スペイン植民地時代そのままの古い街、世界遺産、トリニダーを訪問したが、18、19世紀のコロニアル建築が佇み、時が止まったように静かな街だった。チェ・ゲバラの霊廟のあるサンタクララは特別美しい街だった。革命戦争指揮官姿のチェの台座には「常に勝利に向かって」とスペイン語で彼の名言が。ハバナのチェ・ゲバラ邸も訪れたが、質素な建物に質素なベッド。アルゼンチンはコルドバ郊外の裕福な家庭に育ち、医者となったチェ。フィデルと出会い、キューバ革命には軍医、指揮官として参加、体制打倒後も要職に甘んぜず、地位に執着せず、未開放地区の人々を幸せにしたいとコンゴに出向き革命失敗、次にはボリビアに行き、政府軍との戦闘で捕虜となり、翌日銃殺された。39歳の若さだった。このゲバラ邸には彼の使った治療用具やボリビア潜入地の服装等の写真が展示されているが、その優しい顔と目が彼の信念、自信、頭脳、人間愛、行動力等の人間性で惹きつける。人民愛からチェは兵士として死した。筆者はボリビアやコルドバ市の彼の実家等、チェに因む多くの地を訪問したが、コルドバのバス停前の埃っぽい店で買ったTシャツ、彼の澄んだ目と「Hasta la victoria siempre」の文字の踊るTシャツは筆者の宝だ。限りなく懐かしさ人間らしさを感じた国を去る日、後ろ髪を引かれて。完(彩の渦輪)