彼岸花の季節が来た。妖しい花と言われ曼珠沙華(まんじゅしゃげ)の別名を持つ。サンスクリット語 manjusaka の音写で「天界に咲く花」という意味だとWikipediaにある。筆者、小学校1年生まで戦争で当時小学校は閉鎖、兵隊さんが大勢駐屯し、たまにこっそり校庭に行ってみると外の水飲み場には蛆虫がピンピン・コロコロ転がっていたことを今でも覚えている。その頃、いとこのフンちゃんとよく遊んだ田舎の土手には曼珠沙華がびっしり咲いていた。子ども心にも妖しげで、天上で遊ぶような雰囲気になったことも思い出す。土手や畦道に植えてあるのは、その球根の毒性で野鼠やモグラが穴をあけるのを防ぐためと聞いた。が、こういうことも聞いた:「曼珠沙華の根っこを掘ってお国に供出しなければならない」と。後で知ったが、鱗茎から澱粉も薬も製造出来たそうなのだ。曼珠沙華は有毒且つ有益な植物なんですね。
その曼珠沙華に会いたくて矢川緑地へ。咲いていました!満開ではないけれど、小学校1年生の時の田舎の土手を思い出すには十分の妖しさを湛えて。その妖しき美しさのお蔭で土手遊びの懐かしさに浸れたけれど、曼珠沙華はそこの咲いていてくれるだけでいい。球根をお国に供出させられ、小学校が閉鎖されるような戦時には戻りたくないですね。(彩の渦輪)