の暮らしを暮らすことができたんだから。
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わたしは、思い出さんこんにちはをしている老い耄(ぼ)れ者。ついでに秋雨の降る雨音を聞いている。軒端に雨垂れる雨の、単調なもの悲しい旋律を。
鳥渡る山々影を重ね合い 桂信子 雑誌「NHK俳句」10月号 巻頭名句より
☆
白鳥、雁、鴨、鶴などの渡り鳥は、夕方から夜にかけて渡ってくるのだろうか。シベリアから日本列島へ来る間に夜になってしまうのだろう。長い長い旅を経て来る。日が落ちかかると、日本列島の山々が影を重ねて来る。その上空を高く大きく飛来して来る。
山々の影の重ね合うところの谷間に目指す湖がある。ここに着地して翼を収め、越冬する。
☆
この句に詩を感じた。大きな風景が現れた。渡り鳥の羽音が聞こえて来そうだった。
近所の栗畑の栗の毬拾いを、家内がさせてもらって来た。
夜中の2時くらいになると、猪が来て栗を食べて行くらしい。
で、猪と競争になるらしい。昼間のうちに拾っておかないと食べられてしまう。
栗畑の住人は高齢の方。毎日拾うのが面倒らしい。
正午を過ぎた。お昼ご飯を食べなければならないが、食べなくてもいい。
一人でいるから、どっちだっていい。
今日は朝から百舌鳥が近くへ来て鳴いている。キーキーキーと高鳴きをしている。初鳴きか。
気温は27℃まで上がっている。室内では半袖半ズボンで過ごせる。軒下に風が来て、洗濯物をゆっくり回している。
このところよく思うことは年を取ったということ。よぼよぼしている。よろよろとしか歩けない。杖をつかないと倒れてしまいそうにしている。なんだか先が見えて来ているなと思う。
軒下といふ冬を待つところかな 黛 執 雑誌「NHK俳句」10月号から
軒があって軒下がある。農家の母屋にも小屋にも。山里が秋を深めて行く。人が訪れて来ることはめったにない。山里の軒下は、人を待つところではない。
冬を待たないでも冬は来る。秋日が細くなって、百舌鳥が鳴き出す。いよいよ秋が深まって、日が恋しくなる。軒下に座る。
深閑としている。吊してある玉葱がずり落ちてきそうだ。大根も畑に育ってきたので、大根漬けを漬ける前に、これも吊さねばならない。寒くなる、大根が水分を失って皺が寄る。
農夫が老いている。季節は自然と巡り巡るので、待っていなくてもいいのだが、それくらいしか待つものがない。軒下に座って、冬を待つ。
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この句には俳句を感じた。こんな俳句を目指せばいいのだなと思った。この句からは次々と思量が膨らんで来る。季節が流入して来て、小川を造る。
夜明けの6時過ぎから畑に出た。農作業に入った。外の空気はひんやりとしていて気持ちがいい。農作業とは大げさか。土いじりくらいだろう。
蒔いた白菜の種が発芽して、植え替えできるまでに育っている。有機石灰、有機牛糞堆肥、化学肥料を土に混ぜて、等間隔に植え込んでいった。風呂場用の丸椅子に座りながら。最後に殺虫剤粒状オルトランを撒き、水撒きをして終わった。
日が昇ってきて日差しが強くなったところで、終了した。収穫できる日が待たれる。収穫できるようになれば、さっそくすき焼きをしよう。
いま午前5時半。気温は19・3℃。長ズボンと長袖シャツにする。
6時になれば夜が明ける。まだ外は暗い。
十分な睡眠時間をとった。もういい。起きて来た。
夢劇場を沢山見ていた。舞台中央にいるのはわたし。舞台はかっての職場だった。未練がましいが、まだ足を運んでみたいらしい。行かなきゃ良かった。案の定、無視を食らった。
山里の夜明けの時間は静かだ。車の音一つしない。夜が明けきったら畑に出よう。昨日蒔いた秋野菜の種床に殺虫剤を振るのを忘れていた。
今日は9月23日。水曜日。長かった連休が明ける。