かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

再生への選択

2008-09-30 | 事例
「君、こんな数字でリスケなんて既に手遅れだよ。
 思い切って民事再生に行こう。」
予期しなかった弁護士の一寸威圧的の言葉です。

不思議なことも有るもんです。
借入残は増えないのに、返済額が増えて居るのです。
今までは借りて返済をして居ました。その所為でしょうか。
もう貸してくれるところは無く、三ヶ月前に借りた返済が
今月から始まりますが、ずしっと来る重みです。

「今月払って、もう1ヶ月は大丈夫。3ヶ月目が若干危うい。」
と読んでいますが技術屋集団だけのこの会社、どうして良いか解かりません。

最近変えた税理士が言いました。
「社長、リスケをしましょう。銀行にお願いするのですが、
 社長一人では少し心もと無いから弁護士をお願いしましょう。
 私が紹介します。」

今日その弁護士を訪ねました。
決算書を開くや否、弁護士は冒頭の言葉を吐いたのです。

「君。利益なんて出ている様でも肝心の資金が回らないと駄目だよ。
 今の君の会社は、借金を消さないかぎり絶対に楽にはなりませんよ。
 大丈夫。僕に任せて至急に再生法の申請をしましょう。」

20名のシステムハウス。もう30年になります。
大手企業と組んで巾広くシステム開発の他、パッケージ製品も出しており、
そのレベルの高さは業界にも定評があります。
経費の殆どは人件費です。人材にはお金をかけて高額な給料を出し、
余裕ある陣容を誇っています。

今2億の借金にあえいでおりますが、10年ほど前に、この郊外に
仕事場を新設した残金と、それに6年ほど前にバグを出し、
その処理に6000万ほど掛かった残とが苦しめているのです。

「再生法と云っても倒産と同じでしょう。得意先との契約書には、
 再生法を申請すると取引を中止すると云う条項が必ず入って居りますが。」
「大丈夫だよ。僕に成算があるから。取り引き先は逃げないよ。」
自信ありげな弁護士の言葉。それに再生法の利点を聞いていると
確かに申請した方が良い気にもなります。

半ば再生法を申請つもりで、得意先で創業時代世話になって居る人を
訪ねました。大企業の部長職です。何でも打ち明けられます。
「再生法の申請を考えて居る。」
部長はびっくりしました。でも心配してくれました。
「そうか。でも原因ははっきりしているから、君んとこの技術なら
 何とかなるよ。内の会社の子会社がね、君みたいな会社と合併を
 望んでいるんだよ。そう、思い切ってその会社とM&Aを考えますか。
 僕が仲立ちをしても良いよ。勿論君は絶対に必要人物さ。
 内の子会社ならば取り引き先も口座を切り替えてくれるだろう。」

この言葉に飛びつきました。
しかし数日後、戻ってきた返事にはがっかりしました。
「あの話な。誰もが基本的には賛成して居るよ。しかし邪魔に
 なるのは負債さ。其れまで引き受けるのは一寸きついと云うんだよ。
 君のところの社員が君を含めて一斉に退社し、改めて内に入社すると
 云う様な奇抜のことでもすれば出来るがね。しかしその場合は、
 君たち夫婦には保証人として、責任が懸かっていくよ。
 最も再生法の場合でも金たち夫婦は借金の保証を追うんだがね。」

再生法でも保証人は何処までも追及されるとは知りませんでした。
又今回のM&Aでも借金が問題になって居ます。

再生法もM&Aもうまく行かないみたい。飛び込んだ本屋で1冊の本が、
目に留まりました。第2会社と書いてあります。
早速本にあった連絡場所に電話して会うことにしました。
「第2会社が一番良いと思いますよ。特にお宅の場合は設備も
 何も有りません。コンピューターがありますが黙って第2会社で
 使用しても銀行は何も言いませんよ。第2会社の成功の秘訣は、
 得意先が新口座を開いてくれるかと云うことに掛かっています。
 第2会社の挫折は殆どこの点を甘く見ているのです。
 但し御社の場合はシステムが基になって居ますから、取り引き先は、
 どんな事をしてもお宅と取引せざるを得ないです。」
瞬間あの弁護士が再生法申請しても取り引き先維持は自信があると
云ったことを思い出します。
 
短時間の間にいろいろの会社再生について当たりました。
要はどの方法も再生のポイントは二つ、優良得意先と続けて
取引可能かと云う事と。旧債務は保証人が責任もって処理を
しなければならないと云うことでした。

「結局は第2会社か。それにしてもリスケから出発するのが妥当だな。」
税理士の云う通り、弁護士同行なんて全く無駄、いやマイナスになると
判りました。直ちに銀行と交渉しよう。しかしどうして良いか解からず、
とりあえずがっかりです。

しかし此処から第2会社にも走らず、借金の完済は諦めながら、
旧会社のまま債権を目指している経営者も少なく無いという事を、
彼はまだ知りません。





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