デンバーからシンシナティ2時間半の航空機内。隣席には小学生が乗るからと事前にフライト・アテンダントが言っていた。4年生がシンシナティに行くという。セントパトリックデーをおばあちゃんと過ごすための1人旅、緊張したのは当然だろう。まずお隣はどんな人か気になったらしい。こちらの質問の機先を制して、「私、お祖母さんのところに行くの」。筆者は「何年生?1人で偉いね!」と言わざるを得なかった。彼女の名前は「ヘイレイ」。私が「日本のこと何を知ってる?」と聞いたら暫く考えていたが、「8月15日は日本の平和記念日!」と言った。日本の子ども達もあまり意識しない日なのに!感動していると、続いて、「Sadako and 1000 Cranes=サダコと千羽鶴」と、原爆の後遺症で死去した貞子の物語を思い出して伝えてくれた。日本の子どもはあまり読んでいないでは?学校で習うだろうか?そしてお菓子を出して私に勧める。言葉が通じなければ他の方法でと気を遣う。次にはi-Padを出して開いたが、4年生が筆者と同じものを持参しているのに驚いた。友達にメールしているのだろう。次には編み物を出した。2本の棒に編みかけた毛糸がつながっていた。続いてゲーム機でカチャカチャ。音楽も聴いた。次々とやることを変える。機外を見て筆者に何か質問したがよく聞き取れなかった。目は常に見開き、機内でも可能なことを試みる、準備したものを全部実行する行動的な少女だったがそのうち寝てしまった。思い出せば息子が同じく小学4年生の時、祖父母のいる郷里の米子まで一人飛行機に乗せた。が、果たしてこの少女のようにお隣席の人へ話しかけただろうか。いや黙って座っていただろう。これは米・日の違いはもとより、当然、家庭教育の結果に違いない。(自悠人)